イルカ君が旅立つ日にまんぼ~の姿はなく、ウミガメ君が見送りに
やってきました。
気持ちを切り替えて出発する。 つもりでしたが・・・。
「イルカ君、元気でね。 また近くに来たら一緒に遊ぼう」
「まんぼ~君から、イルカ君に渡すように頼まれたお土産を持って
きたから受け取ってよ」
「今日のために、何日も前から秘密の場所で拾い集めてたみたい」
「僕は大好きだけど、イルカ君も大好きとは知らなかったな」
山積みのココナツを眺めながら、ウミガメ君の言ってる意味が全く
分からず、イルカ君は呆然としています。
なぜなら、自分はココナツが大好きではないから。
それでも、知能の高いイルカ君の頭は少しずつ整理されて、ある
仮説にたどり着きました。 まさかとは思うけど・・・。
まんぼ~は、自分はココナツが大好きだと勘違いをしてるのでは。
そう考えると、これまでの話が繋がってきます。
勘違いをしてるから、自分のために何度もココナツを拾いに出かけ、
つまみ食いをしてもココナツだけは手を付けなかったのでは。
カモメの話を聞いて泥棒だと決めつけましたけど、本人が盗んだと
認めたわけではありません。
冷静に考えれば、あの食いしん坊ならココナツも食べてしまうのが
普通なのに、いつもココナツだけは残してました。
ウミガメ君に確認をすると、自分がココナツが大好きだという話は
まんぼ~から聞いたと言ってますので、疑いようがありません。
自分が考えていたことと事実が大きく違っています。
悪いことをしたなと思いつつ、ハチャメチャな行動にイライラした
のも事実ですし、どこに気持ちを落ち着かせて良いのやら。
なんとなく、この状況が良くないことは分かりますけど、もう出発
しなくてはなりません。
とても受け取る気持ちにはなれず、ウミガメ君のためにココナツは
置いていくことにします。
出発をしてからも、最後に見たまんぼ~の悲しそうな顔が、頭から
消えることはありませんでした。
どこからどこまでが顔か分かりませんけど。
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