大崩海岸は、静岡市から焼津市にかけた4キロほどの海岸です。
海岸から標高300メートル前後の急峻な山がそそり立ち、焼津から静岡に向かって走ると、途中で富士山が見え隠れして景色のよいところです。
海上橋の駐車場で静岡側から焼津側を見る。
名前のとおり急峻な山は台風などのたびに崩落を繰り返します。
山肌をぬうように道路が通っていますが、崩落のつど長期にわたって通行止めになります。
それでも、海上橋をかけたりトンネルを掘ったりして道路が維持されています。
かつて使われていた洞門ですが崩落で使えなくなり、海上橋が架けられました。
そんな大崩海岸に旧東海道線のトンネルが見られるとの新聞記事があり、好奇心に駆られて探検してきました。
鉄道の廃線マニアにはよく知られた場所のようで、道路脇に道案内の表示が出ていました。
また、商売根性のある人なのか、道路脇の空き地に有料の駐車場まで設けられています。
トンネル跡まではこんな所を下っていきます。
こんなに草が茂っているのを見て、来る時期を間違えたと思いましたが、好奇心が勝って下りていきました。
数十メートル下ると見えてきました。
旧石部トンネル坑門跡。上下2本のトンネル入口がそのまま残っています。
このトンネルは、1944年に廃止されたので、すでに76年が経過していますが入口は崩落することなく当時のままです。
トンネルの手前に橋脚跡が残っていました。
崩落した橋脚は、海上橋の駐車場からも見えます。
トンネル入口から反対側に目を転じると、かつての護岸が浸食されたままの状態におかれています。
駿河湾の湾口方面に開けた海には水平線がくっきりと見え、わずかに弧を描いているのがわかります。
こんなにきれいな水平線は、こころも平らにしてくれました。
海岸まで下りるためのはしごが設置されていましたが、今回は下りるのをやめました。
草が茂っていない時期に、写真を撮影するための光線状態が良い時間にもう一度来てみます。
降りてきた道を登ります。
草の踏み跡がしっかりついているので、ここを訪ねる人がそれなりにいるのは確実です。
海上橋の駐車場に寄り、富士山の撮影に挑戦。
かなり霞んでいたのでコントラストの調整など画像加工してみました。
海上橋の橋脚には補修作業の足場が組まれていました。
今回は下見のつもりで行きました。
草が茂っていない春先にでも改めて撮影に来てみたいですね。
市内にこのような遺構があるのを初めて知りました。
崩落が繰り返される場所で、ほぼ無傷でトンネルが残っているのに驚きです。
また、撮影に向いた光線の状況で、富士山の撮影にも挑戦してみます。