Potential of aromatherapy

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懐かしい香り

2011年07月26日 | 雑記
外出する患者さんの手の爪に、マニキュアをしました。
爪の形が綺麗で、「塗りましょうか?」と訊いたら
「いいわよ」とのこと。

花模様のネイルシールを貼って、ベージュのマニキュアをしました。
塗っている途中、

 「懐かしい匂いね」

あの匂いは私も好きです。
私たちはほとんど爪を染めることはありません。
足の爪ぐらいでしょうか。
いつか、足の爪に紫のマニキュアをした看護学生を連れて
訪問看護して入浴したときに、患者さんに

 「あら、血豆なの?」って言われたことがあります。

巨峰みたいな色を、今でも忘れることはできません。
青とかそんな色だと「チアノーゼみたいだからやめて」と言いたくなります。

この患者さんは一人暮らしで、もう歩くこともできないし、介護する人が
24時間はいないので、退院することはありません。
ご両親もいず、兄弟もいず、ほとんど血のつながりがうすい従妹さんがいるだけ。
そして、40年もの間親友だという方だけです。

家ににゃんこがひとりでいるということで、従妹さんと友人と
でかけました。
ほとんどうつろな状態ですが、それでも家に帰ったら嬉しかったようです。

マニキュアの香りに包まれて、私も塗りながら静寂な時間を過ごしました。
従妹さんはいつも私を「看護師長!」と呼びます。
肌の美しい、綺麗な方です。
従妹さんもご両親がいなくて、遠足の時にはこの患者さんがお弁当を
作ってくれたそうです。二人で励ましあって過ごしてきた、そんなことを
話してくれました。