敵を置き去りにする切り替えの速さ
チェルシーの特徴は2タッチ以内のスピーディなパスワークと、ボールを失ってからの切り替えの早さ、それとボールを奪ってからの切り替えの早さだ。これらの土台の上に、ドリブルでリズムを変えられるエデン・アザールの個人技が大輪の花を咲かせている。この試合も、そんな彼らの個性が遺憾なく発揮されたゲームになった。
チェルシーのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンはGKがケパ。最終ラインは右からアスピリクエタ、リュディガー、ダビド・ルイス、マルコス・アロンソ。中盤3センターはアンカーにジョルジーニョ、右にカンテ、左にバークリー。3トップはウィリアン、ジルー、アザールだ。
試合の立ち上がりから、サウサンプトンの最終ラインはチェルシーの攻撃を恐れてズルズル下がり深くなる。ほぼ5バック状態だ。設定ゾーンが低すぎ、仮にボールを奪っても出しどころがない。で、またボールを奪われる。必然的にハーフコートマッチの様相を呈してくる。試合開始からたった10分で、だいたいどんなゲームになるかは想像がついた。
試合が動いたのは前半30分。前がかりになったチェルシーは、ボックス手前でいったんボールを失った。だが彼らは素早いネガティブ・トランジションからバークリーがサウサンプトンのボールホルダーにプレスをかけ、たった3秒でボールを奪い返す。
このときサウサンプトンの最終ラインは、味方がボールを奪った瞬間、「さあ攻撃だ」とラインを上げかけていた。その次の瞬間にすぐボールを奪い返され、完全にフリーズし足が止まってスキができた。
そこを見逃さずゴール前で、どフリーになったアザールにラストパスが出る。彼は軽くワントラップし、慎重に狙いを定めてボールをゴールに沈めた。先制点である。
31本のパスをつないだ3点目
チェルシーは完全に前がかりになり、たびたびサウサンプトンのボックス内でミニゲームをやっているような状態になる。サウサンプトンとすれば、修正が必要だ。そこで彼らは後半開始と同時に4バックに変え、攻撃のタクトを振れるMFオリオル・ロメウを投入する。
これでサウサンプトンは最終ラインを上げ、やっと中盤でボールをキープできるようになったが、それもつかの間。後半12分に2点目を食らって水泡に帰した。
そして大団円の後半48分には、圧倒的なチェルシーのゴールショーが待っていた。なんと彼らは31本のパスをつなぎ、最後はアザールから途中出場のモラタにラストパスが出て完全フリーの状態でシュートが決まった。サウサンプトンの守備陣を完全に崩し切った遅攻からのゴールだった。
これで第8節が終わり、マンチェスター・シティとチェルシー、リバプールの3チームが勝ち点20できれいに並び、得失点差でシティが首位に立った。いちばん美しいのはチェルシーで、力強さならリバプール、最もシステマチックなのがマンCだ。芸風が見事に異なり、それぞれの個性を味わえるのも見どころのひとつである。はてさて、いったいどこが最後に美酒に酔うのだろうか?
チェルシーの特徴は2タッチ以内のスピーディなパスワークと、ボールを失ってからの切り替えの早さ、それとボールを奪ってからの切り替えの早さだ。これらの土台の上に、ドリブルでリズムを変えられるエデン・アザールの個人技が大輪の花を咲かせている。この試合も、そんな彼らの個性が遺憾なく発揮されたゲームになった。
チェルシーのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンはGKがケパ。最終ラインは右からアスピリクエタ、リュディガー、ダビド・ルイス、マルコス・アロンソ。中盤3センターはアンカーにジョルジーニョ、右にカンテ、左にバークリー。3トップはウィリアン、ジルー、アザールだ。
試合の立ち上がりから、サウサンプトンの最終ラインはチェルシーの攻撃を恐れてズルズル下がり深くなる。ほぼ5バック状態だ。設定ゾーンが低すぎ、仮にボールを奪っても出しどころがない。で、またボールを奪われる。必然的にハーフコートマッチの様相を呈してくる。試合開始からたった10分で、だいたいどんなゲームになるかは想像がついた。
試合が動いたのは前半30分。前がかりになったチェルシーは、ボックス手前でいったんボールを失った。だが彼らは素早いネガティブ・トランジションからバークリーがサウサンプトンのボールホルダーにプレスをかけ、たった3秒でボールを奪い返す。
このときサウサンプトンの最終ラインは、味方がボールを奪った瞬間、「さあ攻撃だ」とラインを上げかけていた。その次の瞬間にすぐボールを奪い返され、完全にフリーズし足が止まってスキができた。
そこを見逃さずゴール前で、どフリーになったアザールにラストパスが出る。彼は軽くワントラップし、慎重に狙いを定めてボールをゴールに沈めた。先制点である。
31本のパスをつないだ3点目
チェルシーは完全に前がかりになり、たびたびサウサンプトンのボックス内でミニゲームをやっているような状態になる。サウサンプトンとすれば、修正が必要だ。そこで彼らは後半開始と同時に4バックに変え、攻撃のタクトを振れるMFオリオル・ロメウを投入する。
これでサウサンプトンは最終ラインを上げ、やっと中盤でボールをキープできるようになったが、それもつかの間。後半12分に2点目を食らって水泡に帰した。
そして大団円の後半48分には、圧倒的なチェルシーのゴールショーが待っていた。なんと彼らは31本のパスをつなぎ、最後はアザールから途中出場のモラタにラストパスが出て完全フリーの状態でシュートが決まった。サウサンプトンの守備陣を完全に崩し切った遅攻からのゴールだった。
これで第8節が終わり、マンチェスター・シティとチェルシー、リバプールの3チームが勝ち点20できれいに並び、得失点差でシティが首位に立った。いちばん美しいのはチェルシーで、力強さならリバプール、最もシステマチックなのがマンCだ。芸風が見事に異なり、それぞれの個性を味わえるのも見どころのひとつである。はてさて、いったいどこが最後に美酒に酔うのだろうか?