昨日、相国寺の承天閣(じょうてんかく)美術館で開催された「古典の日制定記念 街かど古典カフェ特別講座Ⅰ~観世宗家展覧会と講演の会~」へ行ってきました。
街かど古典カフェ は、講師の方を囲み、京町家やカフェなどくつろいだ雰囲気の中で、古典に親しみ、学び、こころ豊かな時間を過ごすというものです。過去にいろんな講座に参加しています。【カテゴリ:古典カフェ】
会場の承天閣美術館は、相国寺の境内にあります。相国寺創建600年記念事業の一環として1984年に開館した美術館です。相国寺および臨済宗相国寺派に 属する金閣寺、銀閣寺などが所有する文化財を収蔵・展示しています。相国寺は以前ご紹介しています。【前ぶろぐ】【前ぶろぐ】
(上記3点の写真は当日が雨だったため、以前撮影したものを使用しています。)
今回の講師は大阪大学名誉教授の天野文雄先生です。前回の「能の世界をあなたに」の際には、「能の見方、楽しみ方」の座談会に参加しておられました。失礼ながら・・・お話を伺っていると、学問としてはもちろん、本当に能が大好きなんだなぁ~って、ひしひし伝わってくる方でした。
昨日の講座も、天野先生の情熱に圧倒されっぱなし、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。講座は、最初に2階の講堂で「観世宗家展」 の展示品についての解説をうかがいました。(ものすごく貴重だったことがわかりました。世阿弥筆の書も数点あります)その後、館内の展覧会を見て、再び世阿弥の生涯について学びます。
なお、世阿弥(ぜあみ)とは日本の室町時代初期の猿楽師。 父の観阿弥とともに猿楽(申楽・現在の能)を大成し、多くの書を残した人です。観阿弥、世阿弥の能は観世流(観世宗家)として現代に受け継がれています。
世阿弥が61歳の時にまとめた能芸論「花鏡」の中に「初心忘れるべからず」という項目があります。若き日の初心、時々の初心(年齢を重ねる中で得た初 心)、老後の初心・・・年を重ねても日々発見、得るものがあり、その時の初心は忘れてはならない。
「命には終わりあり、能には果てあるべからず」・・・命が尽きる日まで初心を忘れずに精進せよ・・・って事でしょうか。(^^;)
能は、私には、哲学的で難しく感じます。しかし、初心を忘れることなく精進し、背筋をピーン とのばして舞台に立つ演者を観ると自分も背筋が伸びる思いがします。たまに味わう緊張感も心地よく、いいものだなと思います。また、機会があれば能を見に行こうと思いました。
過去に参加した古典カフェは【カテゴリ:古典カフェ】にて。
【おまけ】この日のランチは、相国寺のそばにある「ヤオイソ 烏丸店」さんで頂きました。創業120年の老舗の果物店です。フルーツパーラーには、季節の果物をつかったおいしいメニューがたくさんあります。マンゴーやメロンのサンドイッチは一度でいいから食べてみたいなぁ・・・といつも思います。でも、けっこう良いお値段。(^^;)
フルーツサンドとミックスジュースのセット(735円)を頂きました。フルーツサンドは甘さ控えめの生クリームにはさんであります。口に入れると、ジュワーっと甘酸っぱい果汁が広がります。ミックスジュースは一口目は甘くておいしいのですが、フルーツサンドを食べた後に飲むと、味覚がマヒするので甘さを感じません。先にぐっと飲むのが私のおすすめ。
ヤオイソ http://yaoiso.com/ 近くにチーズケーキのお店もあります。【前ぶろぐ】