おはようございます〜
昨日は、懐メロの話題を喋ろうと思ったのですが、いつもの横道に逸れてしまいました。
コンサートでも アリスですとか さだまさし さんですと ほんとお喋りが多くて
「では ちょっと歌を行きましょうか」と笑いながら二,三曲歌うと 又お喋りします。(テレビで観たんですよ)
歌謡ショーかトークショーなのかわからないくらいですが それが毎度なのでお
客さんも慣れた様子で喋りを愉しみにしているのでしょうか。
私はこんな生演奏…今は ライブ と言うそうですが、かつて一度だけ体験したことがあります。
半世紀近くも前のことですから実名を出しても差し障りは無いと思います。
今はどうしているのか知りませんが 早見優 さん…呼び捨てはアキマセンね。
ある日、友だちの家で遊んでいたら 早見優が近くの公園に来るから 行かへん
か?とお誘いを受けて 早見優…かぁ…私はあまり好みじゃぁなかったですね。
どうしようか と返事を渋っていると 公園(会場)と いうてもステージが設営して
あるしやっぱり 間近で見られるから迫力があるやろし 行こうや、と友だちは行
く気満々です。
牛に引かれて善光寺詣り(ご存知でしょうか) ではありませんが、コンサートの
日は日曜だったし他にする事をもなかったし、テレビで見た ことのある歌手が
生で見られる と云うのに私は惹(ひ)かれました。
それと田舎育ちだった私たちはコンサートなんか見たこともなかったのです。
舞台を設営 する… と聞いて 何だか大掛かりな事をやるんだなぁ
こりゃぁ人生の内 一遍(いっぺん)は見てみたいなぁ といつの間にか私も行く気
が湧いてきました。
当日 幾らかの入場料を払ってコンサート会場に入りました。
会場は グラウンドのバックネットの前に舞台を設営して あって そこから放射
状に広がったところに折りたたみのイスが並べて置いてありました。
私と友だちは前にあるステージ(舞台)から十数メートルほどのイスを確保しました。
座席は指定だったのか自由席なのか覚えていません。
とにかく曇り空で今にも雨が落ちてきそうなのをよく覚えていました。
コンサートが始まる前なのに天候の心配をするくらいですから 私はチンケな
ステージやパイプ椅子、下が普通の土など こんなのどこにでもある文化祭みた
いだなぁ と半分興冷(きょうざ)めしていました。
お客がゾロゾロと私らのそばを歩いてそれぞれ気に入ったイスに腰を掛けてき
ました。その間、ステージの後方から外れた楽器の大音響が鳴りそれが止
まなくて 私は少しイライラしていました。
横の友だちは そんなこと一向に気にしない様子で 早見優がステージに出て来る
のを今か今かと背伸びしながら待っていました。
それからしばらくして 「サァ、みんな元気〜!」割れたような大音響がグラウ
ンド一杯に鳴り響きました。
司会者が ステージの上に出てきたのです。
あれこれあいさつをしながら これはやってはいけません、こんな
事はご遠慮下さいね…と注意事項を読み上げていきます。
はぁ〜 いつまで待たせるんや、私は焦れて ウンザリしていましたが、
司会者の声がなくなると ♪♪ババァーン と地響きがしたかと思ったらこれまで
を上回る大音響!
私は思わず耳を塞(ふさ)ぎました。
ワァ〜 ワァ〜 今度は客席から絶叫がわき出しました。
舞台には赤、青、黃、グリーンのカクテル光線が交差しながら舞います。
客席にもそのカクテル光線がなめ尽くしながら全体にうわぁ~~と広がっていきます。
空はいつの間にか夕暮れ、あたりが薄暗くなってきていました。暗さが増すの
でカクテル光線が鮮やかに映えます。
ため息混じりにいた私も この演出にすっかり酔ってしまいました。
そして音響が大人しくなったと思ったら 今度は ゴゥーとなんの音かわからない
音楽が弾き出されて 客席にいたお客が次々と起立をしました。ウェーブ という
のが流行(はや)ったことがありましたが、この客席にもウェーブが起こったので
す。
それは見る見る内に全体に広がって気が付くと私だけが座ったままパイプ椅子
に取り残されていました。
横の友だちはすでに立ち上がっていて 素頓狂な声援を発して足踏みをしながら
ノリノリです。
さっきまで大人しく座っていたのが 僅かな間にここまで熱狂的に変貌できるの
か… 私は 小躍りしながら両の手を上げ大声で叫んでる 友だちをあ然として見て
いまし。
このようなコンサートではお客は立ち上がって一緒に歌ったり踊ったりしてみ
んなで楽しむものだ…くらいはなんとなくわかっていました。
ですから最初はゆっくり歌を聴いて何曲か聴いてノッテ来たら立ち上がるなり
踊るなりするんだろう…とゆっくり構えていたのが、いきなり立ち上がって喝采
でしょう。
元々 ここに来てから イマイチ調子が出なかった私は 置いてけぼり を喰らった
のでした。
こうなったら しばらく座ったまま見てやろう と腕組みをしながら はて、早見
優 はどんなじゃろう(笑)と見ていますと、やっぱり同じよ
うに場にノレなかった人が ポツリ ポツリといましたよ。だって座っているのっ
て 目立つのですよ。ああ…周りは全部立って踊りだしてるのに…バツ悪くないの
かなぁ… 「おい、高村 立てや」友だちが私の肩を叩きながら云うて来ました。
ああ…私はどうしようか と思いましたが、ここで立たないと立つ塩が無くなる
ぞ 。こんな時は、照れたり周りを意識すると イケマセンね 。
オッシャ、私は 気合を入れるとダァーと立ち上がりました。
後は 割れたスピーカに向かって怒鳴り 踊り 笑い 友だちも阿波踊りをしながら
優ちゃん サイコーと絶叫するので 私も負けずに優ちゃん
サイコー!サイコーサイコーと二人で2部輪唱 (笑)
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。
ステージが終わって 精一杯暴れた余韻で心地良い疲れがありましたが
コンサートって 憂さ晴らし に うってつけなんだ、だからみんな行くんだなぁ
と得心しましたね。
それからなぜかコンサートに行く機会がなくて それっきり。
たった一度のコンサート…会場はそこらのグラウンドを使ってショボいのですが
それだからこそ今でも覚えている懐かしい想い出であります。