工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

2024 春のF1拾遺

2024年04月16日 | 旅のあれこれ
 日本GPから一週間。ブログに書ききれていない話も少し書きましょう。見出し画像はフェラーリのFacebookから
1 夜行バスでのアクセス
 今回は中央道経由のドリーム号に木曜の深夜に乗り込み、名古屋を目指しました。4列シートの廉価なタイプです。シートピッチは旅客機の国際線の方が狭いくらいで、居住性は悪くなかったと思います。松本隆さんの短編集ではありませんが、中央道は高速コーナーの連続なのと、路面に凹凸をあえてつけてあったりするのでなかなか眠れませんでした。昔ならどんな乗り物でも眠れたほど図々しかったのに、最近は繊細に(?)なってしまったようです。
2 中嶋さん、新幹線に乗る
 4月3日、F1のフリー走行が開始されるさらに2日前ですが、JR東海が東京発名古屋行きの臨時の新幹線を仕立ててF1ファンを乗せて走りました(俺も乗りたかった)。車内では車内放送を使ってトークショーがあったり、参加者に記念品が配布されたりと開幕前からグランプリを盛り上げる列車となったようです。ゲストとして乗車した中嶋悟さん、金曜日の場内解説の際にその話をしていて、久々に新幹線に乗ったということでした。レーシングドライバーの中には、運転そのものが大好きという方もいて、中嶋さんもそこに含まれるようです。F1を引退後も普段の移動は極力自動車だそうですが、今回は上京するために新幹線に乗り、臨時列車に乗って名古屋に「戻った」ということでした。
3 ハリウッド映画デビュー!?
ブラッド・ピット主演のF1をテーマにした映画の撮影が行われた話は既に書きましたが、「ブラピ目線」のカメラカーは金曜から日曜まで何度となくセッションの合間を走りつづけました。スタンドの一角に主人公の乗る架空のチームを応援しているファンを演じているエキストラがいるのか、そこをよく映していました。わざわざビジョン等を使って、ここでカメラに映ることは映画で使われることに同意したものとみなします的な断り書きも出ていました。また、架空のチームのグッズを持ってサーキット内を歩いている人たちも見かけました。なかなかクールなデザインでした。もっとも日本のファンにこういう感じで、と頼めばみんな手製の応援グッズくらい作って撮影に協力しそうな感もあります。私も土曜の朝にゲートを入ったところでカメラを向けられ、手を振りましたが、フェラーリの帽子くらいがグッズらしいグッズなので、おそらくボツでしょう。中には連絡先や許諾の書類を書いて撮影に応じたファンもいたようです。ブラッド・ピットはベテランのドライバー役ということで、昨年のイギリスGPだったかで撮影があったようですが、レーシングスーツが様になっていました。以前、第二次大戦の戦車兵を演じていましたが、少なくともあれよりは似合っていました(戦後生まれの従軍経験のない俳優さんが戦争映画に出ても、あまり感情移入できません)。下手にエキストラを使うよりは実際に来場して盛り上がっているファンを撮るのが近道でしょう。ジョン・フランケンハイマー監督の「グラン・プリ」という映画では当時のドライバーやジャーナリスト・カメラマンなども本人役で出ています。昔のマシンにカメラを向ける熱心なファンの役ならできるんですけど・・・。
4 映画と言えばこの人も
 金曜の中嶋さんの解説の中で、その昔「F2グランプリ」という映画に中井貴一さん演じる主人公の吹き替えでレーシングカーを走らせた、という話になりました。これは同名の小説(海老沢泰久さん著)の映画化で、原作では準主役の若いドライバーが映画では主役となっています。「僕の他にもジェフ・リースや松本恵二も走らせたんだよ」ということで、懐かしい名前が随分出ていました。
5 いろんなことが、いつもと違うぞ
 春開催も30年ぶり(30年前は岡山のパシフィックGP)なら、いつもと違うことがいくつもありました。ドライバーパレードはクラシックカーではなくトレーラーの荷台にまとめて乗っていました。海外のGPでクラシックカーが故障してコースをオイルまみれにしたからとか言われていますが、やはり一人一台ずつ乗り込んだ方がいいと思います。
 また、映画の撮影と関係があるからとも言われていましたが、スタート直前のピエール北川さんの「Are You Ready?」も各エリアに対してのコールアンドレスポンスがなく、残念でした。やはりこれが無いとスタートは盛り上がりませんって。それからこちらはアンケートで答えたことでしたが、決勝目前、ピットロードがオープンになった後もしばらくDJの音楽がかかっており、ドライバー紹介の動画でもあのテーマ曲がかからなかったのが残念でした。来年は何卒もとに戻していただいて、というところです。
6 マグヌッセン親子をめぐる軌跡
 親子で参戦経験があるのはフェルスタッペンだけでなく、ハースのケビン・マグヌッセンも該当します。お父さんのヤン・マグヌッセンはその昔カートレースで来日しており、その時のメカニックがピエール北川さんだったそうです。ちょっと意外な経歴ですね。そこから数年後、1995年のパシフィックGPでマグヌッセンはF1デビューします。それをスタンドから見ていたのは現地観戦デビューの私でした。それぞれの20代が、サーキットで交錯していました。
7 缶バッジゲット!
 JRがコラボしたことで臨時列車の増発あり、名古屋駅周辺でのマシンの展示、イベントありと名古屋も随分盛り上がりました。観戦券や対象店舗のレシートで缶バッジがもらえるということで、こちらは上記の名古屋行きの臨時の新幹線で配布されたものと同じようです。全部で6種類あると聞いており、何が出るかはお楽しみでしたが、私がいただいたのはこの二つでした。本当は0系と葉巻型のRA271との組み合わせが欲しかったな。

8 線路は続く、サービスは・・・
 JR東海の新幹線の切符はネットで買えますが、JR東海区間の在来線の指定席はネットでは買えません(私の理解が違っていたらごめんなさい)。だからみどりの窓口を使うことになりますが、みどりの窓口も縮小傾向で長蛇の列です(ついでに旅行会社も窓口がなくなっているし、最近は鉄道の指定券だけ発券、といったことはしていないところが多いです)。今回、金曜日の下りと上りの指定席(名古屋⇔鈴鹿サーキット稲生)は発売開始5分で買えましたが、日曜日の帰りの切符は発売開始20分後にはあえなく満席でした。ネットでは買えないし、窓口は少なくてではサービスの後退と言わざるを得ません。
9 大好きな特急列車
 JRが不便だからという訳ではないのでが、土日は近鉄のお世話になっていました。久々に乗ったアーバンライナー、名車ですね。「ひのとり」の居住性も素晴らしいですが、こちらも負けてはおりません。どちらも名古屋→津の短い乗車時間がもったいないくらいでした。


10 外国からも、いらっしゃい
 昨年は外国語表記やアナウンスが追い付かず、それに起因したトラブルもちらほら聞こえていましたが、今年は外国人向けの観戦ガイド(無料)が配られたり、場内アナウンスでも英語での情報発信がされていました。終バスの時間と、タクシーは期待しない方がいいよ、という案内表示です。

 日本は安全で物価が安く、人は親切でファンは熱心かつ独特ということで、今や鈴鹿は「訪れたいGP」となっているとか。30年以上の開催というのも「伝統」になりつつあるのでしょうか。安くて清潔で安全で、の陰では・・・と書きたいところですが、野暮なことは書かないでおきましょう。
11 来季のこの人たちは・・・
 フェラーリ好調を支えるのがカルロス・サインツの走りです。しかし、ハミルトンのフェラーリ加入でサインツは来季のフェラーリ離脱が確実視されています。

 一部SNSで「ビ〇リーチ!」と呼ばれたのぼりの写真です。優勝経験もありますし、有力チームに行くのでは、とも言われています。「ハイクラス転職」ならぬ移籍を期待しましょう。ベテランのアロンソはアストンマーチンに残留し、契約しました。
12 春開催はこれからも・・・
 この時期の開催は成功だったようで(桜の季節と重なったのも大きかったでしょう)、来年も4月上旬開催がアナウンスされています。年度初めでバタバタしていて、なかなか長い休みは取れなさそうです。これ以上チケットが値上がりしないことを祈ります。


(写真はいずれもフェラーリのFacebookより)

観客数も上向きの鈴鹿ですが、コース上も、コースサイドも、私たちが利用するツアーバスの駐車場も、売店もということで、たくさんのスタッフが支えていました。皆様に感謝しつつこの稿を結びにしたいと思います。






 



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