岡野憲一郎さんは、精神科医で、心理療法(精神療法)にも詳しい方なのであろう。
たとえば、記憶を長引かせる怒りを持たないためには、怒りをもたらした相手にものを言った方がよいという趣旨のことが
書かれている。
日本人は、会合でも、なかなか発言しようとしないし、話している方から見ても、ちゃんと了解されているのかも
分からなくて、イライラしてくることがある。
そういときには、やはり、そのことによって、怒りが生じていることを伝えたほうがよい。
このような実際的なアドバイスに満ちた本ではあるが、方法論のところは、具体例が少ないように思われて
やや物足りなく感じるかもしれない。
硬直的に考えるのはよくないが、自分に合った「忘れ方」を模索しているものには、役に立つのではなかろうか。