冬休みの前の日、図書館から借りてきた『夜のピクニック』(恩田陸)を読みました。
TAがいつかブログでこの作品について書いていたはずだと思いだして手に取ったのです。
「夜」と「ピクニック」と言う言葉の結び方が不思議な感じがして、
きっと印象に残っていたんですね。
主人公二人の置かれている立場はとても特殊で、ありえないはずなのに、
書かれている「青春」の時間や心理は普遍的で、
ストーリー展開がとても自然でした。
4時間くらいで一気に読了してしまいました。
高校時代と言うのは「人生がまだはじまっていない」時だという融の捉え方に、
私自身が高校時代に抱いていた焦りやむなしさを思い出してしまい、
物語の前半であっという間に小説の世界に持っていかれてしまいました。
充実した時を求めながら、
なかなか自分から前向きに進んでいけない貴子の気持ちも良く分かります。
そんな二人が、それぞれに優しさを持った仲間たちと、
夜に延々と歩く中で次第に心が近づいていく、成長していく姿が
読んでいてとても居心地が良いのです。
早く読みたいけど、読み終わるのが惜しい、そんな小説でした。