ラブラドール・トリプルスター昨日、今日、明日

ラブラドールブリーダーの気侭な「雑記帳」へようこそ。

☆☆☆ 老犬達に学ぶ~金曜日・・・

2010年10月15日 | トリプルスターの日常

  
相変わらず毎日が忙しく過ぎていく。
ひょんな事から、急にレスキュー団体のスタッフと会い話しをすることに、、、、、。
話しの主な内容は、レスキューの事ではなくラブラドールという犬種に関しての質問が主でした。
別れ際に動物遺棄(犬)の話題になって、ある雑誌が行った調査(自治体対象)のことを話してもらいました。
飼主に遺棄される犬の30%が、捨てられる理由として「問題行動」が挙げられるそうです。話しを伺って、ブリーダーの立場とし
て胸の痛む思いに駆られました。(レスキューにあたる方達の、保護した犬へのリハビリの考え方にも、心響くものが有りました。)
午後一番、昨日に引き続いてデュークのスタッドワーク。二回目の今日は、身体を労わって?人工授精を試みることにしました。
      
問題行動を抱える犬の存在は、主な原因としてブリーディングそのものの行為が先ず挙げられます。
二つ目の原因として、犬を飼う人達の犬そのものへの無理解が挙げられるでしょう。
言いかえれば、間違ったブリーディングと誤った飼育の方法が問題行動を抱える犬を生んでいる、とでも言えますでしょうか。
      
◇ブリーダーは、細心の注意を払って犬をブリーディングしますが、一番重きを置かなければならない点を見誤っている事が多
々あります。姿かたちばかりを追い求めたり、淘汰の必要がある問題個所を見過ごしたり、安易に妥協したりする事例が見受け
られるのは非常に残念なことです。
      
◇犬の身体的な健全さと良質な気質を軽く見ていては、いつまでたっても良いブリーディングは出来ないと思っています。
そして、例え良いブリーディングが整って健全な子犬に恵まれたとしても、譲渡するまでの期間をどんな風に育てるか?
どんな状態にして譲渡するかで、将来問題行動を抱えることの無い犬を生み出す事が出来るのではないでしょうか。
      
問題行動を抱える犬が生まれるもう一つの原因に、飼育方法の誤りがあげられます。
良かれと思って行っている飼育方法がその犬(犬種)に合っていない場合、ときとして「酷い問題」を抱えてしまう事態に陥る事が
有ります。しかし、捨てられてしまう原因になるほどの問題行動を抱えてしまう事は、そうそう有る事ではありません。
遺棄されてしまうほどの問題行動とは、いったいどの程度の事を云うのでしょうか。
ラブラドールに限って言えば、普通に繁殖された子犬が普通に飼育された場合、手のつけられない問題行動を抱えてしまうと言
うことは殆ど無いと言って良いのではないでしょうか。
経験からいっても、問題行動を抱えて飼主から放棄されそうになった犬を、別の飼主に託してみると全く問題を起こさないで済む
事があります。それどころか、従順な模範犬としてそこの家庭では家族以上に重要な立場を得て、可愛がられることの方が多い
ものです。
問題行動というものを単純に考えた場合、「飼う側の意識の問題」ということも、大きなウエイトを占めていると思わざろう得ない
のですが、、如何なものでしょうか?
      
◇さて、我が家の老犬達。15歳のベスと14歳のクラウス、それぞれ昔は問題行動を抱えて我が家にやってきた事を思い出し
ます。その二頭が、そこそこ歳をとって身体も弱くなってまいりました。
あちらこちらとガタが来てもおかしくない歳だというのに、不思議なほど元気な毎日をおくって来た二頭だったのですが、、、、。
最近になって、特にクラウスに異変が起きたのです。
      
◇4月の初めの頃でしょうか、左側頭部、左目と左耳の間が腫れぼったく熱を帯びる様になって来ました。
さっそく動物病院にて細胞を採取し、病理学検査を依頼したところ「骨肉腫」との診断が下されました。
なんとなんと、、、、、です。
      
◇以来、覚悟を決めて飼育にあたっています。
覚悟と言っても、最終段階に至った時の対処の手順を間違えない様にしようという事と、その時に協力して戴く獣医師との打ち合
わせ、意見の摺り合わせなどを済ませる事でした。
頭部の骨肉腫という事で、手の施しようが無いわけではありませんが、、治療方法の選択には難しいものが有りました。
正しいか否かは別として、我々が下した判断は、特に治療を行わず経過を見守ると言う事でした。
      
◇徐々に頭部の腫れは酷くなって、現在左目は完全に塞がり、右目がかろうじて開いている状態です。
口を大きく開ける事は出来ませんが、特別メニューの給餌を残らず食べてくれる前向きな姿勢には感激しています。
垂れ落ちる涎を拭いてあげる時、塞がりかかっている眼から出る眼やにを拭ってあげる時、それはそれは嬉しそうな表情をつく
ります。まるで恩返しをしてくれているように、じつに穏やかな表情です。
そんなクラウスに対して、可哀そうだとか不憫だなどとは思う事はいっさいありません。思えば気持ちはクラウスに伝わり、健気
に生きる意欲を損なうことにも繋がりかねません。言いたい事を言い、遠慮する事なく指示を出し、可愛がり方を変える事もあり
ません。恐らく亡くなる直前までそのやり方を通す事になるでしょう。今まで(亡くなった犬は)全てそうして来ましたから。
      
◇すっかり弱ったクラウスにも、ベスにも、偉いなと思うところが幾つかあります。
一つは、常にお互いを労わり合っていると言うところ。特に牡のクラウスは、幾ら弱っていても牝のベスを気遣います。
他には、幼齢期の犬や若い犬に対しての威厳の示し方です。犬社会のあり方を身をもって指示し、ぶれることが有りません。
イザとなった時の迫力には、大概の犬達が恐れをなして、従順になるのですからたいしたものです。
      
◇深夜飼育室を見回ります。其処にはいつも、息も絶え絶えなクラウスを心配気に見守るベスの姿があって感心させられます。
      
      クラウス14歳・ベス15歳
◇先々いつの事か、クラウスに痛みが出た時、最後の判断を下す事になります。
やがて最後の時が来るのを、慌てもせず静かに待っているクラウス。飄々としていて、存在感を漂わせています。
現実には、弱った身体は実に頼りなく感じられる筈なのですが、内面にくすぶる生きる力を素直にあらわしているのでしょう。
今までのクラウスとの14年間を思うと、じつに牡らしい芯の通った犬だったのだなと言うのが偽らざる実感です。
犬だからこそ、此処まで真っ直ぐに強く生きられるものなのでしょうか。出来ることなら、今からでも見習ってみたいものです。


   皆さまも、今日もご愛読下さいましてありがとうございました。
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コメント (3)
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