今日は午後から、城南宮へ行ってきました。5月6日まで「平成25年度春季 京都非公開文化財特別公開」が行われています。京都南ICのすぐそばにある方除の大社です。この城南宮のある地は、平安京の大阪方面からの入口にあり、交通の要衛の場所でした。また平安末期には離宮(鳥羽離宮・城南離宮)がおかれ院政が行われた場所です。
また「流鏑馬(やぶさめ)発祥の地」ともいわれています。この地で院政を行った白河上皇が、歌会など雅な王宮文化が花開く一方で、永長元年(1096)に、馬上から矢を射る「流鏑馬」が初めて催されたそうです。この流鏑馬には、当時、北面の武士だった平清盛や佐藤義清(西行法師)も加わったのでは?と、いわれています。
その後、後鳥羽上皇が、承久3年(1221)「流鏑馬揃え」と称して諸国から兵を集めて承久の乱を起こし敗れたため、途絶え・・・現在は、時代祭行列に「城南流鏑馬列」として名残をとどめています。なお、2005年に石畳の参道に砂を敷き詰め、約800年ぶりに流鏑馬が再現されました。右下写真:参道の梅の木には、大きな実が生っています。
特別公開拝観の前に、まずは参拝から・・・。五色の幕が下げられているのは、秋に行われる城南祭の神輿を納めた「神輿舎」です。
本殿前には、一寸法師のパネルがあります。御伽草子に一寸法師がお椀の舟から上陸したと記される「鳥羽の津(鴨川と桂川の合流地点)」は、城南宮の近くにあります。鳥羽の津から上陸、城南宮でお参りして都入りしたのでしょう~。城南宮の氏子である我が家の前の道(鳥羽の作り道)も通って行ったようです。小さすぎて、みんな気づかなかったのね、きっと。(^^;)
参拝を済ませた後、斎館の2階「非公開文化財特別公開」の展示場へ行きました。本年が考明天皇(こうめいてんのう:明治天皇の父)が、攘夷祈願の際にお立ち寄りになって150年になることを記念し、初公開の絵馬を中心に、幕末の歴史を物語る所蔵品が展示されています。一部は、ガラス越しでなく間近に見れます。
孝明天皇が城南宮に立ち寄られた際に賜った社宝の「菊花の御紋入りの吹散(ふきちり:祭礼の際などに剣鉾に吹流しとして取り付けるもの)」が、9年ぶりに公開されています。長さは約6メートル、萌黄色の緞子生地に、白、金、朱の糸で菊花紋が刺繍されています。また、皇女和宮の降嫁の際に道中安全祈祷を城南宮が修めておりその関係文書も展示されています。写真撮影NGです。
この地は、離宮のあった場所でもありますが、鳥羽伏見の戦いの地でもあります。城南宮の参道に薩摩藩の軍勢が大砲を配置し、都を目指す幕府軍と対峙しました。その際の関係資料もたくさん展示されています。平家による武士の代が始まった舞台でもあり、徳川の武士の代が終わった舞台でもあり・・・なかなか考え深い場所ですね。
神苑も覗いてきました。春には、しだれ梅の名所【2013/3/11ぶろぐ】として知られています。今の季節は、平安の庭のあやめが咲き始めています。先日(4月29日)に曲水の宴が行われた場所です。
桃山の庭のツツジも見頃です。右下写真:桃山の庭から京セラ本社が見えます。(^^;)そのうち、植木で隠れるのかも?
しだれ桜には若葉が茂っています。今年の桜の様子【2013/4/3ぶろぐ】
藤の花は散ってはいませんが、見頃は過ぎています。
右下写真:小川のふちに葉を広げているのは、ぜんまいです。(^^)↓
左下写真:杜若はまだまだつぼみも上がっていませんでした。右下写真:枯山水の城南離宮の庭では、庭師さんが手入れをしておられました。先日、南禅寺の御用庭師さんのお話【前ぶろぐ】を伺ったばかりなので、なんか、つい、親しみを込めて庭師さんのお仕事を眺めてしまいました。
非公開文化財特別公開 http://www.kobunka.com/ 4月26日~5月6日
拝観料:大人800円 中高400円 (神苑共通券:1,200円)
展示拝観所要時間:30分~(15分ほどのDVD放映もあります)
城南宮 http://www.jonangu.com/index.htm
参拝、駐車場は無料 神苑:大人500円 小中300円 お茶席(神苑内):300円志納
【おまけ】門前名物のおせき餅(1個105円)を買ってきました。今日は八十八夜、お抹茶と共に頂きました。今の季節はよもぎ餅もあります。日持ちはしません。店内でも頂けます。
おせきもち http://osekimochi.jp/ 創業約450年前 近藤勇も立寄ったとか…
城南宮のある伏見区は【カテゴリ:伏見区】にて。