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『赤い指』~東野圭吾

2010年02月08日 | 雑記
ちょっと久し振りに涙がでました。
最後の数ページで、涙がちょろっと流れました。

 小学生の女の子が家で殺されたのを発見したお母さんが、夫を呼んで
 中学生の息子が殺したことがわかって、父親は死体を公園に捨てますが
 庭に転がされていた子供の靴下についていた芝で、そこの家が知られ
 刑事の加賀恭一郎が、その家族自らが犯行を話すように仕向けていくという
 お話しです。
 
   加賀のお父さんが癌の末期なのにお見舞いにも、 
   最期も立ち会わない理由が優しくて・・・・・・・
 
 また、中学生の犯人の両親は子供を捨てたばかりか、知られるとわかりそうになり
 同居している認知症のお母さんを犯人として警察に差し出すのです。

   それもまた辛いものです。認知症ならいいのかってことで。 

 でも、本当はお母さんは認知症のふりをしていただけでした。
 認知症の夫を亡くしてから、息子家族と同居しましたが、折り合いが悪く
 どうせならと認知症の振りをして、まともな会話をしなくなったのでした。 
 
   息子が自分を犯人にしようとしているなんて、なんて悲しいことでしょうか。
 
 警察に連れて行かれるときに、思い出のアルバムと持って、息子がくれたものが
 ぶらさがっている杖を手にしたときに、息子が自白します・・・・・。
 お母さんは、子供がお化粧ごっこをするように口紅で指を染めていました。
 
 それもまたお母さんの抵抗だったのですが、口紅が殺された小学生の首には
 ついていないこともわかるのです。
 お母さんが犯人なわけはないと、加賀は疑っていたようです。
 


犯人家族のお母さんは、認知症の振りをすれば、認知症だった夫の気持ちがわかると
思っていたようです。
刑事の加賀恭一郎のお母さんは、お父さんと別れて、ひとりでひっそりと
子供にも会えずに亡くなったそうです。
お父さんは、そんなお母さんの気持ちを理解したいから、その悲しみを理解したいから
自分にも会いに来るなと話していました。

加賀恭一郎はそんな父親の気持ちを尊重して、最期まで会いに行かなかったのでした。
そんな加賀を、同僚の刑事は冷たい男だと思っていたのですが
最後にそうではなかったことがわかりますし、事件を解決していく様子も
素晴らしいと思うようになります。

小学生を殺してしまった中学生は、虐めにあっていて、それを両親が放っておいた
という経緯もあり、子供が荒れてしまっても子供の言うなりになっていた両親でした。
親の影響を感じさせる小説でした。

『新参者』でもそうでしたが、加賀恭一郎の観察眼が素晴らしいのです。
きっと看護師になっても素晴らしいと思うのでした。

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