最後に、特別仕様自動車の購入費です。
遷延性意識障害の方が使用する形態の自動車にするためには、それ相応の改造費が必要となりますから、その改造費の代金を請求しました。
自動車については、6年が減価償却期間となっておりますので(税務上の扱い)、これをもとに、6年ごとの買い換えと考えて請求しました。
民事交通事故訴訟損害賠償算定基準(赤い本)においても、
「被害者の受傷内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば相当額を認められる。風呂場・トイレ・出入口・自動車の改造費などが認められている」
とされており、自動車の改造費相当分については当然認められるべきものと考えておりましたが、裁判所はこれをそのままでは認めませんでした。
裁判所は、
1 原告が在宅介護を受けるとしても、医師は原告宅に通ってくるのだから通院のために車を用いる必要性は少ない。
2 特別に外出する場合は、タクシーなどを利用する方法がありうる
から、特別仕様車までは不要である
として、請求の半分以下である200万円をタクシー利用代などとして認めました。
これは、遷延性意識障害者の外出を特別扱いするものであり、不当であると思います。
遷延性意識障害者でも、戸外に外出し、刺激を与えることが必要であるという認識がこの裁判官にはなかったのではないかと思えてなりません。
以上、遷延性意識障害者について、
1) 平均余命の認定の問題
2) 介護料の問題
3) その他の諸費用の問題
と連載をしてきました。
遷延性意識障害についての連載はひとまずこれで終えることとします。
(完)
遷延性意識障害の方が使用する形態の自動車にするためには、それ相応の改造費が必要となりますから、その改造費の代金を請求しました。
自動車については、6年が減価償却期間となっておりますので(税務上の扱い)、これをもとに、6年ごとの買い換えと考えて請求しました。
民事交通事故訴訟損害賠償算定基準(赤い本)においても、
「被害者の受傷内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば相当額を認められる。風呂場・トイレ・出入口・自動車の改造費などが認められている」
とされており、自動車の改造費相当分については当然認められるべきものと考えておりましたが、裁判所はこれをそのままでは認めませんでした。
裁判所は、
1 原告が在宅介護を受けるとしても、医師は原告宅に通ってくるのだから通院のために車を用いる必要性は少ない。
2 特別に外出する場合は、タクシーなどを利用する方法がありうる
から、特別仕様車までは不要である
として、請求の半分以下である200万円をタクシー利用代などとして認めました。
これは、遷延性意識障害者の外出を特別扱いするものであり、不当であると思います。
遷延性意識障害者でも、戸外に外出し、刺激を与えることが必要であるという認識がこの裁判官にはなかったのではないかと思えてなりません。
以上、遷延性意識障害者について、
1) 平均余命の認定の問題
2) 介護料の問題
3) その他の諸費用の問題
と連載をしてきました。
遷延性意識障害についての連載はひとまずこれで終えることとします。
(完)