『るろうに剣心 最終章 The Beginning』
【ストーリー】
動乱の幕末。緋村剣心は、倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎のもと暗殺者として暗躍。
血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎と恐れられていた。
ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴に人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。
ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴に人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。
その後、幕府の追手から逃れるため巴とともに農村へと身を隠すが、そこで、人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見出していく。
しかし、ある日突然、巴は姿を消してしまうのだった…。<十字傷>に秘められた真実がついに明らかになる——。
この作品は100インチプロジェクタースクリーン & 55インチモニターにて、ブルーレイで視聴しました。
原作コミックよりも面白い...
原作コミックも読みました。人気の高いOVAアニメの『追憶編』も観ましたがハマらず。
(だって、暗いんだも~ん。)
そんな私が、ぶっちゃけ~期待半分で視聴したのですが...はい、メチャメチャに面白かったです。
いやっ、シリーズの中で一番面白いと思います。
剣心が「人斬り抜刀斎」と呼ばれ、数多くの幕府の要人たちを斬り殺した頃の過去話。
現在の剣心は、師匠に飛天御剣流最終奥義「天翔龍閃」を伝授され、
(【天翔龍閃】飛天御剣流の最速・最大破壊力の抜刀術。相手が攻撃を仕掛てから発動しても、
「超神速」の為、相手より早く命中する。
その破壊力は絶大で、本来、逆刃刀でなければ相手を真っ二つにするほどの威力を秘める。)
それが強力なだけで、殺気のない振る舞いでは現役も半分の力を発揮していない。
この現役バリバリの人を斬り殺す、まさに「修羅」と化した剣心が今回の役どころ。
人を斬ると血飛沫が飛ぶ様は、今迄のシリーズに慣れているだけに恐ろしさが際立つ。
佐藤健の演技は
素晴らしく...特に殺陣アクションは頂点に達したといえるほどキレッキレっの大刀回りを見せてくれる。
↑(初めて剣心の頬に傷を負わせた侍役に、俳優の窪田正孝が熱演ている。
剣の強さは素人並みだが、「死ねない!」という執念だけで、何度斬られても立ち上がってくる。
短いシーンだが、私的には最も強く印象に残ったところです。)
まあ~この作品は時代劇ではなく、あくまでも漫画『るろうに剣心』の映像化なので、
実際には、こんな殺陣筋は存在せず、いわゆるファンタジー要素のある時代劇なのですが、
今作品の『The Beginning』では、それを感じさせない絶妙なさじ加減。
時代設定的に新撰組も関連する話になっているので、その辺りに強さのバランスに違和感を感じる点もあり。
(剣心の強さは、新選組の沖田総司と同レベルという設定なので、彼との戦いには違和感を感じる。)
話の半ばまで過激なアクションが多く、打って変わって後半に向けて静かな人間ドラマが続く...
この後半部分は、原作を知る私的には「ダレるのでは?」と考えていたが、予想を反して話の良さに惹き込まれました。
この人間ドラマを映えるものにしているが、雪代巴を演じる有村架純にある。
儚くて美しいその容姿は見るからに悲しげで、口数(セリフ)の少ないキャラであるのですが、
それでも強烈な存在感を醸し出すのは、有村架純の女優としての力量の凄さなのでありましょう。
剣心の人生に深く関わっていく様を見事演じきった彼女に、女優賞を捧げたい~パチパチ♪
↑(剣心の人斬りの場面に、偶然立ち合わせた雪代巴。彼女の着る白い着物が血飛沫で赤く染まる様は美しい...)
それに、剣心の頬の十字傷のエピソード。巴の所が原作とビミョーに変わっていましたよネ~?
そこんとこの話が奥が深く、2~3日考え込みましたよ。
私的に答えが出ましたが、かなり奥深い意味になりましたネ~...ああ~余韻が半端ない!
この辺りも含めて、原作よりも面白くなった要因だと思います。
これだけのトラウマ的な惨事が起こりながら、一寸の狂いもなく最後まで通しきった剣心の信念は凄いと思う。
巴のことが原因で「殺さず」となったと思っていたのですが、違うんだネ~。
しかしながら、目的を達成後に新時代を迎えて、罪の重さに自害の道を選ばなかったのは巴の力でありましょう。
何百人もの人を殺めても、辿り着く人々の幸せの為に自分を犠牲にした彼の生き方が間違っていたのか?否か?
この思いが、現在の私たちの生活に繋がっているということを、フィクションでありながら考えさせられるところがありました。
多くの人が仰っておりますが...
この『るろうに剣心 最終章』の2本、『The Final』よりも先に『The Beginning』を公開した方が良かったのでは?
『The Beginning』を知っていると、『The Final』の話の重みが違ってくる。
私的には、『The Final』の評価が限りなく上がりましたよ~。
今回の最終章、『The Final』と『The Beginning』の2本、どちらも大変楽しむことが出来ました。
ストーリー良し・アクション(映像)良しとは、こういう作品を言うんだネ~...うまうま♪