「俺たちは先に出発するから、後から追いついてこいよ」
そう言ったのは、群れを束ねるリーダーです。
イルカ君はケガが完全に治ってから追いかけますので、ひと足早く
出発する仲間の見送りに来ています。
あるものはクルクルと回転し、あるものは飛び跳ね、みんな元気に
外洋へ向かって行きました。
そして、時を同じくして。
まんぼ~がお見舞いにやってくると、見送りに出かけているイルカ
君の姿はなく、誰かに貰ったと思われるフルーツが置いてあります。
マンゴーやバナナ、そしてココナツも。
お腹が空いていたまんぼ~は、美味しそうなご馳走に我慢ができず、
目の前のフルーツを食べることにしました。
するとそこへ、イルカ君が見送りから帰ってくることに・・・。
「あーーっ! 僕が楽しみにしてたフルーツを勝手に食べたな!」
「いい加減にしろ! 今日まで我慢してたけど、君のような社会性
に問題がある魚は他にいない!」
「もう知るか! 友達は今日で終わりだ! 顔も見たくない!」
「君の場合、どこからどこまでが顔か分からないけどな!」
イルカ君の大好きなマンゴーやバナナを食べたことで、まんぼ~に
対するモヤモヤした気持ちが爆発したのでした。
やはり、食べ物の恨みは怖いです。
集団で暮らす社会性の高いイルカ君は、単独で暮らすまんぼ~とは
相性が悪いようですね。
お互いに多様性を受け入れる気持ちがないと、このようになること
は避けられません。
それにしても、イルカ君も一言だけ余計だったかな。
どこからどこまでが顔か分からないのは、お互い様ですから。
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