12月5日(月)、午前中宮島から広島市へ移動し、
二つ目の世界遺産見学となる「原爆ドーム」と「広島平和祈念資料館」へ。
覚悟を決めて行ったつもりだったが、
やはり予想以上に原爆投下と言う事実は重く感じられた。
いろいろな条件から「広島」という都市がその場所に選ばれてしまったこと、
エノラ・ゲイが落とした爆弾があまりにも小さかったこと、
そのたった1つの爆弾によって全てが焼き尽くされたこと、
一瞬にして死んだ人の姿が「人影の石」となって残っていること、
その時生き残った人の中の多くの人が、
投下から時間が経ってから白血病で亡くなっていること。
見ていて胸がいっぱいになった。
そして、熱風被害を受けた壁の展示物の前に書かれた「触れてください」と言う言葉が、
今、最も強烈に記憶に残っている。
普通の資料館では展示物に「触れるな」と言われるのに、
原爆の恐ろしさを直に感じてもらうために、ここでは逆に触れてくれと言う。
こんな言葉は「はじめて」だ。
それなのに、私はどうしても触ることが出来なかった。
もう、そこには存在していないはずの放射能の影に、びくついたのだった。
「戦争をしてはいけない」と言葉にするのは簡単だが、
それでも戦争はなくなってはいないという現実の難しさ、自分の無力さが辛かった。
被爆少女「サダコ」さんが、白血病と戦いながら、
薬の包み紙で折ったという折鶴を見ているうちに、
どんなにか生きたかったことだろうと思うと、
自然に涙が出てきて止まらなかった。