いつものコーチングのメールをメモしておきます。
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相手の感情に適切に対応して良好な人間関係を築くことは、
仕事を遂行する上で欠かせないものです。
特にリーダーには、自分の部下が急激な変化や、困難な状況に直面した時に抱える
「感情」を自分でコントロールできるような関わりが求められているのではないでしょうか。
リーダーの関わり方によっては、部下のネガティブな感情が和らぎ、
ポジティブな感情が促進されるでしょう。上司と部下の二人の関係だけでなく、
周囲に与える影響、すなわち仲間意識や信頼感、チームワークも高まるかもしれません。
社長就任を目前にした部下へのサポート
私のクライアント、Aさんの部下が、海外子会社の社長に
昇進することになったときの話です。
Aさんによると、その部下は、社長就任の喜びよりもこれまでに踏み込んだことのない、
未知の世界に向かうことにストレスを抱えて、大変不安そうにしていたそうです。
Aさんは、上司として、また先輩社長として「どのように対処するか、教えてあげました」と、
誇らしげに、得意げに話しました。
もちろんAさんは、部下をサポートしたい一心だったに違いありません。
おそらく経験値が高いAさんのアドバイスは、部下に大変有用なものだったかと思います。
しかしそれを聞きながら、私の脳裏に浮かんだのは、
「部下のストレスや不安は本当に軽減されたのか?
部下の感情に対する影響はどうだったのか?」
ということでした。
感情コントロールに効果的なアプローチとは?
人の感情のコントロールには、どのようなサポートが効果的なのでしょうか?
コロンビア大学教授のニール・ボルガーはいくつかの研究を行っています。
そのひとつは、被験者の女性たちに人前でスピーチさせるというストレスの大きい課題を与え、
2つの方法でサポートを行うというものでした。
1つ目の方法は、
スピーチを準備している被験者に「あなたには助けが必要だ」と指摘し、
スピーチのさまざまな側面について「直接的に」アドバイスを行うもの。
2つ目の方法は、
「あなたには助けはさほど必要ない」と告げ、実験者自身のスピーチ改善について話すなど、
「間接的に」助言を与えるものでした。
その結果、2つ目の方が、被験者の自信を支え、自主性や自尊心が脅かされることを避け、
その結果、被験者の不安を和らげたのです。
研究結果について、コロンビア大学准教授のケビン・オクスナーは以下のような見解を示しています。
「必要なのは、サポートを与えたい相手に『あなたなら、この状況を乗り切れるはずだ』
という自分の信念を伝えることだ。
また、自分自身を間接的な事例として、どのように失敗する可能性があり、
どのように成功を掴めるかを示すことだ。そうすることにより、当人が有能であると伝えつつ、
同時に助言を与えることができる。
その結果、相手の自律性を尊重し、同時に不安を減らすことができるのだ」
「感情に与える影響力」の大きさを考える
人が他者に与える「感情に対する影響力」は、自分で意識している以上に大きいものだと
認識したほうが良いでしょう。
役職や社会的地位の高いリーダーであれば、その影響力はなおさら大きいものになります。
社会心理学で著名なエドガー・H・シャインの著書『人を助けるとはどういうことか』の中には、
人を助けるさまざまなコツが記されています。
「あなたがすべて知っていると思う問題とどれほど似ているようでも、それは他人の問題であって、
あなたのものではないことを絶えず思い出そう」
例えば、部下がストレスや不安によって抱えている感情を、上司が心から理解することはあり得ません。
そもそもの能力やモチベーションの源泉、強みや弱み、あるいは時代や環境も全く異なるからです。
ですから、どんなに相手の状況に同情や共感を覚えても、「私も同じ経験をしてきた。
だからあなたもこんなふうにするといい」と、自身の経験をもとに助言をするというアプローチは、
決して効果的とは言えないのだと。
Aさんとのコーチングで、私は次のような質問やフィードバックをしました。
「Aさんが社長になったとき、誰からどんな言葉をかけて欲しかったですか?」
「Aさんの伝えたことで、部下にとって役立ったのはどんな点だと思いますか?」
「もしあなたが部下の立場だったら、上司にどんな声をかけてもらいたいですか?」
上司が部下を「助けるぞ」と意気込んで直接的にアドバイスするよりも、
相手の「感情」を深く考え、部下の立場にたって思いやり、声をかけることが大切なのかもしれません。
あなたが部下に何かを伝える時、部下が抱く感情をどれだけ知っていると言えますか?
スタッフの感情、理解しているつもりでも、理解することはありえない・・・・
そうかもしれません。
私はこうやってやってきたから、できるはずだとか、そういうことも言ってはいけませんし。
過去によく言われました。
「私はね、子どもをいろんな人にあずけてやってきたんだから、それでも
子どもは育つのよ」
って、異動の提案をされるたびに言われました。
ちっとも心に響きませんでした。
その人は子育て、生き方はそれぞれ違うということを前提に話していなかったからです。
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相手の感情に適切に対応して良好な人間関係を築くことは、
仕事を遂行する上で欠かせないものです。
特にリーダーには、自分の部下が急激な変化や、困難な状況に直面した時に抱える
「感情」を自分でコントロールできるような関わりが求められているのではないでしょうか。
リーダーの関わり方によっては、部下のネガティブな感情が和らぎ、
ポジティブな感情が促進されるでしょう。上司と部下の二人の関係だけでなく、
周囲に与える影響、すなわち仲間意識や信頼感、チームワークも高まるかもしれません。
社長就任を目前にした部下へのサポート
私のクライアント、Aさんの部下が、海外子会社の社長に
昇進することになったときの話です。
Aさんによると、その部下は、社長就任の喜びよりもこれまでに踏み込んだことのない、
未知の世界に向かうことにストレスを抱えて、大変不安そうにしていたそうです。
Aさんは、上司として、また先輩社長として「どのように対処するか、教えてあげました」と、
誇らしげに、得意げに話しました。
もちろんAさんは、部下をサポートしたい一心だったに違いありません。
おそらく経験値が高いAさんのアドバイスは、部下に大変有用なものだったかと思います。
しかしそれを聞きながら、私の脳裏に浮かんだのは、
「部下のストレスや不安は本当に軽減されたのか?
部下の感情に対する影響はどうだったのか?」
ということでした。
感情コントロールに効果的なアプローチとは?
人の感情のコントロールには、どのようなサポートが効果的なのでしょうか?
コロンビア大学教授のニール・ボルガーはいくつかの研究を行っています。
そのひとつは、被験者の女性たちに人前でスピーチさせるというストレスの大きい課題を与え、
2つの方法でサポートを行うというものでした。
1つ目の方法は、
スピーチを準備している被験者に「あなたには助けが必要だ」と指摘し、
スピーチのさまざまな側面について「直接的に」アドバイスを行うもの。
2つ目の方法は、
「あなたには助けはさほど必要ない」と告げ、実験者自身のスピーチ改善について話すなど、
「間接的に」助言を与えるものでした。
その結果、2つ目の方が、被験者の自信を支え、自主性や自尊心が脅かされることを避け、
その結果、被験者の不安を和らげたのです。
研究結果について、コロンビア大学准教授のケビン・オクスナーは以下のような見解を示しています。
「必要なのは、サポートを与えたい相手に『あなたなら、この状況を乗り切れるはずだ』
という自分の信念を伝えることだ。
また、自分自身を間接的な事例として、どのように失敗する可能性があり、
どのように成功を掴めるかを示すことだ。そうすることにより、当人が有能であると伝えつつ、
同時に助言を与えることができる。
その結果、相手の自律性を尊重し、同時に不安を減らすことができるのだ」
「感情に与える影響力」の大きさを考える
人が他者に与える「感情に対する影響力」は、自分で意識している以上に大きいものだと
認識したほうが良いでしょう。
役職や社会的地位の高いリーダーであれば、その影響力はなおさら大きいものになります。
社会心理学で著名なエドガー・H・シャインの著書『人を助けるとはどういうことか』の中には、
人を助けるさまざまなコツが記されています。
「あなたがすべて知っていると思う問題とどれほど似ているようでも、それは他人の問題であって、
あなたのものではないことを絶えず思い出そう」
例えば、部下がストレスや不安によって抱えている感情を、上司が心から理解することはあり得ません。
そもそもの能力やモチベーションの源泉、強みや弱み、あるいは時代や環境も全く異なるからです。
ですから、どんなに相手の状況に同情や共感を覚えても、「私も同じ経験をしてきた。
だからあなたもこんなふうにするといい」と、自身の経験をもとに助言をするというアプローチは、
決して効果的とは言えないのだと。
Aさんとのコーチングで、私は次のような質問やフィードバックをしました。
「Aさんが社長になったとき、誰からどんな言葉をかけて欲しかったですか?」
「Aさんの伝えたことで、部下にとって役立ったのはどんな点だと思いますか?」
「もしあなたが部下の立場だったら、上司にどんな声をかけてもらいたいですか?」
上司が部下を「助けるぞ」と意気込んで直接的にアドバイスするよりも、
相手の「感情」を深く考え、部下の立場にたって思いやり、声をかけることが大切なのかもしれません。
あなたが部下に何かを伝える時、部下が抱く感情をどれだけ知っていると言えますか?
スタッフの感情、理解しているつもりでも、理解することはありえない・・・・
そうかもしれません。
私はこうやってやってきたから、できるはずだとか、そういうことも言ってはいけませんし。
過去によく言われました。
「私はね、子どもをいろんな人にあずけてやってきたんだから、それでも
子どもは育つのよ」
って、異動の提案をされるたびに言われました。
ちっとも心に響きませんでした。
その人は子育て、生き方はそれぞれ違うということを前提に話していなかったからです。