まちの安全管理センター

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高速道路2社と京大、見えない箇所の検査技術研究

2014-04-06 21:33:55 | 日記
 NEXCO西日本と阪神高速道路会社は3月26日、京都大学に「インフラ先端技術共同研究講座」を開設すると発表しました。橋などの構造物を対象に、見えない、見づらい箇所の検査技術の開発や、ビッグデータを活用した高度な点検システムの構築に取り組みます。共同研究講座は2014年4月1日から2年間、京大大学院工学研究科内(桂キャンパス)に開設するそうです。コンクリートの中のヒビは、表面からは見えないのでこの技術は重要です。建設から50年近くたって老朽化したインフラも多いので。
 NEXCO西日本と阪神高速道路株式会社は、大学と産業界との共同の研究拠点である「京都大学共同研究講座」制度を活用し、京都大学に「インフラ先端技術共同研究講座」を開設することとなりました。
 高速道路各社は、高速道路の機能を将来にわたって十分に発揮していくために、有識者による検討会を設立して高速道路資産の長期保全及び更新のあり方について方針をとりまとめたところであり、今後はコスト削減へのより一層の取り組みと同時に、きめ細かな点検やモニタリングにより構造物の変状リスクを最小限に抑える必要があります。そこで、共通課題を有するとともに関西圏の道路ネットワークを構成しているNEXCO西日本と阪神高速道路株式会社は京都大学と共同で研究開発を実施することとしたそうです。
共同研究の内容
(1)見えない・見づらい箇所の点検技術
 舗装下のコンクリート床版の損傷やコンクリート内部の鋼材の腐食、コンクリート橋桁端部に代表される狭隘部のように、これまで見えなかった箇所の損傷を最先端の非破壊検査技術によって把握する技術を開発します。
(2)ビッグデータを活用する仕組みづくり、最適なモニタリングのあり方
 国等でも話題となっているビッグデータについて、センサーなどによって構造物から得られる振動や変形などに着目し、管理目的に応じた計測データとその利活用方法を明確にさせ、構造物の異常を速やかに把握する高度な点検・調査システムを構築します。
(3)人材育成支援等
 点検・調査新技術を社員が実際に使用して学べる仕組みづくりや、本講座の研究者らによる研修の実施により、専門技術者の育成に努めます。
共同研究講座による効果
(1)本講座に専任の教員や研究員を迎えることにより、研究開発の促進が図れます。
(2)建設分野だけでなく多分野の研究機関と技術交流を図り、ネットワークを拡大します。
(3)最先端の研究に携わることによる社員の技術力向上だけでなく、他機関との交流によって受ける刺激により技術者意識の向上につながります。
 難しい技術だと思いますが、技術大国日本の力はスゴイと思います。

ほぼゼロの新材で既設路面を補修

2014-04-02 21:56:52 | 日記
 鹿島道路は、新しいアスファルト合材をほとんど必要としない既設路面の補修工法「H&H(ヒート&ヒーリング)工法」を開発し、現道で試験施工を実施したそうです。
 既設路面を加熱して約2cmの深さまでかきほぐした後に、補足材として最大径5mm程度のアスファルト合材を少量まいてレーキでならし、転圧して路面を修復する。既設路面材をそのまま使用する「リサイクル」工法です。切削や廃材処理を必要とせず、1回の重機の走行で施工が終わるそうです。
 鹿島道路が開発した簡易な路面維持工法である「ヒートスティック工法」を改良したそうです。ヒートスティック工法ではかきほぐすまで同じ工程だが、その後に薄層アスファルトを舗設する。そのため、路面が数センチメートル高くなっていました。H&H工法を使用すれば、薄層アスファルト舗装が不要なので、路面の高さは施工前後で変化しない。
 ヒートスティック工法は、一般的な切削オーバーレイ工法と比べて大幅に施工コストを削減できます。H&H工法の施工コストは、そのヒートスティック工法の半分ほどで済むそうです。
 耐久性は舗装の打ち換えと比較して劣るので、使用できる場所は制限されます。例えば、交通量が少ない生活道路で、軽微なクラックや小さな段差、路面の荒れなどの補修への適用が考えられます。鹿島道路は今後、施工コストを抑制できる利点を生かして、自治体へ提案していく方針です。今までの日本のインフラは、道路を補修する考えはあまりなく、新規で建設してきました。借金の多い日本は、定期的に点検して寿命を延ばす事がこれからは重要だと思います。