寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

似て非なるもの 2

2011年10月31日 06時39分33秒 | 日記
私は運転士です。
タクシーの方みたいな二種の免許はありませんが、運転のプロの自覚は持っています。
速く走れと言われたらそれなりに走ります。 ただ役目柄無茶苦茶な暴走運転は厳禁であります。
役員さんが「ちょっと急いでよ」
たまに、ほんとごく希におっしゃることがあります。
以前役員専用車の走り方を紹介しましたが、高速道路なら90キロ~110キロで走ります。
これが先ほどの「急いでよ !」になると… 100キロ~120キロになります♪
**どう違うの!?
思うでしょ(笑)
私たち役員専用車の運転士はどんなに急げと言われても制限速度から精々20%アップで走るのです。
簡単なようでこれを間違うとエライことになります。
私がまだこの仕事について間もなくでした。 雨の降る夜に高速道路を走っていました。お乗せしていたのは高辻役員でした。
時間はたぶん8時くらいでした。
新幹線の時刻が迫っているのか、高辻役員は少々あせり気味です。それは前で運転している私にもわかりました。
しかし運転マニュアルを覚えたての私は制限速度で走っていました。
今から思うともう少し速く走っていれば(ポーズだけでも)よかったのですが、愚直過ぎたのでした。
いらいらしていた高辻役員は何度も「何時に着くかな」
と尋ねてこられます。私はその都度丁重にお答えをしていました。 そしてついに「もうちょっと飛ばしてくれるかな」
いらいらを圧し殺した風におっしゃられます。
私もトロトロ走るのにうんざりしていましたから「はい」と二つ返事をすると目一杯アクセルを踏み込みました。
夜の高速道路はトラックの大洪水です。 二車線いっぱいに 色々なトラックが走っています。
私はここが腕の見せどころと張り切りました(笑)
3000CCのクラウンに私の腕前(笑) !!
クラウンはタイヤを鳴らしながらジグザグにトラックを抜き去りました。
三台、又三台、!
「ようし!!」
私は調子が出てきたがわかりました(笑)
そして十数台を追い抜いた時でした。
後ろの高辻役員が悲鳴に近い声を上げられました。
「もういい!ゆっくり走ってくれ」
私はしまった…と思いました。
マニュアルにある「役員さんが怖いと思う運転は絶対してはいけない」…これは一番最初に習うのです。
例えば今の暴走行為や赤信号で交差点を渡ること、無理な追い越しなどです。
気の短い役員さんならこれらの行為で即クビにしてしまうそうで、最初にきつく言われていたのでした。
クビに…とはおっしゃいませんが、秘書に「今度の運転士は荒いなぁ~」など然り気無くおっしゃったら、
もう最期です。
「あんな奴だめだ」
とおっしゃったのと同じ意味ですから。
秘書とは気を回すことが仕事なのですよ(笑) 役員から聞いたら即総務課長に告げます。 「◯◯役員が運転士を代えてくれとおっしゃってます」
「はい、わかりました至急交替させます」
……
私はこんな景色が頭を過りました(笑)
スピードを落とせ…と言われるまでもなく私はアクセルを踏む気力が萎えていました(苦笑)

せっかくありついた仕事をふいにしてしまった…(涙)

しかし捨てる神あれば拾う神あり♪
何故か今日まで私はこの会社で生きているのです(笑)
それで週末の続きですが(随分横道になりましたが…)
韓国を代表する会社のオーナを乗せて祇園まで会食でした。
視察は予定より一時間も早く終わっていました。
車に乗り込むのは後部座席がオーナと鬼塚専務、私の横…助手席に高辻役員です。 どうですか♪高辻役員が助手席ですよ(苦笑)

いかに相手が大物かわかるというものですね…

オーナと鬼塚専務が乗り込まれる前に高辻役員が私のそばにこられて、そっと耳打ちをされました…
コメント
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