レディオヘッドは確かに飛び抜けているが……
私がふだん書いている記事を読めばわかると思うが、私の脳内は音楽的には70年代で完全に時間が止まってしまっている。
80年代に入り、あの大嫌いな「打ち込み」なるものが登場してからというもの、すっかり以後の音楽を聴かなくなった。なので私の脳には、70年代を含めそれ以前の音楽こそが「最高のもの」としてしっかりと刻まれている。
で、「これではいかん」「進取の気性がなければ」と思い立ち、最近、「90年代のロック 種類」とか「オルタナティヴロック」のようなバカみたいなキーワードで検索しては、出てきたバンドの音を片っ端から聴いてみたのだ。
ちなみに私はストリーミング・サービスの「Amazon Music Unlimited(HD)」に加入している。これを使えば「iTunes時代」みたいに曲の一部だけじゃなく、全部すべて聴けるのだ。例えば特定アーチストがリリースした彼らの全アルバムを全曲すべて聴ける。
仕組みは、まずネットにつながった「Amazon Music HD」のアプリ上でネット検索し、お目当てのアーチストを探し出す。するとそこには彼らの全作品がズラリと並んでる。
つまり片っ端からそれらを全部聴けるわけだ。月額・定額の1000円ぽっちで。もちろん「曲数制限」なんてない。無限にいくら聴いても1000円ですむ。つまりCDはもう買わなくていい時代なのだ。
で、実際に音を聴いて行くと……さすがにレディオヘッドとかレニー・クラヴィッツあたりは「言うだけのことはあるな」と思わされた。だがそのほかはもうカスばかりで参ってしまった。
一発屋ばかりでロクなのがない
たとえば世界中でグランジ・ムーブメントを巻き起こした有名なNIRVANA(ニルヴァーナ)だって、結局、アメリカのビルボードでナンバー1になった2ndアルバムの「ネヴァーマインド(Nevermind)」(1991年)ありきだ。
ぶっちゃけ、端的に言えば「アレだけじゃん」って感じがする。
しかもあの盤だって大ヒットした楽曲「Smells Like Teen Spirit」(スメルズ・ライク・ティーン・スピリット)が飛び抜けて「いい」だけで、あとはあんまり……。これは好みの問題なのか?
そもそもニルヴァーナのオリジナル・アルバムは3枚しかない。うち1st盤の「Bleach(ブリーチ)」(1989年)とサード盤の「In Utero(イン・ユーテロ)」(1993年)は、私の体感では「まぁまぁかな?」程度だ。
つまり彼らのアルバムを順ぐりに聴いて行くと、どうも(ネヴァーマインドを除き)質がそう高くなく「これならブラックサバスの方がぜんぜんカッコいいやん」みたいな印象を受ける。だって実際あのヴォーカルって、まんまオジー・オズボーンじゃない?
オアシスの2nd盤「モーニング・グローリー」は確かにいい
あと1991年に結成され、2009年に解散したイギリスの有名バンド・オアシスはどうか? 2ndアルバム「モーニング・グローリー」(1995年)に関しては、確かに「さすがなかなかやるな」とは思った。てか私でさえこれ聴いたことあるし。
実際、本盤はUKチャートで1位になり、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が持っていた英国アルバム売り上げ記録を30年ぶりに破った逸品だ。
特に3曲目の「ワンダーウォール」と4曲目「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」は、誰が聴いても「いい」って言うよねぇ。これは確かに認めます。はい。
あと3rdアルバムの「ビィ・ヒア・ナウ」(1997年)は、まあ悪くはないけど……。ううんー、ってところだ。あとの作品はまぁ……察してください。
アラニス・モリセットと「Third Eye Blind」は耳に残ったが……
そのほかはカナダの女性シンガー・ソングライターのアラニス・モリセットと、1990年代初期に結成されたアメリカのオルタナバンド「Third Eye Blind」が耳に残った。ただ少し掘り下げて各アルバムを聴くと、典型的な一発屋にすぎない。
前者のアラニス・モリセットは、実質、世界デビューになった大ヒット3rd盤「Jagged Little Pill」が超絶的にいいだけで、あとのアルバムはかなり見劣りする。
他方、「Third Eye Blind」も歴史的デビューアルバムになったバンド名と同名の1stアルバム「Third Eye Blind」がとんでもなく「いい」だけで、2枚目以降はごく平凡だ。
結局、検索して特定のアルバムを「いい!」と思っても、こんな結果に終わってしまう。かくて私の脳内音楽ライブラリは、今日もいっこうに広がらない。
まぁ、こんな短期間で「世のオルタナを全部聴く」なんて物理的に無理だ。よって隠された逸品がまだまだあるかもしれない……。よし、それならひとつ、この企画を継続し捜索作業を続けるとしよう。うんうん。
では次回をお楽しみに。