南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

起訴か不起訴かはどうかはどうきまるのか

2005年11月26日 | 交通事故刑事事件の基礎知識
 業務上過失傷害事件や業務上過失致死事件などで被疑者が検挙された場合の刑事事件の流れは、
 警察が事件を探知→警察で捜査
 →検察に事件を送致→検察で捜査
 →検察が起訴・不起訴を決定
となります。
 起訴・不起訴を決定するのは唯一検察官だけであり、その意味で検察官の権限は絶大なものがあります。
 検察官が起訴・不起訴をどのように決めるのかというと、まず、
”犯罪自体を裁判所で立証できるだけの証拠があるのかどうか”
ということを最重要視します。
 裁判は、証拠によって証明することになっていますので、証拠がないか不足していれば不起訴方向にいかざるをえません。
 つまり、
 十分な証拠がある→起訴
 十分な証拠がないあるいは不足→不起訴
となります。
 業務上過失傷害・致死事件の場合で、もっとも問題になるのは、「過失」があるのか否かということです。
 例えば、死亡事故の場合で、被疑者側が青色を主張しているというケースなどは非常に過失の認定が難しいケースです。
 というのは、信号が何色であったかについては、基本的には目撃証言に頼るほかはなく、上記のようなケースで被疑者以外に目撃者がいないときは、被疑者の主張を覆すことができないという理由から、検察官が不起訴にする場合があるからです。
 

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業務上過失致死事件で逮捕されるか

2005年11月26日 | 交通事故刑事事件の基礎知識
 刑事事件といいますと、被疑者が逮捕とか勾留などというイメージが強いのですが、全ての刑事事件の被疑者が逮捕されるわけではありません。
 逮捕されないで裁判を受けるケースもあります。
 これを「在宅事件」といいます。
 10年くらい前は、業務上過失致死(つまり死亡事故)のみのケースで逮捕・勾留されるというケースは少なく、ほとんどが在宅事件(逮捕も勾留もされない処理方法)でした。
 つまり、被疑者を逮捕せず、警察は事件を検察に送致するという手法です。
 この在宅事件での処理方法だと、事故から起訴まで1年くらいかかることも珍しくありません。
 現在、千葉県警の扱いでは、業務上過失致死は原則逮捕に傾いているようです。そして、裁判所も勾留を認める扱いが増えてきているようです。
 
 ここで、逮捕と勾留の違いについて触れておきますと、
 逮捕というのは、一番最初の身体拘束です。警察がすることが多く、警察が逮捕した場合、逮捕したときから48時間(つまり2日間)以内に検察官に事件を送致しなければなりません。
 検察官は、被疑者を釈放するか、さらに身体を拘束するか検討し、後者の場合は、裁判官に勾留請求をします。
 裁判官が勾留を決定すればさらに身体拘束が続くことになります。
 検察官は、被疑者が勾留されてから、最長20日の間に起訴するか否かを決めなければなりません(事件が軽ければ10日間のケースもありえます)。起訴しない場合は、釈放されます。起訴された場合は、勾留が起訴後も続くことになります。

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