井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

上ホロカメットク山 11年7月

2011-08-21 21:32:07 | 十勝岳山系の山
 お遍路友達のみいちゃんから北海道の山へ行ってみたいと相談を受けていました。
しかし、昨年は日程が合わずに断念。
今年こそはとお互いに日程を調整したところ7月に登れることになりました。

 みいちゃんの希望は、火の噴いている山、活火山に登りたいとのこと。
こう言われれば、北海道の山が初めての彼女に登ってほしい山は、大雪山と十勝岳しかありません。
そこで、みいちゃんには大雪山の旭岳と十勝岳を案内することにしました。


 7月15日(金)

 前日夜に札幌入りしていたみいちゃんをホテルで拾い一路十勝岳を目指します。
しかし、天気の具合が今一つです。
東北が梅雨明けしたからというもの、北海道に停滞前線が居座り、まるで、梅雨のような天気が続いています。

 今日の天気も曇り時々雨です。
昨夜も強い雨が降りました。
札幌から富良野に入っても天気はどんよりとした曇り空です。
十勝岳は厚い雲の中に隠されています。

 これでは、どうしょうもないと思い、計画を変更します。
まずは、多少の雨でも行くことが出来るカミホロカメットク山の麓にある安政火口に行くことにします。
ここなら、十勝岳温泉から40~50分、小雨くらいなら行くことが出来ます。
そして、みいちゃんが希望する噴火口もあるので満足してもらえるはずです。

 十勝岳温泉に向かった登っていくと、何と、道路が封鎖されています。
担当の方に聞くと道路に土砂が流れ込む恐れがあるので封鎖しているとのことです。
でも、9時30分に封鎖が解除されると言います。
時計を見ると解除まで5分しかありません。
それではと、待つことにします。

 ほどなく解除が解かれます。
開いたゲートから十勝岳温泉に向かいますが雲がドンドン厚くなり霧雨模様になります。
望岳台へ向かってみると何とゲートが閉じられ行くことが出来ません。

 仕方なく、予定通り安政火口へ向かうことにします。
十勝岳稜雲閣前にある駐車場へ車を停めます。
通行止めになっていたせいか駐車している車がほとんどいません。

 登山準備をしていると雲が少し薄くなってきたような気がします。
これならと思い一応の目的を安政火口、そして行けそうなら上ホロまでとみいちゃんに告げます。
    
     空が少しずつ明るくなってきます。

 30分ほど歩くと安政火口が見えてきます。
沢を登っていくと辺りの地面は茶色になり、硫黄の臭いがしてきます。
さらに10分ほど歩くと安政火口に到着です。
    
 みいちゃんはこの光景に感激しています。
ここは噴火口を間近に見ることが出来ます。
柵やロープがあるわけではありません。

シュー、シューと亜硫酸ガスを吹き出している噴火口を見ていると風向きが変わり谷の奥から私達に向かって亜硫酸ガスが吹いてきました。
思わずむせながら後ずさりして避難することにします。

 ここで、天気も落ち着いているし時間もあるので上ホロを目指すことにします。
一旦沢を降りトラバースルートに入ります。
そこから富良野岳と上ホロ分岐点を過ぎると沢に残雪が現れます。
    
     この残雪にもみいちゃんは感激してました。

 この残雪を越えた所にキタキツネが1匹こちらを向いています。
この狐にも感激しています。
そして、3百段の階段を登ります。
      
       お遍路でも333段の階段を持っているお寺がありました。

 この階段を登りきるとようやく尾根に出ます。
この辺りからお花畑が続きます。
   
   
 
 最後の急斜面を登りきると
    
 お花畑が
    
 
 そして見慣れない標識がありました。
    
     数年前に来たときにはありませんでした。

 ここから尾根歩きをしてようやく上ホロの山頂に到着です。
でも、辺り一面ガスで何も見えません。
山頂脇にある窪地で時間待ちをしてみます。
    

 30分ほど時間待ちをしましたが、空は明るくなるものの晴れ間はでてきません。
仕方ないので下山することにします。

 そして、下山後の温泉は稜雲閣のしました。
せっかく神戸から来ているのですから、良く取り上げられる温泉で有名な稜雲閣の露天風呂を楽しんでもらうことにしました。
   
    ここの露天風呂も楽しんでもらい、天気は今一でしたが
    それなりに満足してもらえたようです。
 
 さて、今夜の宿は美瑛町にある「おかせん里」という民宿です。
この宿は小さな宿でしたがとてもいい宿でした。
    
     夕食は、質素ですが十分にして満足のいく内容でした。

 圧巻なのは、漫画の蔵書です。
これだけを目的に来ても良いくらいです。
美瑛町に宿を探している方にお勧めの宿です。

 夕食の時に明日の行き先を相談していると、隣に座っている女性が大雪山旭岳に登ってきたけれど高山食斑はまだ早くあまり咲いてなかった。
さらに、裾合平らは残雪の雪解け水が増水しており登山道がジャブジャブの状態だといいます。

 そこで、明日は十勝岳に登ることにします。
そして、天気が良ければ美瑛岳を回ることにします。
さらに、大雪山の情報をくれたInさんも一緒に行くことになりました。

Inさんは大阪に住んでいる50歳の女性です。
北海道の山は初めてとのこと、明日をどうしょうか考えているところでしたのでみいちゃんが誘って一緒に十勝岳へ登ることになりました。

 うーん、明日は両手に花の登山です! 
 

     
   

再度、オプタテシケ山へ! 10年5月

2011-05-19 05:53:21 | 十勝岳山系の山
(この記録は昨年のものです。昨年の残雪期にオプタテシケ山、芦別岳本谷、ニペソツ山へ登っていたのですが、ブログにアップしていませんでした。)

 5月23日、前月に途中で敗退したオプタテシケ山(2,013m)にIさんと二人で再挑戦しました。

 前日に殿狩橋から数キロ入ったところで1泊。
前の月には林道が除雪されておらず入れなかった林道も雪が融けています。
     
     テントサイトはこのようにすっかり雪が融けています。

 朝6時15分、雪があるところまでシートラで林道を歩きます。
空はどんよりとした曇り空です。
5分ほど歩くとテントが一張りあります。
私達と同じオプタテシケ山を目指しているのでしょうか。

 20分ほどで三股橋へ到着です。
この辺りからようやく林道が雪で覆われているのでスキーで歩きます。
     

 7:00、林道の最終地点、雨量観測機器のある場所に来ると3人ほどの人が休んでいます。
この人達はコスマヌプリへ行くといっています。
お互いに地図を見てコースを話し合います。
    

 ここからは前回歩いたようにオプタテシケの山頂から続く大きな谷に向かって林の中を歩きます。
森林限界を越えると一気に傾斜ガ増してきます。 
ジグを切って我慢の登りが続きます。
    

 前方に左手からハイ松が見えてきます。
このハイ松はこの先の上部に向かって続いています。
そこで、下の方でこのハイ松を越えて1本西よりの谷を登ることにします。
    
 この谷に残っている雪が山頂まで続いていることを前日確認してあります。

 登るにしたがって雲が薄くなってきます。
Iさんに「うまくいくと一面の雲海が楽しめるかもしれない。」といって頑張るようにいいます。

 ドンドン傾斜がきつくなってきます。
ジグを切ってスキーで登るのも難しくなってきます。
1,900m地点でスキーをデポします。
これから上は雪が細い回廊のようになっており、スキーで登るのが難しいためです。
    
 登るにしたがって雲が切れて青空が広がります。
    

 11:15分、山頂に到着です。
十勝側は一面の雲海です。
その雲海が十勝岳から大雪山に続く山並みがまるで堤防のようになって上川側に流れるのを堰き止めています。
 
 その雲の上にトムラウシ山が顔を出しています。
    
 
 十勝岳も雲に浮かんでいます。
    

 でも山頂は快晴です。
    
 
 トムラウシ山へ続く縦走路はまだまだ雪で真っ白です。
    

 オプタテシケ山は上川側に大きな谷を持っています。
    

    
 雲海を楽しみ、ポカポカと暖かい山頂でゆっくりと休んだ後は楽しみなスキーによる大滑走が待っています。

 12:20分、山頂から一気にデポ地点へ降ります。

 スキーを履きますが、また雲の中で見通しが悪くなっているので慎重に滑ります。
少し標高を落とすと一気に視界が開けてきます。
気持ちよくスキーを滑らせドンドン降ります。

 ここでコースをミスしてしまいました。
林道最終地点に向かって降っていたのですが、小さな沢が前方に出てきます。
これを右に越えていったのが間違いでした。

 地図を何度か確認し、Iさんの持っているGPSを確認して、やっと林道最終地点に戻ります。
この時期の雪面は固くトレースが残らないのでよほど注意して降らなければトレースを見つけることが出来ません。
ちょっと調子に乗ってスキーを滑らせすぎました。

 14:30分、三股橋に到着。
ここからスキーをシートラしてテントサイトへ向かいます。

 14:50分、テントサイトに到着です。
テントを畳んで撤収です。

 前回は途中敗退でしたが、今回は山頂へ行くことが出来ました。
一面の雲海をも堪能できた満足一杯な山行でした。        

オプタテシケ山 ・ 10’4月

2010-04-10 17:17:27 | 十勝岳山系の山
 4月7日、先月登ったトムラウシ山から雄大な姿を見せていたオプタテシケ山へ行ってきました。
今回も山スキーです。

オプタテシケ山は十勝岳連峰の一番東端にあり2千メートルを超える雄大な山です。
普通は美瑛町側から登るのですが、それでは日帰りが出来ないので新得側から
登ることにしました。

 この場合ネックとなるのが行程の長さです。
林道がどこまで除雪されているかで全体の行程が変わってきます。

 この正月休みに北大山岳部の人達が新得側からオプタテシケ山に登ったという
記録があり、この中で東大雪荘へ行く道路から5~6キロ先にある殿狩橋まで
除雪されていたということです。
この記録どおりに今も除雪されているかどうか森林管理署(旧営林署)に
問い合わせましたがはっきりしません。

 そこで清水町に住んでいる友達に現地を確認してもらうことにしました。
その結果、殿狩橋の少し先まで除雪されていることが確認できました。

この情報を基にオプタテシケ山登山計画を建て、4月6日に実行することとなりました。
メンバーは、前回トムラウシ山へ行った3人に加え数年前にこのコースから
オプタテシケに登ったS氏を加えた4人です。

 10日ほど前から天気予報を確認しているのですが、今回もはっきりしない天気予報です。
直近になっても決行予定日の6日は雨の予報です。
そこでいくらか天気が回復しそうな7日を決行日として6日の昼に札幌を発ち
東大雪荘に1泊、翌日早朝からオプタテシケ山を目指すことにしました。

 6日の午後から雨、夜には雪という予報を背にして東大雪荘に向かいます。
夕方東大雪荘に着く頃には雪がパラパラと降ってきます。
翌日の天気はあまり期待できない空模様の中、3時30分起床ということで
9時には就寝します。

 朝、目を覚まして空を見ると細かな雪がパラパラと降っています。
周りの木々の枝にはびっしりと降った雪が張り付いています。
地面には15センチほど積もった雪があります。
この様子ではどこまで行けるか分かりませんが、とりあえず登山準備をして決行します。

4時30分頃、東大雪荘を後にして殿狩橋へ向かいます。
道路のあちらこちらに雪の重さで折れた枝が落ちて散乱しています。
落ちた枝の中にはかなり太い枝もあります。
すべて湿った雪が木の枝に張り付きその重さに耐えられず折れたのです。
さらに、昨夜の気温は高かったようで地面にある水たまりは凍っていません。

曙橋から右折して殿狩橋を目指します。
5時前に殿狩橋から700~800m先にある除雪終点となる砂防ダムに
車をデポしてここからはスキーで山頂を目指します。

5時10分、まずは林道を歩き三股橋を目指します。
      
      シーンとした林道を歩きます。     
     
 空からはポツポツと降ってくる雪、周りの木々は樹氷で覆われています。
シーンと静まりかえった空気の中、時折聞こえてくる沢水の流れる音を耳にしながら
林道を歩きます。

1時間30分ほどで三股橋へ到着。橋を渡り、さらに林道を詰めていきます。

林道の先には開発局の雨量観測所があります。
この先はエゾマツと広葉樹の混合林です。
磁石を見ながら北東を目指します。

オプタテシケ山の南面は、山頂から深い谷が南南東に延びています。
この沢沿い西側の尾根を登る予定です。

 混合林の林の中を歩いていると所々にピンクのリボンがあります。
このリボンを目印に快調に登っていきます。
上空の空模様は相変わらずどんよりと曇っています。
視界はあるのですが、小雪が降ったり止んだりしています。
しかし、風がないのが何よりです。
ほとんど無風といっていいくらいなのです。
気温も高く、寒暖計の目盛りは1度を指しています。
休みながら標高を獲得していきます。

 混合林を30分ほど抜けるとはっきりした沢形が見えてきます。
沢の上部は雲の中に隠れています。
ここから、左岸に広がる混合林を登りちょとした尾根上の斜面を目指すことにします。

 混合林を抜けると、ちょうど雲の下辺部に来たのか視界がドンドン無くなってきます。
多少風も吹いてきます。
視界が50mを切るようになってきたので用意してきたデポ旗を立てながら登ります。
傾斜も一気に増してきます。
クラストした雪の上に10~15センチの新雪が積もっています。
気になっていた雪崩の心配ですが、クラストした雪と昨夜降った新雪の接合面は
馴染んでいるようなので雪崩の心配はないと判断しました。

 1300mを超えると雪の状態が少し変わってきます。
クラストしている雪面がガチガチに堅くなった斜面に変わってきます。
視界も相変わらずありません。
時折20mもないようになってきます。

 標高1600mを少し超えた辺りで11時を回ってしまいます。
山頂までの水平距離は700メートルほどですが、標高差で400mは残っています。
行動終了時間を12時に設定していましたので、残りの時間で山頂まで行くのは無理です。
メンバーの体調、斜面の状態、視界の無さなどを考え、ここから下山することとしました。

 スキーからシールを外し下山準備をしていると、一気に視界が開けてきます。
いままで見えなかった斜面が見えるようになりました。
      
      これが晴れてきて見えたオプタテシケ山の上部です。

      
      麓の斜面に陽が差しています。左下に向かって滑ります。

 これから滑り降りる斜面が見えましたが、それは標高差600mはあろうかという
大斜面です。
その斜面に向かい、一気に滑り降ります。
心配されていた視界も開けてきたので何の心配もありません。

 木々はまばらですので開放された大斜面が眼下に広がっています。
その斜面をスキーで滑るのは何物にも代え難い開放感が味わえます。
私はターンをする度に小さな声を発しながら滑り降ります。
足ががたついて転んでしまいます。
でも、新雪がやさしくクッションになってくれるので痛くありません。
何度かに区切ってこの大斜面を堪能しました。
    
    滑ってきた斜面を振り返ります。丁度陽が差している辺りから滑りました。

 でも、まだまだ楽しみは残っています。
このあとには混合林の中を滑る楽しさが待っています。
大きなエゾマツの横をすり抜けたりしながらドンドン高度を落とします。
沢形の地形がはっきりする場所まで降りるとこの大滑走も終わりに近づきます。
    
     深い谷から山頂部にかけて雲が湧きだしています。
     空には青空が広がっていますが、山頂部から雲がなくなることはありません。

    
     滑り降りた斜面に陽が差して、また来なさい!と私達を誘っています。
   
 雨量観測所までの混合林を滑り終えると今日の山スキーは終了です。
あとは林道を滑り、車のデポ地点まで降りるだけです。


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 本州では櫻が開花し、お花見をしている光景がテレビで報じられています。
でも、北海道はまだまだ冬が残り、春の足音がやっと聞こえてきたかという
季節なのです。

 そんな中での山スキーです。
天候の変化に一喜一憂して登り、そして滑ります。

今回も天候の変化に翻弄されましたが、4人とも怪我もなく楽しく山スキーが出来たのが一番です。

オプタテシケ山の山頂には、いつか立てる日が来ると思います。
それまでのお預けです。     


 あとは車のデポ地点に向かった林道を滑り降ります。