遷延性意識障害においては、介護に際して様々な費用がかかってきます。
この費用関係についても法律上請求できるものがありますので、本連載においては、これらを紹介いたします。
私が担当したケースで請求し、認められたものは以下のとおりです。
1 家屋改造費
2 光熱費増額分
3 介護器具代金・将来雑費
4 特別仕様自動車の購入費
以下、順番に説明します。
まず、家屋改造費ですが、これは自宅で介護することを前提とすると、通常の家屋で遷延性意識障害者を介護することは不可能ですので、自宅をバリアフリー仕様に改造する必要があります。
民事交通事故訴訟損害賠償算定基準(赤い本)においても、
「被害者の受傷内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば相当額を認められる。風呂場・トイレ・出入口・自動車の改造費などが認められている」
という記載があり、遷延性意識障害が自宅介護を要するケースにおいて家屋の改造費用がまったく認められないということは多分ないのではないでしょうか。
もっとも、家屋の改造費用を請求しても、全額が認められるかというとなかなかそうはいきません。
裁判所は、
「家屋改造は家屋の改良にもなり、家屋改造の予定の中には他の家族の生活利便性が向上するものも含まれているから、本件事故との相当因果関係を全部認めるのは相当ではない」
という論理で、請求費用を一定金額に制限する傾向が根強いです。
私が担当したケースにおいても、請求額の6割は認めるが、4割は事故との因果関係はないとされました。
(続)
この費用関係についても法律上請求できるものがありますので、本連載においては、これらを紹介いたします。
私が担当したケースで請求し、認められたものは以下のとおりです。
1 家屋改造費
2 光熱費増額分
3 介護器具代金・将来雑費
4 特別仕様自動車の購入費
以下、順番に説明します。
まず、家屋改造費ですが、これは自宅で介護することを前提とすると、通常の家屋で遷延性意識障害者を介護することは不可能ですので、自宅をバリアフリー仕様に改造する必要があります。
民事交通事故訴訟損害賠償算定基準(赤い本)においても、
「被害者の受傷内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば相当額を認められる。風呂場・トイレ・出入口・自動車の改造費などが認められている」
という記載があり、遷延性意識障害が自宅介護を要するケースにおいて家屋の改造費用がまったく認められないということは多分ないのではないでしょうか。
もっとも、家屋の改造費用を請求しても、全額が認められるかというとなかなかそうはいきません。
裁判所は、
「家屋改造は家屋の改良にもなり、家屋改造の予定の中には他の家族の生活利便性が向上するものも含まれているから、本件事故との相当因果関係を全部認めるのは相当ではない」
という論理で、請求費用を一定金額に制限する傾向が根強いです。
私が担当したケースにおいても、請求額の6割は認めるが、4割は事故との因果関係はないとされました。
(続)