四十にして惑わず…１４

ひょんなことから紅葉を見に行った金沢さん、山田さん、河田部長… 山田さんは途中退場で二人が残されました。
女性と二人っきりは久し振りの河田部長♪
ぎこちない素振りもだいぶ慣れてきましたが、そもそもお目当ては山田さんでした… 「二兎を追うものは一兎をも得ず… 」
最初は金沢さん…うつむき加減がいつの間にか胸を張っていました。
この男は案外初(うぶ)なんだ(笑)
肩を張ったような社内の態度からしたらここにいる河田部長はなんなんでしょうか♪大きなスーツを着た小学生でした。
一方河田部長…(微笑本来の)調子は出てきましたが不器用さが災いしていました。…なんかいい雰囲気になったはずなんだが…首を捻ることしきりです(笑)二人はボンボリが灯る花街を歩きながらそれぞれの出方を探っているようでした(笑)祇園の小さな露地から花見小路に出ました。この道は祇園のメインストリートです。道幅も広がり観光客やカップル姿もちらほらいます。
閑話休題…皆さん今この祇園界隈が観光スポットになっています。この祇園は昔ながらの町屋(お茶屋)がずらりと軒を連ねています。夜になるとお茶屋さんの控えめな外灯の燭(ともしび)だけが街中を照らしていて、他の露地にしてもあたり一面の構成全てが祇園の街を幻想的な雰囲気に醸し出しているのです。時たまお座敷に呼ばれた舞子さんがいそいそと通って行く姿に出くわすと昔にタイムスリップしたみたいです。まあ日本国内にこれほど風情のある処はないでしょうね…さて話を戻しましょうか♪祇園の花見小路まで出ますと先に見えるのが四条通りです。こちらはバスやタクシーも走っている京都のメインストリートです。
…ここだ!!四条通りに出るまでが勝負だ♪(笑)
河田部長は決心しました(ガンバレ♪…苦笑)
確かに四条通りは人波ができるくらい賑やかです。 もし河田部長が口説くならこの花見小路でしょうね(笑)
果たして…
石畳の花見小路を南に歩いていました。
「部長…何かおっしゃるでしょう？…」
「え!?」
つい今声を掛けようとしていた矢先でした。
「わかるのかな♪」
「わかりますよ、歩き方のリズムが乱れていますよ♪」
金沢さんは笑いながら指摘しました。
確かに今河田部長は足並みが乱れていました。
「参ったなぁ…金沢さんは全てお見通しなんだね…」
笑うしかありません…