鬼の目にも涙…２０

懇親会場のお店(早い話が創作居酒屋ですが…) の前は鬼塚専務をお見送りするために大勢の社員さんが出ています。
「さあ、次は銀座に行ってくれ♪」
酩酊状態の専務らしい(笑)ジョークをぶつけてきました。
ドッ♪ときた皆さんです。さすが暴れん坊の異名を取る鬼塚専務だ!!ヤンヤの喝采に嘲笑も混じってお店の玄関先は賑やかです。
しかしジョークをまともに振られた私は一瞬血が引きましたね(笑) まぁ、こんなことでクビになるわけもありませんが…センス…そう！笑いのセンスを問われているのですね(笑)
私は咄嗟のことでしたが、
「毛布を用意してください」
そばにいた総務課長に言いました。
それを訊いて総務課長は「も、もうふぅ…」すっとんきょうな声を上げて又々ドッ♪と沸きました。
「なんだよ…俺にこの中で寝ろよ、と言うのかい(笑)」
笑いながら鬼塚専務が周りを見渡して又々ドッ♪ときます(笑)
皆さんの笑いが治まるのをみて専務がうなずくと「まあ、兎に角みんな頑張ろうや！」と締めておしまい(笑) ！
ドアは工場長が閉めましたが、「バン！」と音がして直ぐに窓を開けて名残惜しそうに「じゃあ頼んだぞ…」
鬼塚専務は皆さんにあいさつされます。
「お疲れ様でした」
「おやすみなさい」
「失礼します」
…口々にあいさつする工事の皆さんに手を振り終わるのを見て私は車を出しました。