すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【プレミアリーグ 18/19 第2節】リバプール、苦しみながらも完封勝利 〜クリスタル・パレス 0-2 リバプール

2018-08-23 08:54:14 | イングランド・プレミアリーグ
老将ホジソンが繰り出す2つの策

 クリスタル・パレスのロイ・ホジソン監督は、このホーム戦にあたり2つの策を講じてきた。前からのプレッシングと敵のビルドアップ封じである。実際、リバプールは立ち上がりから前での圧力に悩まされた。また4-4-2でワイドに開くパレスのSHにフタをされ、リバプールの両SBはいつもの高く張り出すビルドアップを実行できない。

 それでも苦しめられたリバプールは2つのカウンターからキッチリ2点を取り、完封で勝ち切るあたりはさすが。内容が悪いながらも勝つ。それがプレミアのトップ6と下位との違いなのだろう。

 リバプールのフォーメーションはおなじみの4-1-2-3。スタメンも前節の開幕戦とまったく同じだ。GKがローマから新加入のブラジル代表アリソン・ベッカー。最終ラインは右からアーノルド、ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。

 中盤3センターはアンカーにワイナルドゥム、右インサイドMFはミルナー、左インサイドMFはRBライプツィヒから新加入のギニア代表ケイタ。3トップは昨季得点王のサラーと偽9番のフィルミーノ、セネガル代表のマネである。

 さてホジソン監督が取ったプランAにより、この試合は攻守がめまぐるしく入れ替わるテンポの速い立ち上がりになった。

 パレスが前からプレッシングしてくるため、ゲーゲンプレッシングが売り物のはずのリバプールはボールを失うとリトリートし、ミドルサードに4-4-2のブロックを作った。クロップ監督がひねり出したプランBだ。左WGのマネが1列下がり4-4のゾーン設定に加わっている。以後、リバプールはこのブロック守備とハイプレスを併用することになった。

 それを見たパレスはすかさず相手ボールになれば、自陣にリトリートして4-4-2のブロックを作るようになる。プランCである。こんなふうにこの試合は、ホジソンとクロップによる狸と狐の化かし合いが刺激的だった。

ビルドアップを封じられたリバプール

 前半15分以降、自陣に引いたパレスがリバプールにボールを持たせ、カウンターを狙う展開になる。ボールを保持するリバプールは右インサイドハーフのミルナーがポジションチェンジしたり、CBとSBの間に下りてきたりするが、SBの上がりを封じられてビルドアップがうまく行かない。

 次第にリバプールは、パレスの守備ブロックの外側をUの字型にボールを回すだけになる。どうしてもブロックの中に入って行けない。悪い兆候だ。

 前半24分にはケイタのバックパスのミスから、パレスにシュートまで持って行かれる。あのバーを叩いた一発がもし入っていれば、試合はどうなっていたかわからなかった。

 だが結局、先制したのはリバプールだった。前半45分だ。ゴール前でDFを背負いボールキープしたサラーが足を引っ掛けられてPK。決めたのはミルナーだ。リバプールは苦しめられているだけに、このPKはまさに天の助けだ。

 続く後半48分には、マネが決めた。パレスのCK崩れから、カウンターでサラーがマネにパス。するとパレス陣内には無人の広大なスペースが広がっている。完全にスペースに抜け出したマネがドリブルで追いすがるマーカーの軌道にうまく入って走るコースを遮り、最後はボールをゴールに沈めた。

 リバプールはいつものスペクタクルな「自分たちのサッカー」はできなかったが、強引にパワーで押し切った。強者の証だ。ただしパレスが見せたリバプールのSB封じは他チームの参考にもなるだろう。シーズンはまだ長い。リバプールは今後、どんな対抗措置を取ってくるのだろうか。

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【プレミアリーグ 18/19 第2節】チェルシーのパスワークが冴え渡る 〜チェルシー 3-2 アーセナル

2018-08-21 09:08:46 | イングランド・プレミアリーグ
サッリ監督のチーム作りが着々と進む

 ギクシャクした前節とはまるで別人のようだった。ビッグ・ロンドンダービーを迎え、立ち上がりからチェルシーはパスがよく噛み合いスムーズに冴え渡る。マンCばりにパスワークが速い。特に前半は1タッチ、2タッチのボール運びでアーセナルを圧倒、完全に試合を支配した。

 だがバイタルが空くのをアーセナルが見逃さず、前半終了間際に立て続けに2本のクリーンシュートを放ち同点に。これでアーセナルはすっかりパスワークが復活し、試合は均衡したが、意地のシーソーゲームを最後に制したのは、やはりチェルシーの一発だったーー。

 チェルシーのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンは前節とまったく同じ不動のメンバーだ。GKがケパ。最終ラインは右からアスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、アロンソ。中盤はアンカーにナポリから新加入のジョルジーニョ。右インサイドMFはフランス代表のカンテ。左インサイドMFにバークリー。3トップは右からペドロ、モラタ、ウィリアンだ。

 試合が動いたのは立ち上がりの前半9分。チェルシーが先制した。左SBのアロンソが同サイドのウィリアンにボールをあずけ、左のタッチライン際を直進。その間にボールはウィリアンからセンターのジョルジーニョへとリズミカルに移動し、サイドのアロンソにまた戻ってくる。最後はそのアロンソがボールをゴール前に入れ、あとはペドロがダイレクトでシュートを決めるだけだった。

 一方のアーセナルはボールを持ってもそのたびに立ち止まり、パスの出し所をいちいち探すありさま。各駅停車だ。かたやチェルシーにはそんなシーンはまるでなく、滑らかに特急クラスのボールが繋がって行く。すべてのパスが有機的だ。リズムが悪かった開幕戦から、たった1週間でここまで仕上げてくるとはサッリ監督はやはり名将だ。

 特にチェルシーは左SBのアロンソと左WGウィリアンのコンビネーションが抜群で、左サイドを完全に蹂躙している。

 続く前半20分。右SBのアスピリクエタからCFのモラタにライン裏を狙う長い縦パスが入り、モラタがマーカーと競り合いながら最後は独走し完璧なゴール。チェルシーが2-0と突き放し、これで早くも勝負あったかと思われた。

アーセナルが意地の反撃、試合は混沌

 ところが前半37分、アーセナルはムヒタリアンがチェルシーのバイタルエリアがぽっかり空くのを見逃さず、ゴール正面からフリーでシュート。続く前半41分にはムヒタリアンの右からのクロスに合わせ、同じくゴール正面でアレックス・イウォビがクリーンなゴール。アーセナルがたちまち2-2と同点に追いついた。

 チェルシーはゴール前にスペースが空くところを狙われている。アーセナルはこの2点の追撃でメンタルがすっかり上がり、きれいにパスが繋がるようになる。攻守の切り替えの遅さも見違えるように改善された。

 後半に入り、チェルシーのボールになると、それまでと違いアーセナルはリトリートして自陣にがっちりブロックを組むようになった。アウェイで同点だし、固く行く狙いなのか?

 だがそんなアーセナルのシナリオに敢然とダメ出ししたのが、途中出場したベルギー代表のエース、チェルシーの10番エデン・アザールだった。

 後半36分、左サイドをそのアザールがドリブルし、タメを作って精度の高いマイナスのセンタリングを入れる。受けたアロンソはダイレクトで見事に仕上げた。これで3-2。チェルシーのリードだ。

 追い詰められたアーセナルはそれまでのブロック守備から積極的なハイライン・ハイプレスに切り替えたが、時すでに遅し。試合はそのままチェルシーが押し切った。

 たった1週間でチーム作りを追い込むサッリ監督の手腕はさすが。途中追いつかれたものの、最後は突き放すチェルシーの勝負強さが光った一戦だった。

 かたやアーセナルは猛然と追い上げたあたりに強豪の片鱗が見えた。結果はなかなか出ないが、若いフランス人セントラルMF、マッテオ・グエンドウジが頭角をあらわすなど徐々にチームは上向きになっている。新任のエメリ監督は焦らず1歩1歩進んでほしい。幸運を祈りたい。

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【プレミアリーグ 18/19 第1節】マンCがハイプレスと速いパスワークで圧倒 〜アーセナル0-2マンチェスター・シティ

2018-08-18 12:26:59 | イングランド・プレミアリーグ
連携と機動性が完ペキだ

 ペップのマンチェスター・シティは立ち上がりから、相手ボールになればハイプレス、ボールを奪えば速いパスワークでアーセナルにまったくサッカーをさせなかった。完勝だ。高いポゼッション率でほぼ90分間、アーセナルを自陣に押し込めた。いやはや、ペップの魔術は恐ろしい。

 マンCのスタメンはGKがエデルソン。最終ラインは右からウォーカー、ストーンズ、ラポルト、メンディ。中盤はベルナルド・シウバにフェルナンジーニョ、ギュンドアン。最前線はレスターから新加入したリヤド・マレズ、アグエロ、スターリングだ。

 シティはビルドアップ時、左SBのメンディを高く上げて3バックの形を取る。これでアーセナルの2トップによるプレスをかわし、中盤の底ではフェルナンジーニョがバランスを取る。前ではマレズを右サイドに張り出させるのが基本形だ。

 左SBのメンディは非常に攻撃的で、ビルドアップ時だけでなくマイボール時はほとんど高い位置にいる。実際、彼が多くのチャンスを作り出していた。

精巧な高速パスワークが光る

 シティの選手はみんな体のキレが非常によく、フィジカルがトップモードで仕上がっている。それだけでなくパスワークが「光速」と言っていいほど強くて速い。選手間の連携がガッチリ噛み合い、全員が動くべきところに素早く移動する。とんでもなく機動的なサッカーだ。

 そんなメカニカルな機動力でアーセナルをかき回すと、早くも前半14分。マレズのクロスのこぼれ球をメンディが拾い、パスを受けたスターリングがバイタルエリアを左から右にスルスルとドリブルして右足を一閃、先制点を奪う。そして後半19分には、メンデイからの折り返しをベルナルド・シウバがダイレクトで見事シュートし試合を決めてしまった。

 相手が悪かったとはいえ、それでも強豪のはずのアーセナルはほとんどいいところなし。今季、ベンゲルの長期政権を継いだばかりのウナイ・エメリ監督の苦悩はしばらく続くのだろうか。

 それにしてもこの試合、シティの精巧でスピーディなパスワークには思わず唸ってしまった。ライバルのチェルシーは名将サッリが就任したてでチーム作りが出遅れているだけに、今シーズンの走りは緻密なシティをパワーのリバプールが追う展開になりそうだ。

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【プレミアリーグ 18/19 第1節】未完のチェルシー 〜ハダースフィールド 0-3 チェルシー

2018-08-16 13:55:03 | イングランド・プレミアリーグ
点差ほどの差はなかった

 ナポリからサッリ監督が就任して間もないチェルシーは苦しみながらも勝ち切った。ハダースフィールドの激しいハイプレスの前にビルドアップを寸断され、前半は苦しい展開に。それでも3点を取る地力はさすがだが、彼らはチーム作りにもう少し時間がかかりそうだ。

 チェルシーのフォーメーションは4-3-3。GKは移籍したクルトワの後釜にビルバオから新加入したスペイン代表のケパ。最終ラインは右からアスピリクエタ、リュディガー、ルイス、アロンソ。中盤はアンカーにナポリから新加入のジョルジーニョ。右インサイドMFはフランス代表のカンテ。左インサイドMFにバークリー。3トップは右からペドロ、モラタ、ウィリアンだ。

 チェルシーのビルドアップはCBやSBからセントラルMF経由が多い。中央重視だ。時おり左インサイドMFのバークリーがCBとSBの間に下りてくる。サイドに低い位置で基点は作っても、SBを高く上げるようなサイド攻撃はあまりしない。むしろビルドアップ時には両WGがサイドに開き、パスの受け皿を作っている。

 ただこのゲームでは、チェルシーのビルドアップの局面でハダースフィールドが猛烈なハイプレスをかけてきたため組み立てが混沌とした。スペースがないのでパスを受ける際には繊細なファーストタッチが要求されるが、そこでチェルシーの選手たちは前を向かせてもらえず四苦八苦した。

 かたやハダースフィールドを指揮するワグナー監督は、ドルトムントでクロップのアシスタントをしていただけあって智将の雰囲気が漂う。ハイプレスをあやつり前から圧力をかけるゲームプランが奏功し、特に前半は33分に失点するまで完全にハダースフィールドのゲームだった。

 彼らは3バック(5バック)でウイングバックを有効に使い、ハイプレスをかけたかと思えば自陣に押し込まれるとディフェンディングサードにコンパクトなローブロックを作る守備をする。

アクシデントに近い1点目で試合は決まった

 均衡が破れたのは一種の事故だった。前半33分、チェルシーのペドロが真ん中のフリースペースをドリブルで攻め上がり、左のウィリアンにパス。ウィリアンが左サイドで1人かわしてマイナスのクロスを入れ、ファーサイドでカンテがダイレクトでゴールした。

 ハダースフィールドはペドロのドリブルの直前にプレッシングの関係で陣形が(彼らから見て)左寄りになってしまい、中央にスペースを空けてしまったためそのスペースをペドロにドリブルでうまく使われた。続く前半44分にはジョルジーニョがPKを沈め、チェルシーが2点リードし前半を折り返す。あとから見れば試合の趨勢は、アクシデントに近い1点目で決まってしまったようだ。

 後半、ハダースフィールドはハイプレスをやめ、相手ボールになるとリトリートしてディフェンディングサードにブロックを作ることが多くなる。こうなればチェルシーは喉から手が出るほど欲しかったスペースが得られ、高い位置でラクにボールを回せるようになった。これでチェルシーのペースに変わった。ただチェルシーはポゼッション率が高く点も取れたが、内容的には点差ほどの開きはなかった。彼らは組織の構築にまだ時間が必要だろう。

 一方、ハダースフィールドの課題はフィニッシュだ。ハイプレスでせっかくボールを奪っても攻撃の枚数が足りず点が取れない。初失点の直後にポストを叩いた惜しいシュートがあったが、もしあれが決まり同点になっていれば試合はどうなっていたかわからない。フィニッシュさえ変われば彼らは台風の目になるかもしれない。さて両チームは今後、修正点をどう克服するのだろうか。目が離せない。

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【プレミアリーグ 18/19 第1節】リバプールのスペクタクル劇に唖然 〜リバプール 4-0 ウェストハム

2018-08-15 11:53:44 | イングランド・プレミアリーグ
超絶3トップが大爆発

 マネが2得点、サラーが1得点とリバプールが誇る強力3トップが威力を見せつけた。リバプールは高いボールポゼッションとゲーゲンプレッシングでウェストハムを終始圧倒。ペジェグリーニの野望を自陣に押し込み続けた。「昨季王者のマンチェスター・シティを倒すのは俺たちだ」とクロップが堂々名乗りを上げた一戦だった。

 リバプールのフォーメーションは4-3-3。スタメンはまずGKがローマから7250万ユーロで新加入のブラジル代表アリソン・ベッカー。彼の昨シーズンのセーブ率はセリエAトップのなんと79.3%だ。

 以下、最終ラインは右からアーノルド、ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。中盤3センターはアンカーにワイナルドゥム、右インサイドMFはミルナー、左インサイドMFはRBライプツィヒから新加入のギニア代表ケイタ。目玉の3トップは昨季の得点王で年間MVPのサラーと、偽9番のフィルミーノ、セネガルの暴虐王マネである。

ゲーゲンプレッシングでボールを即時奪回

 リバプールは前半から主導権を握り、ウェストハムを自陣に縛り付けた。速いパスワークからいち早くアタッキングサードにボールを送り込み、あとは3トップによるスペクタクル劇場が始まる。

 フィニッシュは個による突破や中央でのワンツーのほか、サイドからのクロスが特に多い。前でボールを失えば素早く攻守を切り替え、ゲーゲンプレッシングでボールの即時奪回を狙う。

 相手の攻撃になると、リバプールの3トップは前に攻め残り気味で次のカウンター攻撃に備える。基点を作る狙いだ。そのため自陣で守備しているときの全体のゾーンはそうコンパクトではない。

 リバプールのビルドアップはオーソドックスに2CBから高い位置取りをしたSBへのサイド経由と、セントラルMF経由の2ルートがある。両SBとも攻撃参加するが、特に右SBのアーノルドはポジショニングが高く攻撃的だ。またSBから逆サイドに張ったWGへの大きく正確な斜めのサイドチェンジも効いていた。

 中盤ではケイタが幅広く動いてボールを引き出す。チームの潤滑油になる非常にいい選手だ。周囲との連携がなめらかに取れており、とても新加入とは思えない。またアンカーのワイナルドゥムは真ん中低めで全体のバランスを取り、右インサイドMFのミルナーはウイング的に右サイドへ張り出して前進する。

 一方のウェストハムはゾーンをコンパクトに保った低い位置でのブロック守備から、ひたすらカウンターを狙う。ただビルドアップ時に中盤まではボールを引き出すものの、そこでボールロストしてしまいなかなかフィニッシュに行けない。前でもうひとひねり欲しい感じだ。

ダイレクトプレーが続いた劇的な2点目

 試合が動いたのは早かった。前半19分のリバプールの1点目は、ケイタのうまい動きから生まれた。フリーでバイタルエリアに侵入した真ん中の彼に、右SBのアーノルドからダイアゴナルな素晴らしいパスが通る。

 すかさずケイタは左サイドを上がったSBロバートソンにパス。最後はサイドからそのロバートソンがGKと最終ラインの間に強くて速いグラウンダーのラストパスを送る。シュートしたサラーはダイレクトで触るだけだった。ウェストハムはアンカーがボールウォッチャーになり、ケイタにフリーでバイタルエリアに入られたのが致命傷になった。

 そしてリバプールが取った4得点のうち、最も印象的だったのは前半47分にマネが奪った2点目だった。

 左サイドからロバートソンが入れたクロスを、右にいたミルナーが倒れながらダイレクトで真ん中へ折り返し。それを中央のマネがダイレクトで決めて見せた。ダイレクトプレーが2つ続いたダイナミックで劇的な、まさにリバプールのチームカラーを象徴するかのようなゴールだった。

 ザ・スペクタクル。それがリバプールである。

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【プレミアリーグ 18/19 第1節】FW武藤嘉紀は新天地で輝けるか? 〜ニューカッスル 1-2 トッテナム

2018-08-12 12:04:50 | イングランド・プレミアリーグ
開幕戦はセカンドトップで途中出場

 今夏、プレミアリーグのニューカッスルに移籍したFW武藤嘉紀は、11日の開幕戦で途中出場ながらデビューを飾った。1点リードされた状態でセカンドトップに入った武藤は、トッテナムのビルドアップの局面でボールを保持する敵CBにスプリントでプレッシングするなどチームを鼓舞し、試合の雰囲気を一変させた。果たして武藤は新天地で輝けるのか? ゲーム内容を見ながら考察して行こう。

 ラファエル・ベニテス監督が指揮を取るニューカッスルは、あえてカテゴライズすれば堅守速攻カウンターのチームだ。ゾーンをコンパクトにしてボールを奪うと、縦に長いクサビのボールを入れたり、サイドからのクロスでフィニッシュへ行く。

 とはいえロングボール一辺倒では決してなく、ショートパスでビルドアップも試みるが、そこでイージーミスして簡単にボールを失うシーンが散見された。おそらく本来は直接前線を狙うダイレクト攻撃のチームだが、ベニテス監督が緻密なビルドアップを仕込んでいる最中なのかもしれない。

 とすればビルドアップ時のパスの精度を上げ、まずミスをなくすことが重要だ。そうすればボールをもっと保持できるため、ミスによるボールロストから守備に追われることもなくなる。必要な時にはポゼッションもでき、攻めのバリエーションが増すだろう。

 またこの日の開幕戦では慎重な試合の入りをしたのだろうが、今後はもっとインテンシティを高め、さらにプレースピードを上げる必要性も感じられた。これで攻守の切り替えを速くし、持ち前の鋭いカウンターを繰り出したい。

武藤はどう機能するか?

 では武藤はこのチームで何をやるべきか? 彼はどう機能するのだろうか?

 この日、ニューカッスルのFWホセルは前半11分、右サイドからのクロスをヘッドで合わせてゴールに叩き込んだ。チームのフィニッシュはああいう速いクロスに合わせる形が多いことが予想される。とすれば武藤はまずクロスが入ってくればこれを取りこぼさないこと。高い確率で決めることが求められる。彼はクロスには強いのでできるはずだ。

 また縦に入ってくる長いクサビのボールをしっかり収め、いったん周囲にはたいてスプリントしゴール前に詰めて行くような動きも必要だろう。開幕戦を見る限り、ニューカッスルはこの縦パスをロストするケースが多いだけに重要である。敵DFにプレスを受ける中、強くて速いクサビを処理できるか? ここは勝負だ。

 ポジション的にはベネズエラ代表FWの重戦車サロモン・ロンドンが最前線で張り、その下に武藤が入るような形が予想されるが、武藤はサイドもできるのでベニテス監督にとっては選択肢は多いだろう。長身スペイン人FWのホセルもライバルだが、武藤のように俊敏でスピードのある献身的なタイプはいないのでアピール度は高い。今シーズンの武藤に期待しよう。

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