今回のパリ観光も終わり、いよいよ帰国の日を迎えました。
お昼過ぎに空港まで送って頂くように手配していたので、午前中にちょっとした時間が出来、
ホテル近くのパレ・ロワイヤルに一人で行ってみました。
パレ・ロワイヤルに入ると、
突然景色が変わりこんな現代アートが見えてきました。
これはフランスの有名なアーティスト、ダニエル・ビュランの作品だそう。
その先にはこんなアートもありました。
これはベルギーの彫刻家ポルバリーが
ミッテラン大統領の依頼で制作した噴水だそう。
水は流れていませんでしたが...。
二つとも、周りの古い建物によく調和していますね。
フランス人って、よくこんな風に古いものと新しい物を組合せますよね。
ルーブル美術館中庭のガラスのピラミッドもそうですね。
ルイ14世が幼少時にルーブル宮からここに移り住んだので、
ここが「王宮(パレ・ロワイヤル)」と呼ばれるようになったそうですが、
庭園の方に目を向けると、
パリの中心部にもかかわらず、10年程前に来た時と全く変わっていない世界がそこにありました。
お庭に面した美しい回廊や噴水、四方を取り囲む古い建物、美しい木立など、
ホッとする様な静かな風景が広がっていました。
私が訪れたこの時は、朝10時前だった為かバカンス中だった為か
回廊に出店しているお店がまだ閉まっていたので、
観光客も少なく、ホントに静かな雰囲気でした。
至福の時間でしたね。
ホテルから出て街歩きを始める時、
毎日の様に見えていたヴァンドーム広場の美しい青銅の円柱。
街路樹が輝くこの時期のパリの美しい街並。
街角のカフェでくつろぐ世界中から集まった人々。
マドレーヌ寺院の心揺さぶられる聖女像。
ディナークルーズ終了直後に間近で見上げた、エッフェル塔のシャンパンフラッシュ。
モンマルトル散策中にこつぜんと現れたブドウ畑。
マリー・アントワネットが過ごしたプチトリアノンと村里。
モネが暮らしたジヴェルニーの美しい睡蓮の庭。
シャイヨ宮テラスから見たエッフェル塔の美しい姿。
ジャックマール・アンドレ美術館のエレガントなたたずまい。
どれもみな心に残り、今も瞼に浮かんで来ます。
昨年夏の7月27日から8月9日のパリ街歩き記事にお付き合い下さりありがとうございました。
まだあれから1年も経っていないのに、パリが新型コロナウィルス禍でこの様な状態になるなど
想像さえ出来ませんでした。やはり海外旅行は行ける時に行っておくべきだという思いが
します。それと共にパリが一日も早く今の状態を乗り越え、人々が日常を取り戻されることを
お祈り致します。また、全国的な緊急事態宣言が発令されてる日本ですが、報道されている
専門家のアドバイスを守ってこれを乗りきり、以前の普通の生活に少しでも早く戻れることを
願っています。
旅もいよいよ終盤になり孫達にお土産の子供服を買おうと、
オペラ座の裏側にあるデパート、ギャルリーラファイエットに行きました。
このデパートの本館には、6Fまで吹き抜けのドーム型になった美しいステンドグラスがあります。
何度見てもその美しさ、エレガントさにうっとりします。
今回も首がだるくなるまで魅入ってしまいました(^-^)
ドーム型ステンドグラスの下は、世界中のコスメが集まる化粧品売り場になっています。
<ドームの下は化粧品売り場>
この美しいドームの完成は1912年で、
戦争中はドームは別の場所に保管されていた様ですが、
現在は重要文化財に指定されています。
5Fの子供服売り場で孫達へのお土産を買い、
その後、屋上に行ってみました。
屋上にはカフェがあり、ちょっとしたパリの展望スポットになっています。
屋上を囲むフェンスは強化ガラスで出来ていて、
とても見やすい展望スペースでしたね。
ずっと向うに小さくエッフェル塔が見えています。
目の前に見えるこの建物はオペラ座の裏側です。
表側の華麗な造りとはまったく違っているので、一瞬それとはわかりませんでした。
屋上にはこんなものもありました。
これはおそらく1Fから見えるドーム型ステンドグラスの外側でしょうね~。
カフェとパリの景色を見る以外何もない屋上でしたが、
思いのほか多くの人々がおられたのには驚きました。
アイスクリームを舐めながら、しばらく屋上で過ごした後、
1Fに戻り、先程の買い物の免税手続きをしてデパートを後にしました。
- 旅も残り少なくなってきましたが、今日はオランジェリー美術館を見学しました。
ホテルのあるサントノレ通りをシャンゼリゼ方向に2~3分歩くと、
右手にヴァンドーム広場が見えて来ます。
<ヴァンドーム広場>
そこからヴァンドーム広場とは反対のリヴォリ通り側に出て、チェイルリー公園に入ります。
下の写真はチェイルリー公園からコンコルド広場側を見たもので、
コンコルド広場のオベリスクが写っていますね。
その先に凱旋門も、小さく。
<チェイルリー公園>
ここまで来ると目の前にオランジェリー美術館があり、
ミュージアムパスを持っていたので簡単に入館できました。
<オランジェリー美術館>
オランジェリーは地下2F、地上1Fの建物で、モネの「睡蓮の間」は地上1Fにあります。
展示室に入ったとたん、普通の美術館とは違った空間でした。
自然光がふりそそぐ楕円形の展示会場の白い壁いっぱいに睡蓮の池が広がっています。
睡蓮の間は楕円形の二つの展示室でなっていて、
それぞれの部屋に4枚の睡蓮が壁いっぱいに展示されています。
少し離れてみると空間的な広がりが感じられ、
反対に近づいてクッキリ描かれた睡蓮を観ていると、モネの息遣い、筆遣いを感じますね。
二つ目の展示室にある4枚の絵の3枚には、池の周りの柳が描き込まれていました。
私は今まで水面に浮かぶ睡蓮だけの絵が好きだったのですが、
この3枚には池の周りの柳、水面の揺らめき、水面に浮かぶ睡蓮などが美しく捉えられ、
ハッとする程でした。
やはりオリジナルを観てこそ、ということでしょうね。
私が写した写真を見てもまったくモネの絵の美しさを写し取っていないので、
その写真をUPするのは、やめておきますね。
地下展示室にはヴォルテール・ギョームコレクションが展示されている様ですが、
私達はモネの二つの睡蓮の間だけを観て、オランジェリーをあとにしました。
オルセー美術館の見学が終わった後、
一度行ってみたかった8区にあるジャックマール・アンドレ美術館に行きました。
この美術館は19世紀の銀行家、エドアール・アンドレと
その妻、ネリー・ジャックマールが住んでいた邸宅を、
彼らの収集した美術コレクションを展示する美術館として公開したものです。
オスマン通りに面したここが美術館入口です。
<美術館入口>
ここから豪邸にすぐ入るのかと思いましたが、
豪邸はこの入口からだいぶ離れた場所にありました。
19世紀半ば、馬車に乗ったままここから入り、そのまま馬車で豪邸まで乗り付けたのでしょう。
夫妻が暮らした邸宅の正面です。
最初に大広間から見学しました。
ここはパーティなどの時、大勢のお客様をもてなす部屋で、
写真では広さがよく分かりませんが、両隣の仕切りを取り外すと1000人が入れたそうです。
個人の家で1000人をもてなす、スゴイですね~。
当時のブルジョアの生活ぶりが垣間見える空間です。
ここも接待用の部屋ですかね? 広々としたロココ調のきらびやかな部屋でした。
夫のアンドレと妻のジャックマールの寝室に挟まれて、
お二人の居室がありました。
居室の壁にはジャックマールの画いたアンドレの肖像画が飾られていました。
ご夫婦はこの居室で朝食をとられていたそう。
仲の良いご夫婦だったんですね。
<アンドレの寝室>
<居室>
<ジャックマールの寝室>
ジャックマールは19世紀半ばの名の知れた肖像画家でした。
銀行家で独身のアンドレが彼女に肖像画を依頼したのが縁で、
2人は結婚したのだそうです。
ここは夫妻の居間兼図書室だったそう。
でも書棚はなかったみたいですが...。
レンブラント、ヴァンダイクの作品が並んでいます。
<居間兼図書室>
こちらは書斎で仕事場でもあった部屋で、
ビジネスに関するお客様を迎え入れる場でもあったようです。
正面にフラゴナールの絵が掛かっています。
<書斎>
タべストリーの間。
三方の壁がタペストリーでした。
イタリア美術館と名付けられた部屋です。
この部屋はジャックマールのアトリエとして造られたようですが、
彼女は夫を全面的にサポートするために絵を描くことをやめてしまいます。
そのため、この部屋もイタリアの美術品を展示する部屋になったそう。
こちらは男性用喫煙室。
当時東洋風装飾がはやっていたんですね。
この素晴しくエレガントな螺旋階段の周りが「冬の庭」という名の温室になっていました。
当時温室が流行っていたんですかね。
私はこの邸宅の中でこの辺りが一番好きでした。
この邸宅は銀行家エドアール・アンドレの邸宅として19世紀後半に建てられました。
邸宅の入口は賑やかなオスマン通りに面していますが、
敷地がとても広いので、中にいると外の喧噪は全く聞こえて来ませんでした。
最後に、生涯をかけてこの邸宅に数々の美術品や調度品をなどを集めてきた、
エドアール・アンドレとその妻、ネリー・ジャックマールのお2人を肖像画で見てみましょう。
左のアンドレの肖像画は、二人の結婚のキッカケとなったジャックマールが
彼に依頼されて画いた肖像画です。
右のジャックマールの肖像画は彼女自身が画いた自画像のようです。
当時ご夫妻が食堂として使用していた邸宅の中の部屋が、
現在、サロン・ド・テとなっています。
人気店らしく入ってみたかったのですが他の部屋を見学しているうちに、
18時の閉店時間が来てしまい入れませんでした。
ほんとに残念でしたネ。
(大広間の写真とお二人の肖像画の写真は、ネットよりお借りしました)
朝一でオルセー美術館に行ってみました。
ミュージアムパスを持っていたので、長い列を横目にスイスイ入館。
ルーブルが古代から19世紀半ばまでの展示内容なのに対し、
オルセーにはそれ以降から20世紀初頭までの近代美術が展示されています。
20世紀初頭以降はポンピドーですかね。
この3つの美術館を巡ることで、ヨーロッパ芸術の流れを辿ることが出来るようです。
とても大ざっぱな捉え方だけれど。
特にオルセーは印象派の作品が充実しているので、楽しみな美術館です。
建物がかっては駅舎だったというのも興味深いですね。
入館するとすぐ正面に見える大時計が駅舎時代の名残を留めています。
駅舎時代に、こんなに豪華で華麗な大時計をここに掲げていたんですね~。
オルセーはノーフラッシュであれば、写真撮影okなのも嬉しい!
順路に沿って右側から進むと、まず現れるのがアングルの『泉』
次々に見ていくと、クールベでしょうか、『エトルタ 嵐のあと』がありました。
ずっと以前、福岡市美術館で観たミレーの『落穂ひろい』『晩鐘』にも再び出会えました。
この『落穂ひろい』の色使い、写真では何とも感じませんが、
実物は何故か琴線に触れる色彩でしたね~。
次々に観ていきました。
右のモーリス・ドニの代表作『ミューズたち』、何だか心を不安にさせる絵ですね~。
そうお感じになりません?
奥のテラスにはカルポーの『天球を支える世界の四方位』や『ダンス』が置かれていました。
左の作品は四大陸の人種の特徴を表現しているそう。
言わずと知れた、右の『ダンス』はオペラ座壁面を飾るのはレプリカで、こちらがオリジナル。
室内装飾の部屋のこの一対、胸が苦しくなる程キッチリ左右対称ですね。
こんなのを我が家の玄関ホールに置きたいな~。 えっ!? 妄想、妄想(笑)
アールヌーボーの調度品。優雅な曲線が美しい! 左はギマール作『喫煙用長椅子』
左上の部分は何? 物入れ? 鏡? これ無いほうがいいような!?
天下のギマールに何てことでしょう!(笑)
右は素材のマホガニーに柔らかな曲線が美しく調和していますね。
近年改装されて絵画鑑賞がしやすくなった最上階の印象派ギャラリー。
見覚えのある名画がずらっと並んでいます。
まず、これですね。ルノアール作『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』
この絵を数年前に国立新美術館で観ました。その時、割合大きな絵だと思いましたが、
今回オルセーではそんな感じはしなかったですね。
展示の仕方と会場の広さからくる印象でしょうね。
愉し気に踊る多くの人々が描き込まれていて、時代の息吹きを感じます。
誰でも知っている印象派の絵の数々。解りやすい絵ですね~。
オルセーは今回が3回目ですが改装後のこの壁紙の色、いいですね~。
絵の美しさを際立たせる感じがします。
絵を魅せる為に壁紙の色も大切な要素なのが分かりますね。
以前は白っぽい壁紙だったような。
ルーブルよりだいぶ狭いオルセーですが、
鑑賞にも結構時間がかかり、ランチ一つをとるのも並ばないといけないしで、
美術館を退出したのは、4時近くになっていました。
美術館に7時間近くいたことになりますね。
たっぷり楽しめましたけれど(^-^)
(ps.首都が新型コロナウイルスの爆発的感染一歩手前で何とか踏み留まっているとの
ニュースが流れ、日本全体が不安な気持ちになっている今、こんな呑気な記事をupしてと
後ろめたい気持ちもしますが、だからこそ、明るく過ごし、不急の外出はしない、
外出時はマスク着用、帰ったら手洗い励行を、の気持ちで頑張りたいですね)