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厚木基地騒音訴訟(一審、二審を退けて最高裁で住民敗訴の判決)におけるマスコミの報道を見比べる

2016年12月11日 | 政治

厚木基地騒音訴訟では一審、二審の判決を退けて最高裁では住民敗訴の
判決が出された。
厚木以外に自衛隊、米軍の5基地の騒音訴訟が係争中であリ、
今回は、基地の騒音を巡る行政訴訟で初の最高裁判決であり、大きな影響を
与えそうだ。
判決を伝えるマスコミの報道を魚拓として貼っておきたい。 


【東京新聞】 厚木基地騒音訴訟の最高裁判決 周辺自治体首長ら「違法性に変わりない」
 2016年12月9日

厚木基地に駐機する自衛隊機。最高裁判決では自衛隊機の飛行差し止めは退けられた=大和市内で

写真

 米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(大和、綾瀬市)をめぐる第四次厚木基地騒音訴訟の最高裁判決。騒音の主因である米軍機の飛行差し止めは退けられ、自衛隊機の一部飛行差し止めなどを認めた二審判決からも後退するなど、原告側には厳しい判断となった。ただ基地周辺自治体の首長らは「違法性に変わりはない」と、被害の大きさがあらためて認められたことを重視。被害の抜本解消に、国の対応を求めた。 (原昌志)

 「一連の訴訟を通じて、騒音被害の深刻さがあらためて示された」

 黒岩祐治知事はこう談話を出し、「国は、四度にわたり被害の違法性が認められたことを重く受け止め、抜本的解決に最大限努力することを強く求める」と訴えた。日米間の合意で、二〇一七年ごろに米空母艦載機を岩国基地に移駐するとされており、実現に向けて「関係市と連携し、粘り強く国と米側に働き掛ける」とした。

 基地を抱える大和市。大木哲市長は「二審の判断が見直されたものの、これまでの司法判断はいずれも被害がいかに深刻かを示すものだ」と指摘。「基地周辺住民の大きな負担の上に、わが国の安全保障が成り立っている」とし、「一日も早く空母艦載機の移駐を」と求めた。

 「司法が騒音被害の違法性を認めている事実に変わりはない。国は騒音問題の抜本的解決に向け努力することを求める」とするのは、同じく地元・綾瀬市の古塩政由市長。相模原市の加山俊夫市長も「騒音被害の違法性は一審、二審と同様」とした上で「人口密集地の上空を激しい騒音を伴いながら飛行する異常な事態を、一日も早く解決すべきだ」と訴えた。

 海老名市の内野優市長は「厚木基地周辺は、長年にわたり騒音被害が発生しており、市民生活に大きな影響を及ぼしていることを国は重く受け止めるべきである」。横浜市の林文子市長は「このたびの判決にかかわらず、国は重く受け止める必要がある」とし、座間市の遠藤三紀夫市長は「結果について真摯(しんし)に受け止めていきたい」とコメントした。

【読売新聞】厚木基地訴訟、自衛隊機差し止め認めず…最高裁
 2016年12月08日 20時19分<iframe class="hatena-bookmark-button-frame" style="font-size: large;" title="このエントリーをはてなブックマークに追加" frameborder="0" scrolling="no" width="50" height="20"></iframe>

  • 第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決を前に、横断幕を手に最高裁に向かう原告団(8日午後1時19分、東京都千代田区で)=武藤要撮影
    第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決を前に、横断幕を手に最高裁に向かう原告団
    (8日午後1時19分、東京都千代田区で)=武藤要撮影
  • 第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決後、「逆転不当判決」などと書かれた旗を掲げる原告側の弁護士ら(8日午後3時28分、東京都千代田区で)=武藤要撮影
    第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決後、「逆転不当判決」などと
    書かれた旗を掲げる原告側の弁護士ら

    (8日午後3時28分、東京都千代田区で)=武藤要撮影

 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民らが、騒音被害を受けているとして国に飛行差し止めなどを求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の上告審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、自衛隊機の夜間早朝の差し止めを命じた2審・東京高裁判決を破棄し、請求を棄却する判決を言い渡した。

 自衛隊機の運航に高度の公益性があることや、国による騒音対策を踏まえ、「運航が妥当性を欠くとはいえない」と判断した。住民側の逆転敗訴が確定した。

 5人の裁判官による全員一致の意見。第4次訴訟は自衛隊機の飛行差し止めを行政訴訟で求めた初のケースで、今後、他の基地で行政訴訟が起こされた場合も、差し止めは難しくなった。同小法廷は、住民側が求めていた米軍機の差し止めや、2審が初めて認めた将来分の騒音被害に対する賠償も退けた。

 この日の判決はまず、自衛隊機の飛行差し止めの是非を判断するにあたっては、〈1〉運航目的の公共性・公益性〈2〉騒音被害の性質や程度〈3〉被害の軽減措置の有無や内容――を総合考慮すべきだとした。

 その上で、「厚木基地における運航は、日本の平和と安全や、国民の生命、財産の保護の観点から極めて重要な役割を果たし、高度の公益性、公共性がある」と指摘。自衛隊機の騒音被害は「軽視し難く、重大な損害が生じるおそれがある」と認定する一方で、国が午後10時から翌日午前6時まで訓練飛行を自主規制していることや、住宅の防音工事などに1兆円超を投じてきたことを評価し、「防衛相に裁量権の逸脱や乱用は認められない」として、運航を容認した。

 1審・横浜地裁は、午後10時から翌日午前6時まで、やむを得ない場合を除いて自衛隊機の差し止めを認めた。2審も差し止めを認めたが、期間は今年末までに限定していた。

 米軍機の差し止めについては、「国に権限がない」として退けた1、2審判決を同小法廷も支持した。

 民事訴訟による賠償請求は、2審が将来分(計約12億円)も認めたが、同小法廷は最高裁判例を踏まえ、「不適法」として却下した。過去分(計約82億円)については国が上告せず、既に支払われている。

 厚木以外に自衛隊、米軍の5基地の騒音訴訟が係争中で、差し止めはいずれも民事訴訟で争われている。

2016年12月08日 20時19分 

 

 

【朝日新聞】厚木騒音訴訟、飛行差し止め・将来分賠償認めず 最高裁
河原田慎一

2016年12月8日21時02分

 

 米軍と自衛隊が共同で使う厚木基地神奈川県大和、綾瀬市)の周辺住民ら約7千人が、軍用機の飛行差し止めや騒音被害に対する損害賠償を国に求めた訴訟の上告審判決が8日、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)であった。一、二審判決が認めた自衛隊機の夜間・早朝(午後10時から午前6時まで)の飛行差し止めを一転して退けたほか、二審判決が認めていた将来の騒音被害に対する損害賠償についても訴えを却下した。

 5人の裁判官全員一致の意見。各地の同様の基地騒音訴訟にも影響しそうだ。

 第4次となる厚木基地訴訟は、2007年に提訴。自衛隊機の運航を「行政の公権力行使」ととらえ、その違法性を問う「行政訴訟」の形でも初めて訴えた。

 第一小法廷は、住民に重大な損害のおそれがあることなどから、行政訴訟の要件を満たしていると判断。運航の権限を持つ防衛相に、差し止めが認められるほどの裁量権の逸脱、乱用があるかを検討した。公益性や騒音被害の程度、防音対策などを総合的に考慮した結果、「自衛隊機の運航が、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くとは言えない」と結論づけた。

 一方、将来分の損害賠償について二審判決は、米空母艦載機岩国基地山口県)への移転を見越して今年末までの将来分の支払いを認めていた。しかし第一小法廷は、「賠償額をあらかじめ明確に認定できない」と指摘。訴えは不適法だとして覆した。過去分の賠償については、二審判決が命じた約82億円がすでに支払われている。

 この訴訟で住民は米軍機の飛行差し止めも求めたが、最高裁は審理の対象とせず、訴えを退けた二審判決が確定した。(河原田慎一)

 

【毎日新聞】自衛隊機飛行差し止め請求棄却 最高裁
2016年12月8日 15時15分(最終更新 12月9日 09時17分)

 
上告審判決のため最高裁に向かう第4次厚木基地騒音訴訟の原告団
=東京都千代田区で2016年12月8日午後1時18分、徳野仁子撮影

 厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民約7000人が米軍機と自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、自衛隊機の夜間・早朝の飛行禁止を命じた2審判決を破棄し、住民側の差し止め請求を棄却した。飛行差し止めについては住民側の逆転敗訴が確定した。2審判決のうち、過去の騒音被害に対する国の賠償を約82億円とした部分は既に確定していた。

 1、2審は米軍機飛行差し止めの請求は退けたものの、全国で初めて自衛隊機の飛行差し止めを認めたため、最高裁の判断が注目されていた。小法廷は、2審が今月末までの将来分の損害賠償として約12億円の支払いを認めた部分も破棄した。過去分の騒音被害を金銭で救済する従来の司法判断の枠組みに後退する内容となった。

 

 周辺住民らは当初、民事訴訟を起こし、騒音被害に対する損害賠償と米軍機、自衛隊機の飛行差し止めを求めていた。最高裁は1993年2月の1次訴訟判決で、差し止め請求を退ける一方で国の賠償責任を認め、全国の基地訴訟で賠償によって被害救済を図る司法判断が定着した。

 一方、93年判決は自衛隊機の運航が「防衛庁長官(当時)の公権力の行使に当たる」との判断を示し、行政訴訟であれば差し止めが認められる可能性を残した。このため住民側は4次訴訟で民事訴訟とともに初めて行政訴訟を起こした。米軍機に対する差し止め請求は却下されたが、1、2審で自衛隊機の夜間、早朝の飛行禁止が認められた。

 小法廷は、飛行禁止時間の延長を求める住民側と、差し止めの取り消しを求める国側の双方の上告を受理。審理対象を自衛隊機の差し止め部分に限定し、2審の結論見直しに必要な弁論を開いた。

 国は「米軍機の騒音を被害に含めるのは誤りだ」と主張。自衛隊の活動には公共性があり、夜間・早朝の飛行も防衛相の裁量権の範囲内にあるとした。

 一方、原告弁護団は「睡眠障害などの健康被害は金銭では回復できない。2審判決は深刻な被害を解消する第一歩」と強調。原告の住民は「爆音にさらされる状況は今も変わらない。飛行差し止めを認め、裁判を終わらせてください」と訴えていた。
 今回は、基地の騒音を巡る行政訴訟で初の最高裁判決となった。【島田信幸】


【NHK】厚木基地訴訟 最高裁は自衛隊機飛行差し止め認めず
12月8日 15時15分

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神奈川県にある厚木基地の周辺の住民が騒音の被害を訴えた裁判で、最高裁判所は、2審で認められた自衛隊機の飛行差し止めと将来の被害の賠償を認めない判決を言い渡しました。一方、過去の被害に対するおよそ82億円の賠償は確定しました。飛行の差し止めや将来の賠償を認めない判断は、各地の基地をめぐる裁判にも影響するものと見られます。

厚木基地の周辺の住民が起こした4度目の集団訴訟で、2審の東京高等裁判所は、夜から早朝にかけての自衛隊機の飛行差し止めと、将来の騒音被害も含めたおよそ94億円の賠償を国に命じた一方、アメリカ軍機の飛行差し止めは認めず、双方が上告しました。

8日の判決で、最高裁判所第1小法廷の小池裕裁判長は「住民は騒音により睡眠妨害や精神的苦痛を繰り返し継続的に受けている」と指摘し、今回の裁判では住民が行政訴訟を起こすための要件は満たされているという判断を示しました。そのうえで、「自衛隊機の運航には高度の公共性や公益性があり、住民の被害は軽視できないものの、飛行の自主規制や防音工事への助成が行われていることなどを総合的に考慮すれば、自衛隊機の運航が著しく妥当性を欠くと認めるのは困難だ」として、飛行の差し止めを認めませんでした。

また、騒音被害については、将来の被害の分まで賠償を認めるのは過去の判例に違反するとして、2審で認められた賠償のうち、将来の被害の分が取り消され、2審が終結した時までの分としておよそ82億円の賠償が確定しました。

アメリカ軍機については住民の上告が退けられ、飛行差し止めを認めない判断が確定しました。

自衛隊やアメリカ軍の基地の騒音をめぐっては、厚木基地のほかにも5か所で裁判が起こされていますが、最高裁が飛行の差し止めや将来の賠償を認めなかったことで、判断に影響するものと見られます。

官房長官「判決は国の主張へ裁判所の理解」

菅官房長官は後の記者会見で、「判決は、国の主張について裁判所の理解を得られたものだ。航空機騒音の影響に可能な限り配慮するのは当然であり、政府としては、アメリカ側に要請するとともに、空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐を着実に進めていきたい」と述べました。
また、菅官房長官は「住宅防音工事等の各種周辺対策をこれからも行っていきたいと思うし、厚木基地周辺の騒音を軽減して、周辺住民の負担軽減を図ることができるように、政府としては努力していきたい」と述べました。

原告団長「大変残念だがさらに戦う」

原告団の金子豊貴男団長は判決のあとの会見で、「大変残念な結果だったが、最高裁判所から、『努力不足だ、もっと戦え』と言われたと受け止めて、この判決にへこたれず、全国の仲間とともにさらに戦っていきたい」と述べ、5度目の集団訴訟を起こす考えを示しました。

また、弁護団の中野新団長は「最高裁判所は何も進歩していない判決を出すのだと残念に感じた。今後は、この最高裁の非常識な理屈を突破していかなければいけない。気を落とさずに、戦いの輪をこれからも広げていきたい」と話していました。

各地の基地訴訟に影響も

従来のように過去の騒音被害に対する賠償だけを認めた最高裁の判断は、各地の基地をめぐる裁判にも影響するものと見られます。

40年余り前に各地で始まった基地の騒音をめぐる裁判では、平成5年に最高裁判所が国の賠償責任を認めなかった2審の判断を取り消してから、賠償を命じる判決が相次ぐようになりました。

一方で、飛行の差し止めについては訴えが退けられてきましたが、平成5年の判決の中で最高裁は、日本政府の権限の下で運航される自衛隊機については、住民が民事訴訟ではなく行政訴訟を起こせば差し止めが認められる可能性を示唆しました。

厚木基地で4度目となる今回の集団訴訟では、住民が民事訴訟とともに初めて行政訴訟も起こし、1審の横浜地方裁判所と2審の東京高等裁判所で初めて自衛隊機の飛行差し止めが認められました。また、これまでの民事訴訟では、2審が終結したときまでの「過去の被害」に限って賠償が認められていましたが、東京高裁は、アメリカ海軍の航空団が別の基地に移転するまでの「将来の被害」も認める異例の判断を示していました。

しかし、最高裁はいずれの判断も取り消し、従来のように2審が終結したときまでの被害に限って賠償を命じました。

騒音をめぐる裁判は、東京の横田基地、石川県の小松基地、山口県の岩国基地、沖縄県の嘉手納基地、沖縄県の普天間基地でも起こされ、住民が将来の被害も含めた賠償を求めていますが、8日の判決が影響するものと見られます。

また、今回のように行政訴訟で自衛隊機の飛行差し止めを求める裁判が厚木基地以外で起こされた場合にも影響を受けることになります。

専門家「訴訟のハードルは高く」

最高裁判所の判決について、基地の騒音をめぐる裁判に詳しい東京経済大学の礒野弥生教授は「飛行の差し止めが否定されたわけではなく、自衛隊がきちんと騒音対策をとることが条件になったといえる。飛行の自主規制をしない基地では差し止めが認められる可能性はある」と指摘しています。

一方で、「騒音の緩和策や飛行の自主規制などの努力をしていれば夜間飛行の差し止めは認められないという意味で、今後、差し止めを求める訴訟のハードルは高くなった」と話しています。
 

【沖縄タイムズ】社説[厚木基地騒音訴訟]救済の道狭めた判決だ
2016年12月9日 07:00

 同様に、二審判決が認めた「将来分」の騒音被害の損害賠償も認めず、過去分の約82億円にとどめた。

 騒音被害の大きな要因となっている米軍機の差し止め請求は、一、二審同様に審理対象とせず退けた。

 住民側の逆転敗訴だ。

 判決は住民の健康被害について、騒音によって精神的苦痛を継続的に受けており、「睡眠妨害の程度は深刻で軽視できない」とした。一方、自衛隊機について夜間・早朝飛行の自主規制が取られ、住宅防音工事への助成などの対策が講じられていると指摘した。

 つまり騒音被害による国の賠償責任は認めながらも、一定の対策は取られており、過去分の賠償を金銭で支払わせるから、それで我慢してくれ、と言わんばかりの司法判断だ。被害の大本である米軍機や自衛隊機の飛行はそのままである。

 住民が真に求めているのは賠償金ではない。静かに暮らせる環境だ。国の対策が効果を上げていないから飛行差し止めを求めているのだ。人権の砦(とりで)である司法が、自らの役割である住民救済の道を狭めたに等しい。

■    ■

 厚木基地の周辺住民が第1次訴訟を起こしたのは1976年。既に40年がたつ。基地騒音を巡る訴訟は、沖縄の嘉手納、普天間の両爆音訴訟をはじめ、横田(東京)、小松(石川)、岩国(山口)でも続いている。

 厚木の4次訴訟は、民事訴訟だけではなく、行政機関の権限行使の是非を問う行政訴訟として、差し止めを求めた初のケースだ。2015年7月の二審判決は、自衛隊機の夜間・早朝飛行差し止めと、将来分の損害賠償を認めた。被害救済の幅を広げたとして、住民側から「一歩前進」と受け止められた。

 それだけに、今回の最高裁判決は後退であり、到底納得できない。

 一部の地域に負担を強い、小手先の対策を講じるだけで騒音被害を長年放置し、訴えがあれば過去分の賠償金を払って収める-。これを繰り返すのは政治の堕落だ。

■    ■

 11月の第2次普天間爆音訴訟の那覇地裁沖縄支部判決は、「違法な被害が漫然と放置されている」と国を批判した一方、米軍機の差し止め請求を棄却した。根本的な解決を図るには、飛行差し止めしかない。判決は矛盾している。

 「日本の法の支配が及ばない」として、米軍機の飛行差し止め請求を退ける。いわゆる「第三者行為論」に基づく司法判断が続く限り、住民の苦しみは続く。そもそも日本政府が提供した基地を米軍機が利用し、騒音が発生している。米軍機が「第三者」であるはずがない。政府も司法も、責任を持って被害の訴えに向き合ってもらいたい。