何処からか 聴こえてくる
雨だれの音
何かを語っているような
誰かを呼んでいるような
そんな気がする 兆の音は
季節の香りで 窓際を騒がせる
青々とした梢の若葉も
碧の風に揺らされる欅も
薄紅色で装った椿も
仄かに香る水仙も
生きいきと潤いに 弾けながら
艶やかに 伸びやかに
戯れているみたい
ポタ ポタ ポットン ポ~ン
弾けて
飛んで
流れて
落ちて
ガラス戸まで叩いて 響かせるから
リズムに音色に 驚かされて
何処までも続く 蒼い空を
眺めて
どうにも出来ないから
どうにかしたいと
雨音に聴いてみる