さて、きのうお話をしました、関西のお肉屋さんに何度も足を運ばれたのはお祝い返しでした。
私がこの仕事に就いてから新任の役員さんは初めてでしたから、まさかお祝いの制度があるとは思いもしません。
臼井事業部長は多忙を極める中でわざわざお祝い返しだけで都合半日は潰されたでしょうね。
臼井事業部長の本拠は東京です。
だから地元で返しを調達すればいいはずなのですが、なぜか関西に出張された時に手配するのです。
役員昇進のお祝いは主に業者さんみたいですね(笑)
それも自宅に来るわけで、多分近しくしていた関係者でしょうか(笑)
ただ臼井事業部長の名誉の為に一言付け加えさせて戴くと臼井事業部長は決して貢ぎ物で仕事の手心を加える方ではありません。
以前私がお向かえに行った時でした。事業部長(役員)になるまえで本部長だったと思いますが、 あれは移動中でした。
「高村さんこの辺りに○×工業てあるかい?」 この時次の訪問先まで時間に余裕がありました。
雑談の途中にのんびりした口調で聞いてこられました。
「○×…ですか!?」
咄嗟のことで 鈍な私はわかりませんでした。 ○×と臼井本部長のイメージが合わなかったからです。
しかしよく考えてみれば、この下請け業者の○×工業は臼井本部長の管轄になるのです。 ○×工業は新しく就任された臼井本部長にお祝いをしました。 下請け業者なら皆やっていることですが、届いた祝い品がちと張り込みすぎたのです。
「この間さぁ…」
「はい」
「○×から俺の所に祝いだって来たんだよ」臼井本部長は私にさりげなくなく話されます。
普通は内緒でもらったことを運転士にしゃべりますか?
それを臼井本部長は事も無げに話をされました。
「はぁ…」
私はどう答えていいのかわからず曖昧に返事しましたが、臼井本部は気にせずに
「それがさぁ…家にきちゃったんでびっくりしたんだよ」
歯切れのいい江戸っ子の臼井本部長は抗議するみたいに私におっしゃいます。
「ご自宅に…ですか」私も合わせましたが、こんな物家に届けなくてどうするんだよ、
と内心は思いました。
だってお得意先のトップにあいさつ代わりにする付け届けでしょう… これにはいつも有り難うございます。と今後も変わらず宜しくお願いいたします。の意味を込めているわけですから。
賄賂(ワイロ)までなるのかどうか私にはわかりませんが、とにかく儀礼的な意味合いも含んでいるのでしょう。
話を戻しましょうか(笑)
それで臼井本部長(当時)は釈然としない顔で 「こんなの貰う義理なんかないんだよなぁ」少し起こっていらっしゃる雰囲気でした。これって? バックミラー越しに小さな紙袋が見えました。
ひょっとして…
私にくれるんじゃあ…(笑)
こんなのをゲスの勘ぐりと言うのでしょうね(笑)
臼井本部長はもらった品物を見て当惑していらっしゃったのでした。
話をよく聞いていると、
自宅に届いた品物はかなりの高価なもので ちょっと気軽に受け取れないぞ!
儀礼の範疇(はんちゅう)を越えている品物を見て臼井本部長はヤバイと感じられたのでしょうね。当時臼井本部長は色々な部門の責任者を歴任していらっしゃって次期役員になるための言わば見習いコースを歩んでいらっしゃいました。
こんなところで欲を出してトラブルに巻き込まれたら元も子もないぞ…
この判断は正しかったのでした。
後に露呈しましたが、○×工業が納入していた工場で不正が発覚して関係者は厳しく処分されたのです。
臼井本部長の就任直後だけに責任は免れましたが、あの高価な贈答品を受けていらっしゃったら(汗)…どうなったかわからないでしょう。 それをヤバイと察してこの日臼井本部長は○×工業に出向いて返されたのでした。
私の推測ですが、臼井本部長はたぶん届いた品物から不正を予感して調べられたのではないかと思います。
○×工業は不正をカモフラージュするための念入りの付け届けが逆にやぶ蛇の結果になってしまったのです。
それでは今回役員昇進にもらった祝いはどうなのでしょうか(笑)
私はお肉屋さんまでお連れしただけなので、幾らくらいの牛肉を返されたのかわかりませんが、お肉屋さんはどこも超がつく高級店でした…
これは余談ですが、
関東人は親しくなった人にはわりと寛容で少々の事なら目をつぶってでも付き合おうとします。
ビジネスでも同じで一度入り込んだら余程の事がないかぎり取引は続きます。
裏を返すと、よく知らない相手には気を許さないのです。
○×工業はそこのところが分かっていなかったのでしょうね。
私がこの仕事に就いてから新任の役員さんは初めてでしたから、まさかお祝いの制度があるとは思いもしません。
臼井事業部長は多忙を極める中でわざわざお祝い返しだけで都合半日は潰されたでしょうね。
臼井事業部長の本拠は東京です。
だから地元で返しを調達すればいいはずなのですが、なぜか関西に出張された時に手配するのです。
役員昇進のお祝いは主に業者さんみたいですね(笑)
それも自宅に来るわけで、多分近しくしていた関係者でしょうか(笑)
ただ臼井事業部長の名誉の為に一言付け加えさせて戴くと臼井事業部長は決して貢ぎ物で仕事の手心を加える方ではありません。
以前私がお向かえに行った時でした。事業部長(役員)になるまえで本部長だったと思いますが、 あれは移動中でした。
「高村さんこの辺りに○×工業てあるかい?」 この時次の訪問先まで時間に余裕がありました。
雑談の途中にのんびりした口調で聞いてこられました。
「○×…ですか!?」
咄嗟のことで 鈍な私はわかりませんでした。 ○×と臼井本部長のイメージが合わなかったからです。
しかしよく考えてみれば、この下請け業者の○×工業は臼井本部長の管轄になるのです。 ○×工業は新しく就任された臼井本部長にお祝いをしました。 下請け業者なら皆やっていることですが、届いた祝い品がちと張り込みすぎたのです。
「この間さぁ…」
「はい」
「○×から俺の所に祝いだって来たんだよ」臼井本部長は私にさりげなくなく話されます。
普通は内緒でもらったことを運転士にしゃべりますか?
それを臼井本部長は事も無げに話をされました。
「はぁ…」
私はどう答えていいのかわからず曖昧に返事しましたが、臼井本部は気にせずに
「それがさぁ…家にきちゃったんでびっくりしたんだよ」
歯切れのいい江戸っ子の臼井本部長は抗議するみたいに私におっしゃいます。
「ご自宅に…ですか」私も合わせましたが、こんな物家に届けなくてどうするんだよ、
と内心は思いました。
だってお得意先のトップにあいさつ代わりにする付け届けでしょう… これにはいつも有り難うございます。と今後も変わらず宜しくお願いいたします。の意味を込めているわけですから。
賄賂(ワイロ)までなるのかどうか私にはわかりませんが、とにかく儀礼的な意味合いも含んでいるのでしょう。
話を戻しましょうか(笑)
それで臼井本部長(当時)は釈然としない顔で 「こんなの貰う義理なんかないんだよなぁ」少し起こっていらっしゃる雰囲気でした。これって? バックミラー越しに小さな紙袋が見えました。
ひょっとして…
私にくれるんじゃあ…(笑)
こんなのをゲスの勘ぐりと言うのでしょうね(笑)
臼井本部長はもらった品物を見て当惑していらっしゃったのでした。
話をよく聞いていると、
自宅に届いた品物はかなりの高価なもので ちょっと気軽に受け取れないぞ!
儀礼の範疇(はんちゅう)を越えている品物を見て臼井本部長はヤバイと感じられたのでしょうね。当時臼井本部長は色々な部門の責任者を歴任していらっしゃって次期役員になるための言わば見習いコースを歩んでいらっしゃいました。
こんなところで欲を出してトラブルに巻き込まれたら元も子もないぞ…
この判断は正しかったのでした。
後に露呈しましたが、○×工業が納入していた工場で不正が発覚して関係者は厳しく処分されたのです。
臼井本部長の就任直後だけに責任は免れましたが、あの高価な贈答品を受けていらっしゃったら(汗)…どうなったかわからないでしょう。 それをヤバイと察してこの日臼井本部長は○×工業に出向いて返されたのでした。
私の推測ですが、臼井本部長はたぶん届いた品物から不正を予感して調べられたのではないかと思います。
○×工業は不正をカモフラージュするための念入りの付け届けが逆にやぶ蛇の結果になってしまったのです。
それでは今回役員昇進にもらった祝いはどうなのでしょうか(笑)
私はお肉屋さんまでお連れしただけなので、幾らくらいの牛肉を返されたのかわかりませんが、お肉屋さんはどこも超がつく高級店でした…
これは余談ですが、
関東人は親しくなった人にはわりと寛容で少々の事なら目をつぶってでも付き合おうとします。
ビジネスでも同じで一度入り込んだら余程の事がないかぎり取引は続きます。
裏を返すと、よく知らない相手には気を許さないのです。
○×工業はそこのところが分かっていなかったのでしょうね。