まじくんママのぷち旅ぶろぐ

トミーズツアー旅の編集人がつづる「四季の京都」周辺とたまに帰る「ふるさと富山」のお出かけぶろぐです。

城南宮「京都非公開文化財特別公開」行ってきました。2013春

2013年05月02日 | 京都市伏見区

今日は午後から、城南宮へ行ってきました。5月6日まで「平成25年度春季 京都非公開文化財特別公開」が行われています。京都南ICのすぐそばにある方除の大社です。この城南宮のある地は、平安京の大阪方面からの入口にあり、交通の要衛の場所でした。また平安末期には離宮(鳥羽離宮・城南離宮)がおかれ院政が行われた場所です。

また「流鏑馬(やぶさめ)発祥の地」ともいわれています。この地で院政を行った白河上皇が、歌会など雅な王宮文化が花開く一方で、永長元年(1096)に、馬上から矢を射る「流鏑馬」が初めて催されたそうです。この流鏑馬には、当時、北面の武士だった平清盛や佐藤義清(西行法師)も加わったのでは?と、いわれています。

Dsc03896 Dsc03890

その後、後鳥羽上皇が、承久3年(1221)「流鏑馬揃え」と称して諸国から兵を集めて承久の乱を起こし敗れたため、途絶え・・・現在は、時代祭行列に「城南流鏑馬列」として名残をとどめています。なお、2005年に石畳の参道に砂を敷き詰め、約800年ぶりに流鏑馬が再現されました。右下写真:参道の梅の木には、大きな実が生っています。

Dsc03886_2 Dsc03884

特別公開拝観の前に、まずは参拝から・・・。五色の幕が下げられているのは、秋に行われる城南祭の神輿を納めた「神輿舎」です。

P1310359 P1310365_2

本殿前には、一寸法師のパネルがあります。御伽草子に一寸法師がお椀の舟から上陸したと記される「鳥羽の津(鴨川と桂川の合流地点)」は、城南宮の近くにあります。鳥羽の津から上陸、城南宮でお参りして都入りしたのでしょう~。城南宮の氏子である我が家の前の道(鳥羽の作り道)も通って行ったようです。小さすぎて、みんな気づかなかったのね、きっと。(^^;)

 
P1310362 P1310363

参拝を済ませた後、斎館の2階「非公開文化財特別公開」の展示場へ行きました。本年が考明天皇(こうめいてんのう:明治天皇の父)が、攘夷祈願の際にお立ち寄りになって150年になることを記念し、初公開の絵馬を中心に、幕末の歴史を物語る所蔵品が展示されています。一部は、ガラス越しでなく間近に見れます。

P1310356 Dsc03893

孝明天皇が城南宮に立ち寄られた際に賜った社宝の「菊花の御紋入りの吹散(ふきちり:祭礼の際などに剣鉾に吹流しとして取り付けるもの)」が、9年ぶりに公開されています。長さは約6メートル、萌黄色の緞子生地に、白、金、朱の糸で菊花紋が刺繍されています。また、皇女和宮の降嫁の際に道中安全祈祷を城南宮が修めておりその関係文書も展示されています。写真撮影NGです。

P1310355 Dsc03891 

この地は、離宮のあった場所でもありますが、鳥羽伏見の戦いの地でもあります。城南宮の参道に薩摩藩の軍勢が大砲を配置し、都を目指す幕府軍と対峙しました。その際の関係資料もたくさん展示されています。平家による武士の代が始まった舞台でもあり、徳川の武士の代が終わった舞台でもあり・・・なかなか考え深い場所ですね。

P1310369 P1310371

神苑も覗いてきました。春には、しだれ梅の名所2013/3/11ぶろぐ】として知られています。今の季節は、安の庭のあやめが咲き始めています。先日(4月29日)に曲水の宴が行われた場所です。

Dsc03844 Dsc03852

桃山の庭のツツジも見頃です。右下写真:桃山の庭から京セラ本社が見えます。(^^;)そのうち、植木で隠れるのかも?

Dsc03853 Dsc03854

しだれ桜には若葉が茂っています。今年の桜の様子【2013/4/3ぶろぐ

Dsc03859 Dsc03861

藤の花は散ってはいませんが、見頃は過ぎています。

Dsc03863 Dsc03862

右下写真:小川のふちに葉を広げているのは、ぜんまいです。(^^)↓

Dsc03857 Dsc03867

左下写真:杜若はまだまだつぼみも上がっていませんでした。右下写真:枯山水の城南離宮の庭では、庭師さんが手入れをしておられました。先日、南禅寺の御用庭師さんのお話【前ぶろぐ】を伺ったばかりなので、なんか、つい、親しみを込めて庭師さんのお仕事を眺めてしまいました。

Dsc03876 Dsc03880

非公開文化財特別公開 http://www.kobunka.com/ 4月26日~5月6日

拝観料:大人800円 中高400円 (神苑共通券:1,200円)

展示拝観所要時間:30分~(15分ほどのDVD放映もあります)

城南宮 http://www.jonangu.com/index.htm 

参拝、駐車場は無料 神苑:大人500円 小中300円 お茶席(神苑内):300円志納 

【おまけ】門前名物のおせき餅(1個105円)を買ってきました。今日は八十八夜、お抹茶と共に頂きました。今の季節はよもぎ餅もあります。日持ちはしません。店内でも頂けます。

Dsc03901 Dsc03895

おせきもち http://osekimochi.jp/ 創業約450年前 近藤勇も立寄ったとか…

城南宮のある伏見区は【カテゴリ:伏見区】にて。


京都の新緑:智積院「名勝庭園」・国宝「長谷川等伯の障壁画」

2013年05月01日 | 京都市東山区

今日は出かけた帰りに、東大路七条にある「智積院(ちしゃくいん)」へ行ってきました。智積院は、真言宗智山派の総本山です。全国に末寺が3千余ヶ寺、檀信徒は30万人を擁し、その中には、成田山新勝寺、川崎大師平間寺など有名なお寺もあります。江戸時代、豊臣秀吉の子、鶴松の供養のためのお寺「祥雲禅寺」の跡地を、玄宥僧正に家康が寄進し、紀州根来寺(ねごろじ)の塔頭の智積院を再興したことにはじまります。なお、紀州の根来寺は秀吉によって焼払われています。

P1310332 P1310352

東大路に面し、七条通りの東の突き当りのため、お寺の前を通った事をある人は多いかもしれませんが、観光というより総本山としての存在感からか、ゴールデンウィーク期間中でも、観光客は少ないです。境内に入ると、街の騒がしさを忘れてしまうほど静かです。あちこちに紅葉の木が植えられ、特に、本堂(右上写真)の前の紅葉の木は、驚くほど幹が太いです。(左下写真)

P1310353 P1310337

寺紋は「桔梗紋」、境内のあちこちに桔梗のモチーフが使われています。智積院の前身の「祥雲寺」を秀吉に命じられて建てた加藤清正の家紋が桔梗紋だったため、その功績を讃えてとの事だそうです。写真は、ルーツの根来寺から持ってきたという不動明王像を祀る「明王殿」と、その屋根です。

P1310340 P1310341   

本堂の、屋根の上や屋根の内部の飾りも桔梗です。

P1310345_2 P1310348

たたみのへりも桔梗、そして当然、境内のあちこちに桔梗が植えられています。桔梗は冬には根のみで地上は枯れてしまいますが、今の季節は再び芽を出し葉を広げています。今年も初夏には花がいっぱい見られそうです。

P1310347_2 P1310335 

以上、参拝は自由にできますが、以下、収蔵庫と名勝庭園は有料です。

左下写真:収蔵庫には、国宝の楓、桜、松に秋草など大きな壁画が展示されています。作者は、長谷川等伯(はせがわとうはく)一派で、等伯は石川県の七尾で生まれ、墨絵を中心に仏画や肖像画を描いていました。その後上京して狩野派の門をたたきましたが作風が合わず、狩野派と対立する立場となった人です。

障壁画のうち、等伯の長子、久蔵の25歳の作である桜図と、その久蔵が26歳で急逝した翌年に父である等伯が描いた楓図は、日本の壁画を代表するものとして知られています。収蔵庫には、対立していた狩野派の障壁画も展示されています。狩野派の壁画は大きな松の木が1本描かれていますが、どーんと重圧感があり、豪華で装飾的、立派な植木鉢の松って感じです。一方、長谷川派の壁画は、写実的でやさしく、自然の広がりを感じます。(あくまでも私見) 右下写真:名勝庭園のある大書院の入り口です。

P1310268 P1310330

名勝庭園を眺める大書院で、その国宝の長谷川等伯一派の障壁画の模写(レプリカ)を見ることができます。収蔵庫内は撮影NGですが、大書院は撮影OKです。

 

P1310292_2 P1310283

左下写真:等伯の息子(26歳で急逝)が描いた桜図の模写一部。右下写真:息子が亡くなった翌年に等伯が描いた楓図の模写一部。大書院の障壁画はとても鮮やかですが、収蔵庫の実物は顔料で描かれ、時代を経て深みを増し迫力があります。本来の障壁画は火災等で焼失し、現存し模写されているのは実物の4分の1程なのだそうです。本来は見上げるほどの大きな木が描かれていたのですね~。見てみたかった・・・。

P1310293 P1310294

大書院からの眺める名勝庭園です。 利休好みの庭と伝えられ、中国の蘆山を形どって造られています。池にかかる石橋から奥は、智積院の前身の祥雲禅寺(秀吉の愛児鶴松の菩提寺)のものです。桃山時代の庭の特色である自然石のみを用い、庭の外にある大木を借景とし、深山の中にあるような奥行きのある庭です。派手好きだった秀吉の好みなのか、植え込みが「バチ」の形になっています。わかります?写真の右から柱1本目と2本目の間です。

P1310324_3

ツツジの咲く頃が一番華やかとのことですが・・・開花はもう少し進むのかな?つぼみはそれほど確認できませんので、このくらいなのでしょうか。以前訪ねた3月の様子【前ぶろぐ】バチがよくわかります。ちなみにこのお庭、その昔、メナードのCMで岩下志摩さんが佇んでたところです。BGM♪は徳永英明さん。

P1310286_2 P1310282

じーっと見てると・・・カメさん発見。そして、羅漢石の上にカワセミ???ちゃんと写真を撮ろうと思ったとたん、瑠璃色の羽を広げて飛んで行ってしまいました。(TmT)

P1310312 P1310308_2

この庭は小堀遠州の作とも伝えられているそうです。この庭が造られたときはすでに利休は亡くなっており、利休ならこんな庭を好むのでは?と作られたそうですが・・・庭の水を常に濁らせ、緑を映りこむように工夫したり、バチ形の植込み、作庭当初は書院自体が池に浮いてた説?など、どちらかというと秀吉好みのような(・・?)まぁ、どちらの方にもお目にかかったことないので、よくわかりませんけどねぇ。

P1310316 P1310313

大書院内もぐるりと拝観することができます。智積院にはたくさんの襖絵があります。今日は、平成20年に奉納された「日本の春夏秋冬」を題材にした墨絵の襖絵などが各部屋に展示されていました。以前、非公開文化財特別公開の際には、堂本印象の襖絵を見ています。【前ぶろぐ

P1310301 P1310296

今日から5月。クール・ビズ、鴨川の川床も始まりましたが・・・時折吹く風も冷たく寒い日でした。ゴールデンウィークの中日という事もあり、拝観客は少なかったです。全くいないわけじゃないです。なるべくいない時を狙って写真を撮っています。σ(^^;)

P1310297 P1310326

総本山 智積院 http://www.chisan.or.jp/

参拝自由 参拝者用駐車場有 庭園・収蔵庫拝観料(大人500円、中高300円、小200円) 拝観所要時間:50分~