昨日伺った、怪我をした犬の飼い主さんから電話がありました。
止むを得ない事情があって動物病院に連れて行けるのは45日後になると言う。
愛犬の怪我は軽症ではないものの、動物病院に行ってベテランの獣医師に診断を仰ぐべき怪我で
あると思われるが、仕方がないのでケージレストの方法などを詳しく伝え直す。
※長期ケージレストの注意点と、怪我をしている愛犬への薬の投与に関してのサジェッション等を
行いました。
生後八日目
まだ、名前はつけられていません...
昨日見た犬は、恐らく遡ること一週間以内にアクシデントに見舞われたように思えます。
※飼い主さんは、3日前から跛行をするようになったと仰っていますが...。
「膝の怪我」だと言うことが濃厚に判断されましたが、その場合/かなり前から今の事態になる原因を度々
作っていたとも考えられます。
そうした場合、現時点で例えば「保存療法」を選択した場合でも、完全ケージレストしなければならない
期間は、最低でも3ヶ月間。
尚 一定期間毎に、獣医師などの専門家の見立て/診察を依頼することが求められます...。
膝の怪我の場合、膝関節の外部の腱や筋肉を損傷した場合に於いては、比較的早く跛行が改善されて
一~二ヶ月経過後には普通に歩ける様になります。(痛めた足に、正しく負重をかけて歩ける)
※勿論、「常時挙上を示すような重傷の場合」はこの限りにあらず、早い時期の治療が要求されます。
膝関節の内部の怪我の場合(前・後十字靱帯損傷/半月板損傷)及び膝蓋骨脱臼等は、損傷程度にもよりま
すが、1~2ヶ月程度の完全ケージレストでは跛行の改善程度に終り、負重をかけて歩けるようにはなり
ません。
出来るだけ早い時期に獣医師の診断を仰ぎ、治療方法を決めることが正しい判断であると言えます。
ケージレスト期間における投薬については、やはり獣医師との相談の上決めるようになると思います。
疼痛管理と言う考え方からは、消炎鎮痛剤の使用が求められると思いますが、それには現在良い薬があり、
長期間にわたって安全に痛みを抑えてくれます。
例えば「非ステロイド性抗炎症薬/NSAIDs」として、一度の投薬で長い期間にわたって痛みを抑える働きの
ある薬がありますから、そういった薬を使ってあげるべきだと思います。(Trocoxil トロコキシル等)
また日常に於いて非常にテンションの高い犬に補助的に使う薬としては、獣医師と相談の上で催眠導入剤
などの薬も検討したいところです。
抗不安作用/鎮静/催眠作用/筋緊張緩和作用/抗けいれん作用等がある薬を上手く使うことにより、患犬の
不安や緊張感をやわらげますから、ケージレストはより一層し易くなります。
※完全ケージレストとは、排泄以外はケージから患犬をケージ外に出さないことを言います。
患犬に合った容量のケージを使ってケージレストを行なった場合、痛めた部分の筋肉の衰えは否めない
ものの、正常な部分の筋肉の衰えはさほどでもなく、ケージレスト終了後のリハビリにより容易に元の
筋肉の働きを取り戻します。
長期ケージレストを行なう場合、患犬の精神的部分のコントロールが非常に大事なところとなります。
一般の飼主さんが長期間のケージレストを行なう場合、必ず一定期間ごとに専門家などによる見立てを行
なって貰うことが大事です。その時ごとのアドバイスにより、ケージレストを行なうスキルも向上します。
※NSAIDs=Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs
◇ケージレストのタイミングについてご質問がありました。
若し あなたの愛犬がなにかの理由で足を上げてしまったり(挙上)、跛行をしている場合、すぐにケージ
に収納し、歩かせないようにすることが大事です。そうして、なるべく急いで整形外科に明るい獣医師の
いる動物病院へ行くことをお勧めします。
(一般獣医師しかいない動物病院へ行くことは、時間の無駄かもしれません。)
ケージレスト後、数日して元に戻って歩けるようになったからと言って安心は出来ません。
挙上若しくは跛行の原因を、専門的知識を豊富に持っている獣医師の診断を仰ぎ確実に認識しておくこと
が大事なことです。
腱の断裂や変成などは、そういったアクシデントを繰り返すことによっておこるものだからです。
早期発見早期治療は、患犬の苦悩を減らし、予後QOLの向上を確約してくれます。
なにより早いケージレストを心掛けましょう!
柿のスムージー
衝撃的な美味しさでした...
※朗報と言いましょうか...
いま『再生医療』という分野が盛んです...。
膝や肩や、ある関節部分の治療を、いままでのような手術をしないでほぼ完全に治す方法です。
私的には、いままでに数例の成功例を認めています。(現在リハビリ中の犬も含め、ほぼ100%)
ある物質を痛めたところに注入し、身体が本来持っている治癒力により痛んだ部分を治すと言う
治療方法です。
一例として、靱帯を損傷した患犬を、長期ケージレスト/一部リハビリを伴うにより、或る一定レベル
までに引き上げてから、再生医療を試みました。結果は目論み通り成功し、負傷当初は手術が妥当な
治療法と言われた患犬でしたが、手術をしないで治すことが出来ました。
この治療法の特徴として、完全復帰までの期間が非常に短いと言うこと。肉体にメスを入れていないので、
回復の品質/程度が非常に高いと言うことでしょうか。(骨を切ったり組織を切ったりインプラントなどを
入れていない)
他にも優れたところが多々あるように思いますが、現在複数の患犬をリハビリしながら治療の結果を確認
し続けています.....。
おしらせ...
元気でお利口さん 若犬(ブラック/牡六ヶ月齢) お譲りいたします。
※10/07 専門病院にて「股関節」「肘関節」「膝関節」の六ヶ月齢/レントゲン検査完了。
※網膜及び心肺機能(循環器)の検査も済ませました。只今訓練中/未去勢犬です。
上記譲渡可能犬のお問い合わせは/メール又はお電話にてお願いいたします。
ボーディング(育成/訓練)受諾可能(メンバーのみ) 満室になりました...
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Triplestar Labradors Calendar
トリプルスターの予定表です。
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