先日、お気に入りの定食屋に1年ぶりくらいで行った時の話である。
店先でメニューを見て、私が食べたいのは「チキン○○煮」であると確認し、席に着くや否や注文したかったのだが、”運ぶ人” が紙のメニューを運んできて注文はタブレットでお願いしますと言って去っていった。タブレット注文になったのは知っていたが、以前は口頭でも受け付けてくれていたと思った。でも去っていったので仕方なくタブレットと向き合った。”しぶしぶ” である。QRコードから注文してくださいと言われたらおそらく店を出ていた。
見ると「鶏肉・豚牛肉・魚」のように分類されていたので「鶏肉」のところから入って探したのだが見つからない。他の材料のところも念のため探したのだが出てこない。しばらく探したあげくに忙しそうな "運ぶ人" を呼んで「チキン○○煮はどこに入っているんですか?」と聞いたところ、彼女も知らないらしくタブレットを操作し始めた。アレコレ探してもないらしい。それから一瞬手をとめて私に、
「チキンは鶏肉ですか?」と聞いた。
私は「私はそう思うんですけど、もしかしてお宅のチキン○○煮は鶏肉で作ってないんですか?」と逆に聞きたかった。でもカスハラと言われたら困るのでじっとこらえて「私は鶏肉のところを探したんですけど。。。」と口ごもった。しばらくチキンの捜索は続き、やがて「鶏肉」ではなく「スペシャルなんとか」のところに○○あん煮とかといっしょに隠れているところを発見された。思いがけなかった。「これです」と言って ”運ぶ人” は去っていき、私は注文の操作を続けた。席についてから注文できるまでに10分以上かかったと思う。「チキン○○煮定食ひとつ」と言えばすむ時代は良かったとつくづく思った。
「鶏肉」のところからも発見できるようにシステムを変更してほしいと思ったが、”運ぶ人” には何を言ってもしかたがないので黙った。あの人は運ぶのが仕事なのだ。おそらく「チキン○○煮はどこに入っているんですか?」という質問もしてはいけなかったのだ。人手不足の飲食業界はロボットを導入できない限り、運んでくれる人材を確保するのに懸命なのだ。
友達にこの話をしたら大いに受けたが、もし私があの場で切れていたらカスハラというより老害だと言われた。
チキン○○煮が鶏肉じゃなかったら、豚肉じゃないトンカツとか、牛肉じゃないビーフシチューとかもあるのだろうか。など色々考えているうちに「北海道の焼き鳥は豚肉なんだって?」と内地の人(本州の人)がおどろいたという話を思い出した。
あの "運ぶ人” は本州出身で、その伝説を聞いた(ネットで読んだ)ことがあるのかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます