南斗屋のブログ

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長谷川式検査 上

2006年03月07日 | 高次脳機能障害の検査方法
 高次脳機能障害者のケースを取り扱ってきますと、色々な検査方法に出くわします。
 医療関係の方にとっては、あたり前のことでも医療の素人にとっては、チンプンカンプンな言葉というものがあります。
 比較的よく出てくる用語や、検査方法について自分なりにまとめてみました。

 長谷川式検査とは、痴呆か痴呆でないのか、を簡単に検査するためのものです。改定長谷川式知能評価スケールともいいます。
「痴呆」というと、徘徊する人を、頭に思い浮かべてしまいがちですが、医学的には、
  痴呆=記憶と判断能力の障害
をいいますので、徘徊する人だけが痴呆なのではありません。
 また「痴呆」というと、もう治らないというイメージがありますが、医学的にはそういうものではなく、治療可能な痴呆もあるとされています。

 長谷川式検査は、痴呆か否かを「簡単に」検査するものです。
「簡単に」というのは、短時間で終わるということです。多分5~10分程度でできるのではないでしょうか。
簡単な検査であるだけに、正確性は多少犠牲になります。こういう検査を「スクリーニング検査」というようです。
 大雑把に、患者さんが痴呆か痴呆でないか、スクリーニングするということです。

 長谷川式は大きくわけて、9つの項目の質問から成り立っています。
 例えば
第1問 お歳はいくつですか?
第2問 今日は何年の何月何日ですか?何曜日ですか?
第3問 私たちが、いまいるところはどこですか?
というような感じです。(第4問以降はもうちょっと難しくなりますが。)
このような9つの質問をして、満点が30点です。そして、20点以下だと「痴呆の疑いあり」とされます。
 このように、どこかの点を基準にするわけですが、こういう基準点を「カットオフポイント」といいます。
 医学の教科書ですと
カットオフポイント:20/21
というような書き方になっています。
 これで先ほど説明したように、20点以下が痴呆の疑いありという意味になるようです。



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