うちのおばあちゃんは沢庵を漬けるのが上手な人で、
生前はこの季節、
樽いっぱいの沢庵漬けを仕込んでいました。
干した大根を朝市でどっさり買ってきて、
塩やらザラメやらを入れて作っていたのですが、
その頃の私は「食べる人」に徹していたので
教わるチャンスを逃してしまったのが残念です。
で、今頃になるといつも思い出すもうひとつの漬け物があるのです。
それは「干し大根の松前漬」です。
台所で作っているのをなんとなく見ていたら、
沢庵用の大根の束から漬ける前の大根を1、2本引き抜いて、
それとニンジンを出来るだけ細くスライスしていました。
そこに鷹の爪やお醤油・ザラメ・お酒を入れて、
松前漬けの素(つまり、切り昆布と切りスルメ)で混ぜると、
あっという間に出来上がる簡単な漬け物なのです。
でもね、
干した大根の風味が噛むほどに口の中に広がって、
私は沢庵よりもこちらの方が実は好きでした。
一度は自分で作ってみたいなーと思っていたのですが、
干し大根って1本では売っていないんですよね。
何しろ沢庵用ですから…。
1束10本が標準でしょうか?
これじゃー、使い切れません。
毎年、恨めしく眺めているだけでした。
ところが、なんと、この間近くのスーパーで、
1本120円のを見つけました。
しかもただの干し大根ではなく、
秋田名物の「いぶりがっこ」用の燻製した大根でした。
もちろん即買い!
早速この間の3連休に作りました。
ザラメがなかったので、お醤油の代わりに麺つゆを使いましたが、
初めての私にも簡単で、
しかも美味しい漬け物が出来ました。
来年も売っていたら絶対作ろうっと。