まじくんママのぷち旅ぶろぐ

トミーズツアー旅の編集人がつづる「四季の京都」周辺とたまに帰る「ふるさと富山」のお出かけぶろぐです。

京都花景色「神泉苑」のつつじ&神泉苑狂言(2013/5/4)

2013年05月04日 | 京都市中京区

今日は午後から「神泉苑(しんせんえん)」へ行ってきました。二条城の(押小路通を挟んで)南側にあります。神泉苑は、桓武天皇が平安京造営にあたり、大内裏の南の沼を開いて設けられた苑地で、常に清泉が湧き出ることからこの名が付けられたそうです。当時は、東西二町南北四町(東西250m南北500m)の広大なもので、禁苑(特権階級だけが入ることを許された遊興の場)とされていました。

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天長2年(824)、淳和天皇の勅命により弘法大師空海は神泉苑の池畔にて祈られ北インドの無熱池の善女龍王を呼び寄せられました。すると、日本国中に雨が降り、人民が大いに喜んだそうです。これ以降、神泉苑の池には善女龍王がお住みになるといわれています。左下写真:善女龍王を祀る社です。その社を前にして左手に法成橋が架かっています。この橋は、お守りを抱いて渡ると願いの御利益が増すといわれています。

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P1010033_2 室町時代初期に書かれた「義経記」によると、日照りが続いたので、後白河法皇は神泉苑の池で100人の僧に読経させましたが効果がなく、代わりに100人の容顔美麓な白拍子に舞わせ雨を祈らせました。99人まで効果がなかったものの、最後の1人が舞うとたちまち黒雲が現れ、3日間雨が降り続いたそうです。

この最後の一人が静御前・・・そして、この時が源義経と初めて出会ったと伝えられています。なんだか、恋愛成就に御利益ありそうですね。(^m^)写真クリックで拡大。

その橋を渡ると、本堂があります。本尊は聖観世音菩薩「病気平癒」・不動明王「所願成就」・弘法大師「学業成就」です。このお堂は東寺より移築したものだそうです。

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橋からは法成就池が遠くまで見えます。橋の上から見ると思いのほか池が広く見え、造営当時を偲ぶことができる気がします。

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今日は、池畔のつつじが、とてもきれいでした。なお、この地で・・・貞観5年(863)に、疫病が大いに流行り、神泉苑にて多くの御霊を鎮めるため御霊会が行われました。当時の全国の国の数、66本の鉾を立てて、神泉苑の池にくりこみ、厄払いをしたのが、後に祇園祭となっています。ちなみに、貞観3年には福岡県で隕石落下(世界最古の目撃記録)、貞観6年には富士山 噴火の記録があります。

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あれ?遠くに何か見えます。龍?・・・今も善女龍王がお住みですから(^^;)

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浮かんでいるのは、皇族方が船遊びをしていたという龍頭鷁首(りゅうとうげきす)の船です。実は苑内にある料理店「神泉苑 平八」さんの龍王船でした。平八さんは、創業寛政元年(1789)、伏見稲荷参道の茶店が始まりの老舗です。神泉苑への出店は昭和40年です。

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平安王朝にタイムスリップした気分で船上でのお食事・ご宴会を楽しめるようです。日本一太いうどんの「うどんちり」や京懐石が頂けます。(^^)乗ってみたいかも・・・。下写真は北門(二条城側)と平八さんの店の前の布袋さんです。水鉢にはお賽銭が・・・さすが、布袋さん、お金持ち~。

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神泉苑 平八 http://www.heihachi-web.com/index.html

この他にも、法成就池のほとりには、いろいろ気になるものがあります。生き物を大切に・・・鯉塚、亀塚、自動販売機(あひるとこいのエサ:100円)

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池にはたくさんの鯉が泳ぎ・・・あひるさんは熟睡中でした。↓

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毎年、5月1日より4日まで、境内で「神泉苑狂言」が執行奉納され、一般公開されています。観劇は無料(志納)。座席は約150席、演目は三十種程あり、宗教物、世話物、太刀物など種々です。狂言は出演者は必ず面をつけ無言で、金鼓、太鼓、笛の囃子に会わせて演じられます。演技中、鉦の音「カン」と太鼓の音「デン デン」という効果音が流れていることから「カンデンデン」と愛称で呼ばれています。

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期間中、いろんな演目が順に執行されています。今日は、境内にも小気味よい「カン デン デン」の音が響き渡っていました。演目の切れ目(カンデンデンが聞こえなくなったら)を狙って、観覧席に入るのがお勧めです。(立見の人もいっぱいでした)なお、神泉苑狂言は壬生狂言の流れをくみ、奉仕出演もあります。壬生狂言や感想は以前、詳しくご紹介しています。【前ぶろぐ

神泉苑 http://www.shinsenen.org/index.html

参拝自由 拝観所要時間:20分~