えー、まんぼ~のモルディブ旅行記のオマケとして、まんぼ~任三郎を
お届けしようと思います。
今回は青い海や白砂のビーチに囲まれた1島1リゾートのモルディブが
舞台になりました。
実績の高いサービスや裸足で過ごせること、木材をふんだんに使用した
温もりのある施設が人気のシックスセンシズのホテルです。
ここで起きた事件はなんと、つまみ食い。
リゾートに滞在している旅行会社の研修メンバーの中に、ワインセラー
に置いてあったオツマミを食べた犯人がいます。
さぁ、どのような事件だったのでしょうか。
※ 犯行の様子
パクっ モグモグモグ パクパクっ モグモグモグ
「本当に美味しいなこれ。ぜんぜん止まらないや」
「隣のテーブルに置いてあるのも食べてしまおうっと」
「だいたいさ、こんなところに置いてる方も悪いんだよ」
「まるで、食べて下さいと言わんばかりじゃないか」
「隠れて食べるからこそ、余計に美味しいってのもあるんだよな」
「そういえば、そろそろ他のメンバーもワインセラーに来る時間だな」
「誰にも見られてないし、防犯カメラの死角を歩いてきたから証拠は
何も残ってないはず。言い訳なんてどうにでもなるさ」
「あ~、美味しかった。満足、満足」 「最後にもう1つ食べちゃおう」
※ まんぼ~任三郎の登場
初めまして、警視庁のまんぼ~です。
えー、あなたが研修グループのリーダーですね。
見るからに食いしん坊・・・。 いや失礼、なんでもありません。
突然、モルディブのリゾートに日本の警察が来て驚かれたことでしょう。
夏休みで部下と一緒に他のリゾートに滞在していたのですが、こちらの
リゾートに向かうように言われて来ました。
本当に人使いの荒い上司にはウンザリです。
用事が終わればサッサと退散しますので。
ワインセラーのオツマミが何者かに食べられた事件について捜査をして
おり、いくつか質問をさせて下さい。
形式的なもので、お時間は取らせませんので。
まぁ、捜査と言っても犯人は目の前に・・・。
いるとは限りませんからね。
1つ目の質問です。
今日は午後から研修メンバーがワインセラーに集まって、ワインの試飲
をすることになっていたそうですね。
そのためにオツマミが用意されていたと伺っています。
おそらく、あなたは・・・。
ではなく、犯人は1人で早くからワインセラーに来ており、置いてあった
オツマミを食べてしまったのでしょう。
ワインセラーの集合時間の30分前にハウスキーピングがあなたの水上
ヴィラを訪れたところ、部屋にいなかったと言っています。
他の場所であなたを見かけたとの情報もないのですが、ワインセラーに
来る前はどちらに行かれてましたか?
「僕は水上ヴィラを少し早めに出て、ビーチで写真を撮ってから集合時間
に合わせてワインセラーに行きました」
えー、あなたがビーチにいたことを証明できる人は?
「時期的にスタッフもゲストも少ないようで、誰にも会いませんでしたよ」
「見ての通り、どこも空いてますし」
なるほどな、よくそんなバレバレのウソを涼しい顔で・・・。
いえ、独り言なので気にしないで下さい。
それでは2つ目の質問です。
研修メンバーの池田さんによると、あなたが1番にワインセラーに到着し、
池田さんが2番だったそうですが、間違いありませんか?
「それは少し違いますよ。それだと僕がワインセラーで1人になる時間が
あったみたいじゃないですか」
「僕がワインセラーに向かう階段を降りている時に、背後から池田さんが
来たので、僕と池田さんは同着みたいなものですね」
「階段で合流して、2人でワインセラーに入った時には、既にオツマミは
食べ散らかした後でした」
つまり、あなたは池田さんが来る前にオツマミを食べ散らかした・・・。
じゃなくて、2人で中に入った時には誰かが食べた後だったと。
このようなお話になりますね。
「まんぼ~さん、僕が犯人です・・・。 な~んてね、冗談ですよ」
「さっきから気持ちいいくらいに僕を疑ってるじゃないですか」
「どうせ、他のメンバーが僕のことを食いしん坊だって言ってたんでしょ」
「食いしん坊であることや、集合前のアリバイが微妙なことは認めます」
「それでも、僕が犯人じゃないことはハッキリと言っておきます」
ん~、どうでしょうか。
防犯上の理由から通路のところどころにカメラが設置されていますので、
そちらも確認するようにしてみます。
「フンっ、カメラでも何でも確認すればいいじゃないですか」
「事件解決の手掛かりになるような映像が残っていることを願いますよ」
「もし犯人が見つかったら、一番に僕に知らせて下さいね」
「吉報を楽しみにしていますから」
ええ、ですから犯人は既に見つかっている・・・。
のではなく、真っ先にリーダーにお知らせするようにします。
ご協力をありがとうございました。
※ まんぼ~任三郎と部下の今池君
「まんぼ~さんはリーダーが犯人だと思ってるんですか?」
リーダー以外にはアリバイがあるし、スタッフからも食いしん坊という話
しか出てこないから、アレで決まりだろうね。
僕はつまみ食いをするのが大好きですって顔に書いてあったよ。
「でも、それだけでは逮捕できないですよね」
だからこうして、プールサイドで寛ぎながら色々と考えてるんじゃないか。
だいたいさ、なんで今池君が私の夏休みについてくるの。
「だって、モルディブとか行ってみたいじゃないですか」
「来年はタヒチかフィジーにも行ってみたいですね」
タヒチで思い出したけど、日本に帰ったら君から祐輔さんにタヒチ旅行の
予約をお願いしといてよ。
「祐輔さんて誰ですか?」
今回のモルディブ旅行をお願いした旅行会社の人。
近藤トラベルサービスの近藤祐輔さんだったかな。
少し変わってる人だけど、タヒチ旅行もやってるみたいだからさ。
「まんぼ~さんが変わってるって言うなら、相当変わった人なんですね」
「あっ、まんぼ~さん、雨が降って来たのでお部屋に入りましょうよ」
「リゾートが水上ヴィラの1室を捜査本部として貸してくれてるそうです」
「さすがに高級なリゾートは我々への気配りも違いますね」
「あーっ、そのままお部屋に入ったらダメですって」
「このリゾートは足についた砂をハリネズミで払ってからお部屋に入る
ことになってるんですよ。知らなかったんですか」
「かわいいですよね、このハリネズミ」
「ねぇ、まんぼ~さんも黙ってないで何か言って下さいよ」
・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・。
それだよ今池君。 お手柄かも知れないね。
急いで調べてほしいことがあるから直ぐに行ってきて。
それと、なるべく全員がその場から動かないように指示もお願いします。
※ まんぼ~任三郎から画面の前の皆さまへ
いやー、やはり犯人はリーダーで間違いなさそうです。
残念ながらオツマミは彼の胃袋に入っており、食べたことを証明するのは
難しいでしょう。
池田さんもリーダーと階段で会ったことを認めており、彼がワインセラー
に早く来ていたことを証明するのも諦めた方が良さそうです。
自信に満ち溢れた表情から、リーダーがカメラに映っている可能性は低く、
映像を確認しても時間の無駄になるはず。
なんとかして、ワインセラーに来る前にビーチで写真を撮っていたことが
ウソであることを認めさせるしかなさそうです。
ヒントは、雨・足・砂。 もうお分かりですね。
解決編はランチのあとで。 まんぼ~任三郎でした。
※ 解決編
早速ですが、つまみ食いをした犯人はあなた! リーダーです。
あなたは1人で集合時間よりも早くにワインセラーに来ており、オツマミ
に手をつけた。 ご馳走を目の前にして我慢ができなかったのでしょう。
食べ終えた頃には集合時間になっていたので、ワインセラーの入り口に
ある階段で、誰かが降りてくるのを待ち伏せしたんです。
そして、階段を降りてきた池田さんと自分が同じタイミングで到着した
かのように見せかけたんですね。
小学生でも考えるような、実にシンプルなお話だったわけです。
「僕にも言いたいことがありますけど、まぁいいですよ」
「そのままお話を続けてください」
次はビーチで写真を撮っていたという件について。
あなたはワインセラーに来る前にビーチで写真を撮ったと言いましたが、
今池君が調べたところ、その時間は雨が降っていたそうです。
降ったり止んだり、南国のお天気は変わりやすいですからね。
もちろん、雨が降っていたことはリゾートにいる全員が知っていました。
ただ1人、地下にあるワインセラーにいたあなたを除いて・・・。
雨が降っていたことを知らなかったから、ビーチで写真を撮ったなんて
咄嗟にウソをついたのでしょう。
さすがに、これは頂けませんでしたね。
雨のビーチで写真を撮る旅行会社の人を私は見たことがありません。
差し支えがなければ、撮影された写真を見せて頂ければと・・・。
えー、まだ続けますか。 自供して頂けると助かるのですが。
「まんぼ~さん、僕は雨が降っていたことを知ってましたよ」
「ホームページとかブログとか、何に役立つから分からないから、あえて
雨のビーチの写真を撮りに行ったんです」
「金庫とか電話とか空き缶とか、どうでもいい写真を撮って自社のブログ
に載せている旅行会社の人もいるじゃないですか」
「僕が撮影した写真はイマイチだったのでカメラから消去しましたけど」
「何度も言いますけど、僕はビーチで写真を撮ってからワインセラーに足
を運んでおり、階段で池田さんと合流して中に入りました」
「雨だけに、これ以上は水掛け論になりますね」
「僕の犯行を裏付ける足あとは何も残ってないのですから」
「もう部屋に帰って休んでもいいですか?」
まだ帰すわけにはいきません。
ん~ 足あとは何も残ってないですか・・・。 フフフフ。
ハイっ、足あと。 そうなんです。 足あとの件が引っかかったんです。
このリゾートは裸足で過ごせることをウリにしており、シックスセンシズ
ホテルの特徴の1つだそうですね。
送迎ボートの中で「ノーニュース・ノーシューズ」と書かれた袋に自分の
靴を入れて、チェックアウトの時に返してもらえるのだとか。
たしかに、私と今池君もここに来る時にスタッフに靴を預けました。
敷地の通路や施設の至るところが砂で覆われており、スタッフやゲスト
の足あとが無数に残っています。
「そんなことは滞在していたら誰でも知ってますよ」
「みんなが裸足なんだから、足あとが残っても不思議ではないでしょう」
「どこに僕の足あとが残っていても、それで犯人とはならないはずです」
まだお分かりになりませんか。
問題は足あとが残っていることではなく、残ってないことなんです!
今池君がリゾートを徹底的に調べた結果、ビーチからワインセラーへと
続く足あとは1つも残っていませんでした。
事件からあまり時間は経っておらず、無駄な足あとを増やさないために、
全員にその場を動かないようにご協力をお願いしました。
ちなみに、あなたが宿泊している水上ヴィラの桟橋からビーチへと続く
足あとも残っていません。
つまり、つまりですよ!
つまみ食いをした直接的な証拠はありませんが、足あとが残っていない
ことが、あなたがビーチに行ったことがウソであると証明しています。
なぜ、ビーチで写真を撮っていたとウソをつく必要があったのか?
本当はビーチに行かずに、どこで何をしていたのか?
納得のいく説明をお聞かせ願えませんか。
「もういいですよ。僕がオツマミを全部食べました」
「誰にも会わないように注意したし、事前に防犯カメラの位置も入念に
確認したのに、足あとからバレるとはね」
「最初から疑ってたのは知ってましたけど、いつの時点で僕が犯人だと
確信したんですか?」
最初にリーダーにお会いした時です。
「それはウソだ。まんぼ~さんの質問には慎重に答えたし、あの時点で
決め手になるようなボロは出さなかったはず」
ん~、ぜんぜん悔しそうじゃなかった・・・。
あなた、ホテルの視察が長引いてランチが食べられなかった時に、周囲
にかなり不満を漏らしていたそうですね。
困り果てたスタッフがレストランにお願いをして、あなたのためだけに
特別にランチをご用意したと伺っています。
そこまで食事にこだわるあなたが、オツマミが誰かに食べられたことに
ついては、悔しがることも怒ることもしなかった。
あなたが犯人でないなら、もっと悔しそうな発言が出ないと不自然です。
それで私は確信しました。
この人はオツマミを食べて満足していると。
それ以前に、あなたからは美味しそうな匂いがしてましたし、口元には
オツマミの食べカスが付いてましたけどね。
皮肉なことに、足あとが残っていないことが、あなたの犯行の足あとに
なりました。
南国でのつまみ食いは、足あとを残した方が良いこともあるようです。
さぁ、行きましょう。
パパパパパ パパパパ~♪
パパパパパ パパパパ~♪
・まんぼ~任三郎(田村真和)
・犯人のリーダー(大食太朗)
・今池慎太郎(西村正彦)
企画:近藤祐輔
構成:植田正代
美術:東野かおり
技術:内海つばさ
・スポンサー(まんぼ~グループ)
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まんぼ~ガス まんぼ~保険 まんぼ~建設
まんぼ~製薬 まんぼ~引越 まんぼ~酒造
まんぼ~食品 まんぼ~パン まんぼ~石鹸
協力:(株)近藤トラベルサービス
制作:まんぼ~テレビジョン
田村正和さんご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます
この物語はフィクションであり、実在の人物や事件とは関係ありません
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