まんぼ~の友達(5)お見舞い

2024年05月31日 | その他

「俺たちは先に出発するから、後から追いついてこいよ」

そう言ったのは、群れを束ねるリーダーです。

イルカ君はケガが完全に治ってから追いかけますので、ひと足早く
出発する仲間の見送りに来ています。

あるものはクルクルと回転し、あるものは飛び跳ね、みんな元気に
外洋へ向かって行きました。

そして、時を同じくして。

まんぼ~がお見舞いにやってくると、見送りに出かけているイルカ
君の姿はなく、誰かに貰ったと思われるフルーツが置いてあります。

マンゴーやバナナ、そしてココナツも。

お腹が空いていたまんぼ~は、美味しそうなご馳走に我慢ができず、
目の前のフルーツを食べることにしました。

するとそこへ、イルカ君が見送りから帰ってくることに・・・。

「あーーっ! 僕が楽しみにしてたフルーツを勝手に食べたな!」

「いい加減にしろ! 今日まで我慢してたけど、君のような社会性
に問題がある魚は他にいない!」

「もう知るか! 友達は今日で終わりだ! 顔も見たくない!」

「君の場合、どこからどこまでが顔か分からないけどな!」

イルカ君の大好きなマンゴーやバナナを食べたことで、まんぼ~に
対するモヤモヤした気持ちが爆発したのでした。

食べ物の恨みは怖いですね。

集団で暮らす社会性の高いイルカ君は、単独で暮らすまんぼ~とは
相性が良くないのでしょう。

お互いに多様性を受け入れる気持ちがないと、このようになること
は避けられません。

それにしても、イルカ君も一言だけ余計でしたね。

どこからどこまでが顔か分からないのは、お互い様ですから。




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まんぼ~の友達(4)食いしん坊

2024年05月29日 | その他

「これに懲りたら、もう2度と目の前に現れるんじゃないぞ」

かっこいい捨て台詞を残して、見事に勝利したイルカ君がサメの前
から泳ぎ去っていきました。

温厚で愛らしいイメージとは異なり、本気を出すと強いイルカ君。

とはいえ、対決は3時間にも及びましたし、無傷で済むはずもなく、
イルカ君もクタクタになりながら帰ってきたのです。

すると、そこにまんぼ~の姿はなく、ウミガメ君がいました。

「イルカ君、おかえり。 大変だったみたいだね」

「まんぼ~君はパーティの準備をしてたけど、帰ってくるのが遅い
から風呂敷を持ってどこかに出かけたよ」

「ココナツが何とかって言ってたけど」

そこには、確かにパーティの準備をしていた形跡が残っています。

ところが、自分が帰ってくるまで我慢が出来なかったのか、アイツ
が派手に食べ散らかした残骸が残っていたのでした。

お肉や魚などのご馳走がなく、ココナツジュースやココナツだけが
残っています。

3時間も帰らなければ、先に食べるのは仕方ないけど、少しは自分
に気をつかった食べ方があるのではないか。

あの食いしん坊め。 自分は誰のためにサメと戦ってるんだ。

それに、風呂敷を持って出かけたって。 注意したのにまさか・・・。

色々な想像が頭に浮かんでしまい、イルカ君はスッキリしませんが、
今はそれどころではありません。

アチコチが痛いし、ケガもしてます。 とにかく休みたい。




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まんぼ~の友達(3)もう1つの再会

2024年05月27日 | その他

まんぼ~を探していたのはイルカ君だけではありません。

以前に住んでいた海で、まんぼ~を探しまわっていたサメもやって
きてしまいました。 なんせ指名手配ですからね。

「おい、まんぼ~! ここにいたのか。 やっと見つけたぞ!」
「お仕置きをしてやったとか、特別に逃がしてあげたとか・・・」

「俺の評判を落とす嘘を言いやがって、タダでは済まないからな」

粘り強いサメと言うべきか、しつこいサメと言うべきか。

かっこいいアピールをしたくて、見栄を張ってしまったまんぼ~に
原因がありますけど、ネチネチと怒ることなのでしょうか。

目の前に現れたサメを見て、まんぼ~は小さくなっています。
以前にヒレを噛まれたことを思い出しているのでしょう。

困った友達を見捨てることが出来ないイルカ君が、この状況を理解
して横から入ってきました。

「お話はだいたい分かったよ。 まんぼ~君は下がってろ」
「君は弱すぎる・・・。 じゃなくて、君は戦いには向いてないんだ」

「僕がサメを退治するから、先に帰って祝勝パーティの準備でも
しておいてくれ」

こうして、サメとイルカ君による対決へと発展したのです。

さぁ、どのような決着になるのでしょうか。

体格、スピード、パワー。 どれも互角だと思います。




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まんぼ~の友達(2)ココナツ泥棒

2024年05月23日 | その他

「あった、あった。 やっぱりここにあったぞ」
「これも美味しそうだし、あっちも捨てがたいな」

「1つだけと言わずに、出来るだけ沢山持って帰ることにしよう」
「色々な場所を食べ歩いたけど、ここのが特に美味しいんだ」

まんぼ~の視線の先にあるのは、食べごろになったココナツ。

ヨイショ、ヨイショと、引っ越しのようにココナツを持ち運ぶ作業
を何度も繰り返しています。 なんとも欲張りですね。

誰にも見られていない・・・。 はずでした。

ところが、持ち運ぶ様子を空から眺めていたカモメが周囲の仲間に
言いふらし、そのウワサがイルカ君の耳にも入ることに。

「まんぼ~君、小島からココナツを盗んでるらしいね」

「食いしん坊とかセコイとか、見栄っ張りとかはいいけどさ、泥棒
は最低だから絶対にやめよう」

「そんな方法で手に入れたココナツなんて美味しくないでしょ」

「友達だからこそ、ハッキリと注意をしておくからね」




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まんぼ~の友達(1)イルカとの再会

2024年05月21日 | その他

イルカの群れが浅瀬にやってくると、オレンジ色の魚とウミガメが
楽しそうにボールで遊んでいます。

その様子を見た1頭のイルカが、群れを離れて近づいてきました。

「まんぼ~君! やっぱりそうだ! まんぼ~君だ!」

「元気そうじゃない! ほらほら、僕を覚えてるでしょ?」

「急にいなくなってしまったから、どこに行ったのか探してたよ」

まんぼ~の前に現れたのは、以前に住んでいた海で知り合った友達
のイルカ君だったのです。

挨拶もなく引っ越したまんぼ~のことを、イルカ君はずっと探して
くれていました。

次の海に移動する前に、イルカの群れはしばらく休憩をしますので、
懐かしい友達との再会を楽しむことが出来そうです。

まんぼ~も再会をとても喜んでいますが、以前に自分のクチが災い
したことを思い出し、イルカ君との会話は出来るだけ控えることに
決めました。

余計なことを言ってトラブルになったり、また引っ越すことになる
のは避けたいところです。

「ボールで遊んでるなら、僕も一緒にまぜてよ」




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