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あさ、ゆうべからの雨がショボショボと降り続いています。
慎重に、手際良く、確実にと心掛けながら、ケンネルワークにあたりました。
雨にぬれた犬達の身体を丁寧にタオルドライし、濡れタオルで顔を拭き、ヒビテン液をしみこませたカット綿で外耳をケアしてから、、
最後にギュ~ッと力一杯のハグをしてから個々のケージに収納します。
空調は、温度をやや高めに(27度前後)、湿度は出来るだけ低くなるように(40%)設定、このまま昼過ぎまで大休止、熟睡して貰いま
しょう。
退院の日、ホッとした穏やかな顔付。
◇今日はステイ中のT君の去勢手術を行う日です。体調が良く、そしてお日柄の良い「大安吉日」を選びました。
手術はそれを受ける側の患犬の体調が良いことはもとより、手術を行う側の獣医師の体調も良い日に行われることが望ましいことです。
さて随分前から、動物病院で行われる幾つかの手術についてあれやこれやと考えていました、、、、。
人間(獣医師)がその手を使って行う手術には出来不出来というものが必ずあります。
もしも手術が不首尾に終われば数日後に再手術などと言うことも含めて、経験上、完全無欠な手術などはそうあるものではないと思って
います。
なので手術を受ける側として、念を入れて望むに越したことはありません。些細なことながら、縁起を担ぐのもその為です。
前の晩遅くまで急患などの処置にあたって、寝不足と疲労困憊した状態の獣医さんでは、、、如何に名医と言えども、、、心配なものです。
何日か前から獣医師に頻繁に電話などして、間違いなく良いコンディションにあるか否か、調べるのも無駄なことではありません。
飼主がそれ(手術)を如何に大事に考えているかと言うことを、理解して貰う為にもプレッシャーをかけておいた方が安心できますからね。
昨日の晩、今朝、病院に向かう途中から、到着してからと、昨日から今日にかけてだけでも四回も電話してしまいました。
煩がられたでしょうが、これで、間違っても「段取り不足」などにはならないでしょうから、、、、、。
◇身体にメスを入れる手術は、どんなに簡単な手術(例えば去勢手術)であっても術後のケアがだいじです。
一週間から十日が過ぎて「抜糸」が済むまでは、感染予防のため外出を控え安静に努めるべきですね。
何かあればその頃までに不具合となって出てくる筈ですから、日常の観察がとても大事なこととなります。
少しでも「オカシイな?」と思ったら、早目に獣医師に報告~相談することが必要です。
些細なことと気にせずに必ず連絡をとって、今の様子を的確に伝えるようにすると良いですね。
リハビリには、正しい方向へ働く人の力が必要です。
◇抜糸と同時に行われる術後初めての検診は、獣医師にとっても飼主にとっても(上手くいったかな?)少しばかりの緊張を伴います。
手術が上手く行っていて、変な反応も無く、初期段階での回復が良ければ両者ともに安堵の一息がつけると言うもの。(そう願いたい)
不適切な飼育管理や、手術に使う縫合糸などの選定ミスが原因で、滅多にない術創のトラブルが発見されるのも概ねこの時です。
順調にリハビリが進むと、表情に余裕が生まれます。
◇手術内容にもよりますが、患部のレントゲン撮影などを行って回復が上手く行っていれば、すでに開始されているリハビリは本格的な
機能回復主体の内容となります。
しかし、「急いては事をし損じる」の言葉どおり、焦って問題を起こすのもこの頃に多いように思えます。人間の場合でも、経験の浅い若
い理学療法士が失敗することの多い時でもあり、リハビリに於いては目の離せない要注意の時期とも言えます。
以前あったトラブルの一例として、縫合糸の選定ミスにより術創のトラブルが発生したのは丁度この時期であったように記憶しています。
手術は「帝王切開」、丁度離乳を済ませて子犬から離し、回復の為にお預かりした牝のL/R(三歳)にそれは起こりました。
皮膚側の縫合跡は完全のように見えたのですが、筋膜を縫合した糸に問題があって患部が化膿、大事に至る寸前で発見したことがあり
ました。日々の経過観察を怠らなかったので、幸いにも犬生を左右するような大事には至らず、後で飼主さんには感謝されましたが、、、。
そう言う意味で、ポンコツの愛読する「馬医者修行日記」に先々月(5/29)書かれた記事(抗菌コート縫合糸)は大変に参考になりました。
自信満々、好事魔多し、要注意期。
◇犬に対して行われる機能回復の為の手術。特に関節(股関節・膝関節・肩関節・肘関節etc)の手術に関して思うところがあります。
満足げな顔付、よしよし。
◇一週間から二週間の入院期間を経て(もっと早い退院を促す病院もあります)退院となり、獣医師から患犬はすぐに日常の生活に戻
れるような説明がなされる場合があります。が、それは多分に疑問があることでもあります。
「もう痛みも無く普通に歩けますから、少し気をつけながら普通の生活をさせて下さい。」と言う獣医師からの言葉を、飼主はどう解釈する
と思いますか?膝の手術(脛骨前方転移術・T.T.A)だけを考えてみても、再発を含め術後に反対側に起こる同じ障害は40%と言う高い
確率と言われています。約半数に近い犬達が、ほどなくして反対側の足も同じ障害で悩まされるようになるなんて、信じられますか?
長かったね~、もう一息だよ。
◇専門分野にある方々と、じっくり膝を据えて考えて見なくてはいけない問題かも知れませんね、、、、。
なにはともあれ、T君の「去勢手術」は無事終わったようです。
手術の効果が出て、幾つかの問題行動がなくなってくれれば幸いなのですが、、、、。
一週間過ぎて抜糸が済んだら、T君だけではなく飼主さん対象のリハビリも始めなければなりません。
今までT君の問題行動の多くは、ブリーディングによる個体の特徴によるもののみならず、飼主さんの飼育姿勢にもやや問題があった
からなのです。
少し難しくなりますが、ペットとして飼育する子犬の選定には専門的な(人からの)意見を聴くか、じゅうぶんな事前の準備が必要です。
自分に合った子犬が選べなかったことは、そのご十数年間にわたって悩みを抱えることになるかもしれません。
飼育に自信の無い方は、100日を過ぎてからの子犬を選ぶことも良い選択肢なのだと言うことを頭に入れておいてほしいものです。
皆さまも、今日もご愛読下さいましてありがとうございました。
毎日の出来事などを、これからものんびりと綴ってまいります。気楽に観て頂けたら幸いです。
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