工作台の休日

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黄色塗装はお好き? 鉄道車輛の場合

2022年09月17日 | 鉄道・鉄道模型
 モデルアートの10月号は「イエロー表現を極める」と題して、主に下地色を上手に使いながら、黄色塗装を上手に仕上げるという特集でした。私、塗装の中でも黄色というのは大の苦手です。隠ぺい力は弱いし下地の色に発色が左右されるしということで、できれば避けて通りたい色でした。しかし、地元というべき西武鉄道の車輌や自動車、飛行機の中には黄色に塗らなくてはいけないものもあります。関係する色では日本軍の敵味方識別帯の黄橙色は筆では塗膜が厚くなりがちで塗りにくく、結局先にこの色を吹いてマスキングしてから濃緑色を吹くという流れになっています。
 少し昔の作例を中心に、これから何回かに分けて私なりの「黄色の模型」をご覧いただけたらと思います。
 今回は鉄道模型から、西武2000系です。この形式についてはグリーンマックスから高いレベルの完成品も発売されており、更新前、更新後とも持っていますが、クロスポイントブランドで未塗装キットも販売されていました。ちょっとの加工で側面方向幕のない登場当時の姿にもできるということで、私も作ってみました。

6輌編成の先頭、クハ2001です。塗装についてですが、登場当時においては車体色の黄色は他の黄色い電車よりも明るく、レモンイエローに近いように感じました。このため、模型の黄色もMr.カラー4番の黄色をベースにGMカラー23番イエローA(旧西武イエロー)、Mr.カラー329番(イエローFS13538)を足していったように記憶しています。当然、下地に白を吹き付けてから黄色を塗りました。白の塗膜が厚ぼったくならないようにしながら、モールド色のグレーが一通り隠れる程度に塗り、その上から黄色を吹き付けるわけです。GM完成品(に手を入れたりしてますが)の2000系の色味との違いが分かりますでしょうか?

こちらはGMカラーの色に近く、この色はこれでありだと思います。GMカラー23番そのものですと、101系(それもベージュとの塗り分け時代)が一番似合うように感じます。
両方並べてみました。

この「2000系の明るい黄色」ですが、ある雑誌の表紙の影響も多分にございます。「鉄道ファン」1977年5月号の表紙を2000系が飾っており、この黄色のイメージが強く残っています。

この時は沿線在住ベテランモデラー氏からも登場時の西武2000系を作ってほしいと頼まれており、同時に製作、塗装まで手がけました。お互い登場時から良く知る車輌だけにごまかしはきかず、かなり気合が入ったことを覚えています。

既に完成品がカトーから発売されているのと、相当な旧作ゆえにお見せいたしませんが、国鉄の修学旅行用電車155系の初期の塗装も鮮やかな黄色とオレンジということで、GMキットを組んだことがあります。特に登場時の塗装は大変鮮やかで、GMのカタログ等でもMr.カラー4番の黄色と59番サファリオレンジの組み合わせを推奨していました。両方とも下地が白でないときれいに発色しませんので、かなり難儀したことを覚えています。この時は白を一度吹き付けてから黄色とオレンジの塗装にしています。
また、このブログで幾度も登場している架空の私鉄「緑南交通」の車輌ですが、最初にGMカラー21番アイボリーAを吹き付けて下地代わりにして、そこからMr.カラー329番の黄色、Mr.カラーGX6番の順に塗装しています。

余談になりますが、西武鉄道は「赤電」よりも前の時代には黄色と茶色のツートンだったことがあります(さすがに私が生まれる前のことですが)。Mr.カラー58番(黄橙色)とGMカラーのぶどう色2号の組み合わせです。黄橙色がなかなか「乗って」くれず、塗装ではいつも苦労した記憶があります。この古いカラーの車輌たちはどれも沿線在住ベテランモデラーのところに行きましたので、私の手元にはありませんが、こちらも黄色にまつわる少々苦い思い出であります。
 

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