辛極貴(李昆)は寶玲を追って劉の家まで来た。訪ねてみると劉は既に居なかった。大家に聞くと引っ越したと言う。寶玲と2人で出て行ったらしい。やはりそうだったかと辛は失望する。死んだことになっているから家には戻れない。まずは住処を探しに行くことにした。友達だから何でも力になるよと伍は言った。仲良し詐欺師コンビの結成である。
賃貸でいい部屋があるということで早速下見をすることに。そこの管理人(王莱)と使用人(石天)がコンビ2人と話している。伍は辛を社長だと紹介するがどうみても社長とは呼べない身なりで管理人は納得のいかない表情。「ご商売は?」と質問してきた。伍は工場がつぶれたと困っている事を言ってその場を切り抜けた。奥の部屋へ入ってみると此処で医者をしている男は患者が来たのかと勘違いした。隅にある2階の上の部屋が空いていた。家賃は月100ドルだったが住むことに決めた。
翌朝、寶玲は高級なホテルの一室で目覚めた。しかし隣に劉の姿はない。部屋を探してみるが劉はどこにもいなかった。これはおかしい。逃げられたのだろうか?。すると机に置き手紙があった。「お金をありがとう。」彼女も騙されたのだ。手紙を破り捨て泣き崩れる寶玲だった。
辛のアパートでは麻雀が始まった。メンツは管理人、医者と中年男(田豊)に頼りない辛だ。辛はクセで額に麻雀牌を擦りつけている。あと一ピンでアガリだ。しかし誰も一ピンをツモっても振り込まない。おでこにハッキリと一ピンの跡がついていたのだ。辛は皆に大笑いされる。今度は管理人が北を切った。それを辛がすかさずポン。既に3枚場に見せてあったので中年男に睨まれた。またまた笑い者にされる辛。こんなのやってられるかと卓をひっくり返した。
場面は骨董品店に変わる。外国から来た一行が店内を見回している。伍はウィリアムズいう夫婦を“特別”に古い家まで車で案内した。辛が老人、章老千に変装して絵を書いている。骨董品を見る夫婦。夫人が小さな美女像をみつけ、値段はいくらかと聞くと4000ドルと言われた。それは高かった。伍は内緒で2500ドルにするからと言いうまく買わせることに成功した。元手の20ドルが2500になったと大喜びする辛。伍はマカオの2万を返さないといけないと例の一件を気にしているようだった。
コンビ2人は帰りにクラブの前を通る。辛は高い店だと心配になるが伍は引っ張り込んだ。中は沢山の客で賑わっている。席につくと伍が気づいた。そこにはホステスとして働く寶玲の姿があった。気まずくなった寶玲はその場を去った。その後、南施(丁珮)が伍についた。伍は銀行員だと名乗る。ダンスを踊るふたり。するとノってきた伍は歌も歌えると言い出した。いい男だと伍を眺める南施。テレサ・テンの“一水隔天涯”やトム・ジョーンズの“よくあることさ”を熱唱する。場は盛り上がる。さらにヒートアップした伍は上着を脱いでノリノリでバンドのギターを奪い、狂ったように歌い出した。伍は周りの女性達を虜にしてしまった。歌い終わると当然の如く囲まれる伍だった。
南施が部屋に伍を連れてきた。「暑くない?」とそれとなく誘惑して服を脱がせる。しかし南施の客が次々とやってくる。まずは騎手の王大泡(午馬)が現れた。トイレに隠れる伍。南施は王から競馬の予想を聞いていた。そこにパトロンの“パパ”(羅維)も現れた。嘘をついて来たからと慌てている。王もトイレへ。今月の小遣いをもらう南施。トイレの中で伍たち2人は事情を納得している様子。静かだなと王はドア越しに耳を立てていた。しかしあっという間にパパは帰って行った。トイレで意気投合するふたりを見た南施は気絶してその場に倒れた。
伍が家に戻ると仲間がにぎやかに飲んでいた。儲け話があると伍が切り出す。が、辛の姿がない。なぜかスネている辛。伍がいなくなったあとクラブで散々な目に遭ったのだ。でもいいニュースがあると辛を呼んだ。伍が有名なジョッキーの王と知り合いになったと言うと予想を聞いて大儲け出来ると皆、大騒ぎに。しかし辛は金を払わされたおかげでスッカラカンと不機嫌のまま。何とかするからと伍は宥めた。
とある屋台の果物屋。いつもの調子で隣の工場の事務長だから工場長に会いに来たと言ってフルーツを騙し取る伍。偶然にもこの工場には彼女の燕(苗可秀)が働いていた。数ヶ月ぶりに再会するふたり。お互いに近況を話し合う。どこに住んでいるのかも聞いた。するとさっきの果物屋が来た。嘘がバレて騒いでいる。いつものように金を払う彼女だった。
伍は南施宅を訪ねた。見つめ合う二人。南施はベッドに誘う。今日は競馬で勝てる、右手に鞭を持ったら勝つサインだと言う。文無しの伍は銀行で会議があると言って拒んだ。どうしてこんないい話なのにと不思議がる南施。伍はここに来る前にスリに遭ったが1万もすられて手持ちがないから行けないなんて言えないと話す。金は南施が出すことになりいざ競馬場へ。馬券はすべて大当り。2人は大金を手にして喜ぶ。しかし馬券屋が目を付けていた。その後、騎手の王と高級レストランへ。さっきの馬券屋が何か企んでいる。すると店の奥にいた伍が呼ばれた。社長の馮(馮毅)が取引しようと言ってきた。チャンス到来とOKを出した。席に戻った伍は大勝を祝って3人で乾杯した。
仲良しコンビはプレゼントを沢山持って燕の家に訪問する。その家の女性たちが集まってきた。伍は父親代わりが銀行家でアメリカにいると話す。家にいる女性は皆、失業中で託児所を開きたいそうだ。しかし設立に少なくとも10万が要る。5万はなんとかなりそう。伍は10日以内に5万を用意すると豪語する。アメリカに電報を打つと言うが…。燕は心配そうな顔をした。
伍が馬券屋の馮を訪ねると、早速レースの説明をする。7レース出て勝てるのは4レースで1レース5万。2レースなら7万。高くないかと言われても他人なら10万だからと馮に金を払わせた。本当に怖い物知らずである。大金を用意した伍は燕のもとへ。しかしアメリカにいる親代わりから貰ったと言って彼女にも本当のことを言わない伍だった。もし嘘なら見捨ててくれと燕と約束する。
帰りに馬券屋を騙したからと逃亡計画を辛に話す伍。一方、ラジオで競馬の結果を聴く社長と部下たち。結果は惨敗。見事やられた社長。伍はマカオの人にも金も返したし、託児所も開けたから新天地で頑張ると言った。辛は誰も知らない場所で心配になるがついて来いと自信たっぷりの伍。すると託児所を見に来てと燕から電話がかかってきた。
道を歩いていると馬券屋に見つかってしまった。走って逃げるがに追いつかれてしまう。五人の男に囲まれボコボコにされる伍。それを見ていた一人の女性がバッタバッタと男達(楊威、徐忠信、黄家達、元奎、田俊)を倒していった。伍がよくみると茅瑛(本人)だった。映画では代役かと思ったという伍。「本物の私よ。」本当に強いカンフースターだった。お礼を言って別かれた。
託児所は無事開設されていた。子供もいっぱいで盛況である。燕は名誉の負傷を負った伍を見てどうしたのかと心配する。つい口をすべらせて本当のことを言ってしまう辛。やっぱりと怒ってその場を去る燕。約束を破ったのだ。しかし仕事をしてまともになると反省する。チャンスをくれとだけ言ってどこかへ行ってしまった。
工場では大勢の人々が働いている。今日も一日仕事が終わった。そこにマカオの商売人・鄭が再登場。香港に短期で出張に来たらしい。伍に会いに工場まで来たのだった。伍に会うと金を出すから商売をしないかと持ちかける。香港に1週間いるから考えてくれと連絡先を教えた。工場の外で待っていた燕と女友達。ふたりはずっとその様子を見ていたのだ。彼女は「映画を観ない?」と伍を誘った。道端にピーナッツ売りがいた。伍はデートだからついてくるなと買ったピーナッツを辛に渡し手なづけた。これも計算のうち。残された辛たちも満更でもない感じ。
伍徳全の恋はこれからである…。
ーENDー
長々とストーリーを書きましたがテンポがとても良く洗練されておりコメディ映画としてかなり面白い作品だったと思います。この後、「鬼馬雙星」(Mr.BOO!ギャンブル大将)が大当りするのは御存知の通りですが「綽頭状元」は許冠傑がMr.BOO!シリーズで見せたキャラクターの原点の一つと言えると思います。そういえば西本正氏のインタビュー本「香港への道」の中でなぜか映画の題名が書いてなかったのですが競馬場で撮影したと言っていたのはこの映画の事ではないでしょうか?
そして、羅維監督は続編「綽頭皇上皇」の製作に入ります。前作のようなコメディだったらもちろん誰もが大喜びです。しかし残念ながら公開されなかったのです。なぜ公開されなかったのか?
「綽頭状元」は【嘉禾】と【羅維】の共同製作でしたがこの両会社の関係は悪化、苗可秀も多忙になってしまいます。つまり未完成だったのでは?と思うのです。総ては600万ドルの興収を出した「鬼馬雙星」超ヒットがもたらした思いもよらない結果だったと思うのですが如何なものでしょうか。
※Joysalesから「綽頭状元」VCDが発売中
賃貸でいい部屋があるということで早速下見をすることに。そこの管理人(王莱)と使用人(石天)がコンビ2人と話している。伍は辛を社長だと紹介するがどうみても社長とは呼べない身なりで管理人は納得のいかない表情。「ご商売は?」と質問してきた。伍は工場がつぶれたと困っている事を言ってその場を切り抜けた。奥の部屋へ入ってみると此処で医者をしている男は患者が来たのかと勘違いした。隅にある2階の上の部屋が空いていた。家賃は月100ドルだったが住むことに決めた。
翌朝、寶玲は高級なホテルの一室で目覚めた。しかし隣に劉の姿はない。部屋を探してみるが劉はどこにもいなかった。これはおかしい。逃げられたのだろうか?。すると机に置き手紙があった。「お金をありがとう。」彼女も騙されたのだ。手紙を破り捨て泣き崩れる寶玲だった。
辛のアパートでは麻雀が始まった。メンツは管理人、医者と中年男(田豊)に頼りない辛だ。辛はクセで額に麻雀牌を擦りつけている。あと一ピンでアガリだ。しかし誰も一ピンをツモっても振り込まない。おでこにハッキリと一ピンの跡がついていたのだ。辛は皆に大笑いされる。今度は管理人が北を切った。それを辛がすかさずポン。既に3枚場に見せてあったので中年男に睨まれた。またまた笑い者にされる辛。こんなのやってられるかと卓をひっくり返した。
場面は骨董品店に変わる。外国から来た一行が店内を見回している。伍はウィリアムズいう夫婦を“特別”に古い家まで車で案内した。辛が老人、章老千に変装して絵を書いている。骨董品を見る夫婦。夫人が小さな美女像をみつけ、値段はいくらかと聞くと4000ドルと言われた。それは高かった。伍は内緒で2500ドルにするからと言いうまく買わせることに成功した。元手の20ドルが2500になったと大喜びする辛。伍はマカオの2万を返さないといけないと例の一件を気にしているようだった。
コンビ2人は帰りにクラブの前を通る。辛は高い店だと心配になるが伍は引っ張り込んだ。中は沢山の客で賑わっている。席につくと伍が気づいた。そこにはホステスとして働く寶玲の姿があった。気まずくなった寶玲はその場を去った。その後、南施(丁珮)が伍についた。伍は銀行員だと名乗る。ダンスを踊るふたり。するとノってきた伍は歌も歌えると言い出した。いい男だと伍を眺める南施。テレサ・テンの“一水隔天涯”やトム・ジョーンズの“よくあることさ”を熱唱する。場は盛り上がる。さらにヒートアップした伍は上着を脱いでノリノリでバンドのギターを奪い、狂ったように歌い出した。伍は周りの女性達を虜にしてしまった。歌い終わると当然の如く囲まれる伍だった。
南施が部屋に伍を連れてきた。「暑くない?」とそれとなく誘惑して服を脱がせる。しかし南施の客が次々とやってくる。まずは騎手の王大泡(午馬)が現れた。トイレに隠れる伍。南施は王から競馬の予想を聞いていた。そこにパトロンの“パパ”(羅維)も現れた。嘘をついて来たからと慌てている。王もトイレへ。今月の小遣いをもらう南施。トイレの中で伍たち2人は事情を納得している様子。静かだなと王はドア越しに耳を立てていた。しかしあっという間にパパは帰って行った。トイレで意気投合するふたりを見た南施は気絶してその場に倒れた。
伍が家に戻ると仲間がにぎやかに飲んでいた。儲け話があると伍が切り出す。が、辛の姿がない。なぜかスネている辛。伍がいなくなったあとクラブで散々な目に遭ったのだ。でもいいニュースがあると辛を呼んだ。伍が有名なジョッキーの王と知り合いになったと言うと予想を聞いて大儲け出来ると皆、大騒ぎに。しかし辛は金を払わされたおかげでスッカラカンと不機嫌のまま。何とかするからと伍は宥めた。
とある屋台の果物屋。いつもの調子で隣の工場の事務長だから工場長に会いに来たと言ってフルーツを騙し取る伍。偶然にもこの工場には彼女の燕(苗可秀)が働いていた。数ヶ月ぶりに再会するふたり。お互いに近況を話し合う。どこに住んでいるのかも聞いた。するとさっきの果物屋が来た。嘘がバレて騒いでいる。いつものように金を払う彼女だった。
伍は南施宅を訪ねた。見つめ合う二人。南施はベッドに誘う。今日は競馬で勝てる、右手に鞭を持ったら勝つサインだと言う。文無しの伍は銀行で会議があると言って拒んだ。どうしてこんないい話なのにと不思議がる南施。伍はここに来る前にスリに遭ったが1万もすられて手持ちがないから行けないなんて言えないと話す。金は南施が出すことになりいざ競馬場へ。馬券はすべて大当り。2人は大金を手にして喜ぶ。しかし馬券屋が目を付けていた。その後、騎手の王と高級レストランへ。さっきの馬券屋が何か企んでいる。すると店の奥にいた伍が呼ばれた。社長の馮(馮毅)が取引しようと言ってきた。チャンス到来とOKを出した。席に戻った伍は大勝を祝って3人で乾杯した。
仲良しコンビはプレゼントを沢山持って燕の家に訪問する。その家の女性たちが集まってきた。伍は父親代わりが銀行家でアメリカにいると話す。家にいる女性は皆、失業中で託児所を開きたいそうだ。しかし設立に少なくとも10万が要る。5万はなんとかなりそう。伍は10日以内に5万を用意すると豪語する。アメリカに電報を打つと言うが…。燕は心配そうな顔をした。
伍が馬券屋の馮を訪ねると、早速レースの説明をする。7レース出て勝てるのは4レースで1レース5万。2レースなら7万。高くないかと言われても他人なら10万だからと馮に金を払わせた。本当に怖い物知らずである。大金を用意した伍は燕のもとへ。しかしアメリカにいる親代わりから貰ったと言って彼女にも本当のことを言わない伍だった。もし嘘なら見捨ててくれと燕と約束する。
帰りに馬券屋を騙したからと逃亡計画を辛に話す伍。一方、ラジオで競馬の結果を聴く社長と部下たち。結果は惨敗。見事やられた社長。伍はマカオの人にも金も返したし、託児所も開けたから新天地で頑張ると言った。辛は誰も知らない場所で心配になるがついて来いと自信たっぷりの伍。すると託児所を見に来てと燕から電話がかかってきた。
道を歩いていると馬券屋に見つかってしまった。走って逃げるがに追いつかれてしまう。五人の男に囲まれボコボコにされる伍。それを見ていた一人の女性がバッタバッタと男達(楊威、徐忠信、黄家達、元奎、田俊)を倒していった。伍がよくみると茅瑛(本人)だった。映画では代役かと思ったという伍。「本物の私よ。」本当に強いカンフースターだった。お礼を言って別かれた。
託児所は無事開設されていた。子供もいっぱいで盛況である。燕は名誉の負傷を負った伍を見てどうしたのかと心配する。つい口をすべらせて本当のことを言ってしまう辛。やっぱりと怒ってその場を去る燕。約束を破ったのだ。しかし仕事をしてまともになると反省する。チャンスをくれとだけ言ってどこかへ行ってしまった。
工場では大勢の人々が働いている。今日も一日仕事が終わった。そこにマカオの商売人・鄭が再登場。香港に短期で出張に来たらしい。伍に会いに工場まで来たのだった。伍に会うと金を出すから商売をしないかと持ちかける。香港に1週間いるから考えてくれと連絡先を教えた。工場の外で待っていた燕と女友達。ふたりはずっとその様子を見ていたのだ。彼女は「映画を観ない?」と伍を誘った。道端にピーナッツ売りがいた。伍はデートだからついてくるなと買ったピーナッツを辛に渡し手なづけた。これも計算のうち。残された辛たちも満更でもない感じ。
伍徳全の恋はこれからである…。
ーENDー
長々とストーリーを書きましたがテンポがとても良く洗練されておりコメディ映画としてかなり面白い作品だったと思います。この後、「鬼馬雙星」(Mr.BOO!ギャンブル大将)が大当りするのは御存知の通りですが「綽頭状元」は許冠傑がMr.BOO!シリーズで見せたキャラクターの原点の一つと言えると思います。そういえば西本正氏のインタビュー本「香港への道」の中でなぜか映画の題名が書いてなかったのですが競馬場で撮影したと言っていたのはこの映画の事ではないでしょうか?
そして、羅維監督は続編「綽頭皇上皇」の製作に入ります。前作のようなコメディだったらもちろん誰もが大喜びです。しかし残念ながら公開されなかったのです。なぜ公開されなかったのか?
「綽頭状元」は【嘉禾】と【羅維】の共同製作でしたがこの両会社の関係は悪化、苗可秀も多忙になってしまいます。つまり未完成だったのでは?と思うのです。総ては600万ドルの興収を出した「鬼馬雙星」超ヒットがもたらした思いもよらない結果だったと思うのですが如何なものでしょうか。
※Joysalesから「綽頭状元」VCDが発売中