家の近くに一軒だけ何年も売れない新築物件がある。(これでも新築?)
外観は、絵本の「小さなお家」に出てくる家に良く似ており、二階建ての四角い箱に大きな窓がたくさんついている。しかし、どう見ても色気がない。
周りの家々は、でこぼこがあって面白いのに、その家だけは何の出っ張りもなく、ただ四角い。
絵本だったら、かわいいが、この家は、すべてが正面から見渡せてあけっぴろげで、何の恥じらいもおもしろみもない。
できたときは、日本にしては、変わっていると思ったが、案の定売れずに何年も残っている。
人もいろいろ出っ張ったところがあったり、影があったり、外見で判断でないことがあるから面白い。
私たちの歩んできた道は、でこぼこでたくさんの失敗があるが、振り返ると、失敗したり転んだところにこそ、そこでしか咲かない花が咲いている。
小説家・立原正秋は、いびつさを好みそこにも美を見つけていた。
神様は、私たちのそんないびつなところを愛してくださり、そこをいやし矯正してくださり、そこに神の力を与えてくださる。
それは、ただ四角くあけすけな家ではなく、でこぼこな家だけれど愛嬌のある家になっていると思う。