すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】秘密兵器・FW小林悠を積極的に使うべきだ

2017-01-03 07:21:13 | サッカー日本代表
技術とスピード、キレが一級品

 鹿島アントラーズと川崎フロンターレが戦った天皇杯決勝を見て、FW小林悠(川崎)のキレっぷりに驚いた。日本代表におけるプレイとのあまりの落差にビックリしたのだ。

 まあ小林は代表ではロシアW杯最終予選・オーストラリア戦でスタメンを取ったくらいで、あとは試合終了間際に交代出場する程度だからあまりインパクトがないのも当然だ。なんせ代表で同じ右サイドを争うのは本田だから、出場機会が少ないのも仕方ない。

 だが本田は所属チームで試合に出ておらず、もうずっとコンディションが悪い。ならば今年は小林を積極的に使ってもいいのではないか? 右サイドからカットインしてFW的にシュートも期待できる彼は非常に魅力的だからである。

 あの天皇杯決勝。小林はチーム唯一の得点を叩き出したが、シュートに行くまでの「仕込み」が秀逸だった。

 後半8分、ゴール前で小林の足元に縦パスが出てきた。小林がトラップすると判断した鹿島のCB昌子は前に出てプレスをかけに行く。それを見た小林はとっさに縦パスをスルーした。すると昌子が前へ出たぶん、鹿島の最終ラインにはSBとCB植田の間にぽっかりスペースができている。つまり小林は昌子を食いつかせ、ゾーンに穴を空けさせたのだ。

 で、小林はスルーした次の瞬間、すかさず体をかわして昌子がもといたゾーンの穴に飛び込む(このとき昌子は前に出たまま完全に取り残されている)。そこへ途中出場した三好がポストプレイからラストパスを出し、受けた小林は矢のようなシュートをゴール左スミに決めた。

 縦パスをトラップすると見せかけて昌子を食いつかせ、スルーするや瞬時に昌子が空けたゾーンのギャップに入り込んだプレーはすばらしかった。絵に描いたようなオフ・ザ・ボールの動きだった。

 このほかにも小林は前半にエウシーニョのポストプレイからビッグチャンスをつかんだが、シュート態勢が微妙に崩れて決められなかった。また後半19分にはカウンターから右サイドを縦に抜け出し、寄せてきた敵DFを切り返しでかわし左足で鋭いシュートを放ったが、ポストを直撃した。小林はこの2つの決定機を決めていればハットトリックを達成し、フロンタ−レの優勝に貢献していただろう。まちがいなくMVPである。

 小林はあの2つを決められるようになれば、日本代表でも本田を蹴落としてレギュラー確定だろう。それだけ可能性のある選手だし、将来性豊かだ。スピードがあり、キレもいい。

 代表の右サイドはもうずっと本田が君臨しているが、コンディションの悪い選手がレギュラー安泰というのはありえない。このさいハリルは右サイド要員をゼロベースで見直し、小林をスタメンで使ってもいいのではないか? サイドもできる攻撃的な武藤と右SB内田もケガから復帰したことだし、今年の日本代表はおもしろくなりそうだ。

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