アルビレックス新潟のエース、移籍は成功するか
私は6月4日付の記事『新潟MF伊藤涼太郎、シント=トロイデン移籍へ』のなかで、伊藤の海外移籍について触れた。
そして「難しいのは『25歳』という伊藤の年齢である。シント=トロイデンを経由して5大リーグへ行くには年を取りすぎている。例えばシント=トロイデンから1~2年後に早くも5大リーグへ移籍、などというコースでなければステップアップも考えにくい」と書いた。
つまりシント=トロイデンを経て更なるステップアップをするには、25歳では遅いのではないか? というわけである。
ちなみにちょっと舌足らずだったが、私が5大リーグと書いたのはマンCやバルセロナ、バイエルンなどのことを指している。それらをイメージして「ステップアップ」と書いた。つまり厳密に言えば5大リーグの有名クラブのことだ。
ところがその後、私のこの論旨と真逆の内容の記事が相次いでアップされたので、ちょっと反論してみることにした。
ネットと映像があるから25歳は遅くない?
一本目は6月6日付の、西部謙司氏による記事『“今季前半のMVP級”伊藤涼太郎、わずかブレイク半年で欧州移籍の意味 5大リーグへのステップアップも近いか』(FOOTBALL ZONE)だ。
西部氏はこの記事のなかで、ネットと映像を使ってスカウティングすることによって移籍が早期に成立するケース「だけ」をもってして、「25歳でもステップアップは遅くない」という意味のことをお書きになっている。
だが移籍は映像だけでなく、縁もあればクラブの財政状態や、受け入れるクラブの成績、タイミング等、無数の要素によって左右されるケースも当然ある。
つまり「映像を見た」だけで、必ずしも移籍が成り立つわけじゃない。
ならば折悪しく縁がなく、時間がかかる移籍も当然あるだろう。つまり5大リーグの有名クラブへ更なるステップアップをするには、25歳での移籍で必ずしも間に合うとは限らないのだ。
スタッド・ランスは双六の「上がり」じゃない
そして二本目は6月8日付の、元川悦子氏による記事『【伊藤涼太郎の海外移籍(2)】遠藤航、伊東純也に続く25歳での欧州挑戦。早期ステップアップの指標の一つとなるのは、ベルギーから躍進した三笘薫』(サッカー批評Web)である。
元川氏はこの記事のなかで、「20代半ばで渡欧したのは、シュミット、遠藤航、伊東純也(スタッド・ランス)、古橋亨梧(セルティック)など限られた面々しかいない」と記述された上で、だが彼らは成功しているのだから25歳は遅くない、という意味のことをお書きになっている。
けれどもシュミットは未だに「シント=トロイデン止まり」だし、遠藤は「シュツットガルト止まり」、古橋は「セルティック止まり」である。また日本であれほど大絶賛されている伊東ですら「スタッド・ランス止まり」なのだ。PSGじゃない。
彼らは20代半ばで移籍して「トップに立った」とは言えない。
つまり彼らは道半ばであり、25歳での移籍が遅いかどうか? は彼らの今後次第ということになる。まだ結論は出ていない。
以上のように、海外移籍において25歳という年齢はやはり微妙なところなのだ。
主観的には成功を願っているが、客観的には……
いや私が、「伊藤はシント=トロイデンを経由して5大リーグへ行くには年を取りすぎている」と書いたのは、もちろんそう願ってのことではない。
むしろ主観的には「成功してほしい」と強く思っているし、だがしかし客観的に見れば「う-ん、微妙だなぁ」というお話なのだ。
そもそも私は今季のJ1リーグの第1節を全試合観て、伊藤涼太郎のプレーを初めて目の当たりにした。そして今季を展望する『【J1リーグ・2023】優勝争いは横浜FM-川崎Fの変わらぬ構図だーー横浜FMの開幕戦以外、おもしろい試合がない』という記事を書いた。
その記事のなかで、「唯一、『おもしろい』と思ったのはアルビレックス新潟のサッカーだった」と書いたのはほかならぬ私なのだから、伊藤の成功を願っていないわけはないのだ。
がんばってほしい。
私は6月4日付の記事『新潟MF伊藤涼太郎、シント=トロイデン移籍へ』のなかで、伊藤の海外移籍について触れた。
そして「難しいのは『25歳』という伊藤の年齢である。シント=トロイデンを経由して5大リーグへ行くには年を取りすぎている。例えばシント=トロイデンから1~2年後に早くも5大リーグへ移籍、などというコースでなければステップアップも考えにくい」と書いた。
つまりシント=トロイデンを経て更なるステップアップをするには、25歳では遅いのではないか? というわけである。
ちなみにちょっと舌足らずだったが、私が5大リーグと書いたのはマンCやバルセロナ、バイエルンなどのことを指している。それらをイメージして「ステップアップ」と書いた。つまり厳密に言えば5大リーグの有名クラブのことだ。
ところがその後、私のこの論旨と真逆の内容の記事が相次いでアップされたので、ちょっと反論してみることにした。
ネットと映像があるから25歳は遅くない?
一本目は6月6日付の、西部謙司氏による記事『“今季前半のMVP級”伊藤涼太郎、わずかブレイク半年で欧州移籍の意味 5大リーグへのステップアップも近いか』(FOOTBALL ZONE)だ。
西部氏はこの記事のなかで、ネットと映像を使ってスカウティングすることによって移籍が早期に成立するケース「だけ」をもってして、「25歳でもステップアップは遅くない」という意味のことをお書きになっている。
だが移籍は映像だけでなく、縁もあればクラブの財政状態や、受け入れるクラブの成績、タイミング等、無数の要素によって左右されるケースも当然ある。
つまり「映像を見た」だけで、必ずしも移籍が成り立つわけじゃない。
ならば折悪しく縁がなく、時間がかかる移籍も当然あるだろう。つまり5大リーグの有名クラブへ更なるステップアップをするには、25歳での移籍で必ずしも間に合うとは限らないのだ。
スタッド・ランスは双六の「上がり」じゃない
そして二本目は6月8日付の、元川悦子氏による記事『【伊藤涼太郎の海外移籍(2)】遠藤航、伊東純也に続く25歳での欧州挑戦。早期ステップアップの指標の一つとなるのは、ベルギーから躍進した三笘薫』(サッカー批評Web)である。
元川氏はこの記事のなかで、「20代半ばで渡欧したのは、シュミット、遠藤航、伊東純也(スタッド・ランス)、古橋亨梧(セルティック)など限られた面々しかいない」と記述された上で、だが彼らは成功しているのだから25歳は遅くない、という意味のことをお書きになっている。
けれどもシュミットは未だに「シント=トロイデン止まり」だし、遠藤は「シュツットガルト止まり」、古橋は「セルティック止まり」である。また日本であれほど大絶賛されている伊東ですら「スタッド・ランス止まり」なのだ。PSGじゃない。
彼らは20代半ばで移籍して「トップに立った」とは言えない。
つまり彼らは道半ばであり、25歳での移籍が遅いかどうか? は彼らの今後次第ということになる。まだ結論は出ていない。
以上のように、海外移籍において25歳という年齢はやはり微妙なところなのだ。
主観的には成功を願っているが、客観的には……
いや私が、「伊藤はシント=トロイデンを経由して5大リーグへ行くには年を取りすぎている」と書いたのは、もちろんそう願ってのことではない。
むしろ主観的には「成功してほしい」と強く思っているし、だがしかし客観的に見れば「う-ん、微妙だなぁ」というお話なのだ。
そもそも私は今季のJ1リーグの第1節を全試合観て、伊藤涼太郎のプレーを初めて目の当たりにした。そして今季を展望する『【J1リーグ・2023】優勝争いは横浜FM-川崎Fの変わらぬ構図だーー横浜FMの開幕戦以外、おもしろい試合がない』という記事を書いた。
その記事のなかで、「唯一、『おもしろい』と思ったのはアルビレックス新潟のサッカーだった」と書いたのはほかならぬ私なのだから、伊藤の成功を願っていないわけはないのだ。
がんばってほしい。