今回のまんぼ~ブログは、キアオラソバージュの旅行記です。
ツアモツ諸島の拠点となるランギロアは、長さが約80km、幅が20km
もある環礁の島で、世界でも2番目の大きさを誇ります。
南国の素朴な風景が多く残っており、この島の片隅に浮かぶキアオラ
ソバージュに滞在すれば、島流しの刑・・・。
ではなく、ロビンソン・クルーソーのような体験が出来るとか。
タヒチ旅行の専門店として、タヒチファンとして、機会があれば、いつか
そんな体験をしてみたいものです。
とある年末に、私の念願は叶うことになり、空港のある島からボートに
乗って、お目当てのキアオラソバージュにやって来ました。
到着して出迎えてくれたのは、スタッフとしてソバージュに駐在している、
ミシェルさんというご夫婦です。
他のゲストや先客はおらず、私が唯一のゲストになるようです。
挨拶もそこそこに、島の探検をしてみることにしましょう。
ヤシの木は伸び放題、白砂ビーチも自然の造形のまま、ランギロアの
イメージにピッタリの流木が、オブジェのようにありました。
母屋にはレストランとバーがあり、ビーチにはポリネシアンスタイルの
バンガローが並んでいます。
バンガローの中はとてもシンプルで、ベッドとデスク、他にお手洗いと
シャワーブースがあるのみです。
ドアのカギは豪快に壊れていますが、そもそも、開かれた窓にカギが
ありませんので、特に問題はないのだと思います。
時計、携帯電話、テレビ、パソコン・・・。
日常生活で当たり前にある物は、ここにはありません。
「あなたの島だから好きにしていいよ!」
なんて言われても、出来ることが限られています。
タヒチタイムに身を任せて、自分の気の向くままに、南国ライフを楽しむ
ことにします。
ビーチの椅子に座って、のんびりと海を眺めてみたり、お部屋で昼寝を
したり、海に入ってサメと一緒に泳いだり、また昼寝をしたり・・・。
お部屋に電気がありませんので、周囲が暗くなってくると、ミシェルさん
がランタンを持って来て下さいました。
夕食を頂いて、今日はおやすみなさい。
フォーン♪ フォーーーン♪
この島では、寝る時間も起きる時間も適当ですが、食事の準備が整うと、
ミシェルさんがホラ貝を吹いて知らせてくれます。
自衛隊の起床ラッパ、ランギロアバージョンといったところですね。
朝食を食べ終えれば、島をパトロールしてみたり、海を眺めたり・・・。
普段では考えられないほど、午前中の時間も長く感じられます。
君は1人なのかい? ワン!
なかなか、しっかりとした犬です。
昼食後に昼寝をしていると、ミシェルさんがやってきました。
なんでも、シュノーケリングに最適な小島があるらしく、その島にご案内
して下さるそうです。
ボートで小島に到着すると、私だけが上陸し、ミシェルさんはソバージュ
へと引き返して行きました。
シュノーケリングをしたり、島の周囲を探検したり、どれくらいの時間が
過ぎたでしょうか。
1時間後に迎えに来ると言ったきり、全然迎えに来ませんけど・・・。
もしかして、ボートが故障したのかな。
アレしかないと思いますので、故障すると色々と不便があるのでは。
南の島で起きるピンチの中でも、レベル3です。
来るかもわからない迎えを待つよりも、自分で泳いで、ソバージュに
帰る方が良いのかも知れません。
子供の頃に通ったスイミングでは、バタ足の祐ちゃんと呼ばれていた
こともあり、普通に泳ぐだけなら大丈夫です。
島から島に移動すれば、何れは辿り着けるかも知れないな。
いや待てよ、タヒチの海を軽く見ない方が良いと思いますし、自分自身
が方向音痴であることも忘れてはいけません。
勝手に動くと、大事な時に発見してもらえなくなったり、状況が悪化する
可能性もあるのでは。
冷静になって、小島に留まっている方が良いのかな。
まさかっ! ミシェルさんの身に何かあったのでは!
ソバージュには、お医者さんや病院どころか、救急箱やバンドエイドすら
置いてないと思います。
ピンチレベルは上がることになり、レベル4になりました。
小島を出発するべきか、留まるべきなのか、悩ましいところです。
このような状況になった前例がありませんので、自分のバッテリーが
どれだけ残っているのか、見当もつきません。
アーーっ! まさかのまさかっ!
ボートが故障して、さらにミシェルさんの身に何かあったのでは!
悪いことが重なり、両方がトラブルを抱えている状況も考えられます。
もしそうなら、いよいよレベル5。
こんな事になるなら、旅行後のお楽しみに残してきたアイスクリームは、
出発する前に食べておけば良かったな。
小島に来てから、感覚として2時間以上が過ぎた頃でしょうか。
寝ぐせ頭のミシェルさんが、絶好調なボートで迎えに来てくれ、何事も
なくソバージュに帰ることが出来ました。
とても嬉しく、どこか切ない、レベル1。
戻ってからは、昨日と同じようなタヒチタイムが流れ、夕方にはランタン
がバンガローに届き、夕食を頂けば、2日目が終わります。
ソバージュにやって来る前、私は何か考え事をしていたと思いますが、
考え事が何かすら忘れてしまいました。
忘れてしまうくらい、チッポケなことに違いありません。
出発の日の朝も、ホラ貝の音で目が覚めて、朝食を頂きました。
途方もなく退屈するのではないかと思っていた、キアオラソバージュでの
滞在も、終わってみれば、本当にあっという間です。
特別に何かをしたわけでもなく、野性味溢れるランギロアの大自然に向き
合いながら、のんびりと過ごしていただけです。
あれこれ考えてみても、なるようにしかならないのでしょう。
そろそろ、帰る準備をしなければ。
準備をするだけの荷物もありませんけど。
これはこれは、ミシェルさん。
美味しい食事や起床ラッパ、お部屋の清掃と、短い間ではありましたが、
色々とお世話になりました。
えっ? 忘れ物に気を付けて??
どのクチが言っているのかしら。
ミシェルさんも、小島での「忘れ物」にはお気を付け下さい。
この島で暮らすことが、レベル5だと思いますので、どうかお元気で。
何もかもから解放されて、南国の孤島で過ごしたことは、とても貴重な
経験であり、一生の思い出になりました。
真っ青に晴れ渡るランギロアの空の下、遠ざかるソバージュに後ろ髪
を引かれながら、帰ることにしましょう。
やけに、アイスクリームが食べたいな。
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