日本語教師でもある私が、「ありがとう」「どういたしまして」のあいさつ表現を教えているとき、「ありがとうと言われて、本当に我々はどういたしましてと答えているのだろうか?」と、なんだか悩ましい気持ちになってしまう。
友達や知り合いレベルの人に「ありがとう」と言われて答えるのは、「いえいえ」「いやいや」「なんも」など、もっとカジュアルな表現ではないのか。最後の「なんも」は北海道弁だが(笑)。
スペイン語を教えているスペイン人ユーチューバー、マリアさんのチャンネル ”María Español” を見ていたら、スペイン語の「どういたしまして」にあたるDE NADAのバリエーションについて説明している映像があった。詳しいことは直接ビデオを見ていただいたほうが良いと思うのでリンクを貼っておいた。
ワタシの立場としてこの場に書き残しておきたいのは、これらスペイン語の各表現に対応する「北海道弁を含む日本語のどういたしましてのバリエーション」から選別した日本語訳である。
No es nada. なんも。なんもです。[北海道弁]
Nada, nada. いえいえ。いやいや。ぜんぜん。
A tí. / A usted. こちらこそ。
Gracias a tí/usted. いえ、こちらこそ。かえってすみません。
No hay problema. ぜんぜん大丈夫です。
どうかなー。ちょっとニュアンス違うかしらん。
北海道弁の「なんも」には繰り返す「なんもなんも」もあるのがかわいい。
ちなみにスペイン語の De Nada. とか No hay de qué. はフォーマル(特に後者は)な表現らしい。日本語ではフォーマルといえば「とんでもないです」「とんでもございません」などで、敬語文法的にこれって大丈夫?と心配になるグレー表現である。じゃ「どういたしまして」ってどういうとき使うのかなぁ。悶々。