井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

原チャリで巡る東北の名山たち(八幡平)

2018-11-30 08:36:32 | その他の本州の山
【 この記事は、2016年に登ったものです。】

 6月30日

 弘前のユースホステルでの豪華な朝食をお腹いっぱいに食べて出発します。
今日は八幡平を越えて岩手山の山裾を目指します。
ガソリンを満タンにして、まずは鹿角市を目指します。
この道路は何度か走ったことがありますので順調に進みます。

 八幡平の登りに差し掛かった時、走行距離計がゼロに戻りそうになりました。
    
    嬉しくなって路肩に原チャリを止めて写真を撮りました。

 さあ、八幡平に向かって快調に走っていると、右カーブを曲がろうとしたその時です。
右手から1mほどの真っ黒い塊が左手に向かって走るではありませんか。
何だ!と思ってよく見ると熊でした!
一瞬の事でしたが、左手の笹原に走り込んだ黒い塊はクマに違いありません。
まあ、ここは道路があるとはいえ山の中ですのでクマが出ても不思議はないのですが、
思わずどっきりした次第です。

 道路がなだらかな登りとなると、間もなく八幡平の駐車場でした。
あたりは一面のガスに覆われ、視界があまりありません。
    
    まずは遊歩道を歩いて山頂を目指します。

 駐車場から山頂までは2kmほどで、ゆったりとした上り下りを歩くだけです。

    

    

    
 
 点在する沼を見ながら歩いていると20分ほどで山頂についてしまいました。
この櫓が山頂です。
    

    
    櫓の手前にある地図です。

    

    

    

    

 帰りは登りと違うルートを歩きましたが、それもすぐについてしまいます。

 さて、駐車場に戻りましたが、ここで問題が発生してました。
何とガソリンゲージがEマークを指しているのです。
駐車場の叔父さんに一番近いガソリンスタンドの場所を聞くと20kmはあるといいます。
こんなところでガス欠は何としても避けなければいけません。

 降りであることを利用しながら山道を降ります。
山を降るにしたがって天気は良くなり、太陽も顔を出してきます。
前方にガソリンスタンドのポールサインを見つけたときは、本当にホッとしました。

 ここから正面に岩手山の北側が見えます。
今夜はキャンプ場にテント泊の予定です。
岩手山を振ると回り込んだところに網張温泉があります。
今夜は、そこのキャンプ場に泊まることにします。

    

 テントを張っているのは私一人という寂しい状況です。
まずは温泉に入って体を温めることにします。
温泉は登山客で一杯です。
話を聞いていると、どうやら今日は岩手山の山開きがあったようです。

 お風呂から上がり、隣にあるビジターセンターで登山情報を仕入れます。
一番一般的な登山コースは馬返しから登る柳沢コースだと言いますので、明日はこのコースから登ることにしました。

 温泉に入り身体も温まったので、今夜はぐっすり寝れるはずです。
明日の天気予報が崩れるとのことですので、早めに登ることにします。

   
 

原チャリで巡る東北の名山たち(岩木山)

2018-11-15 22:16:08 | その他の本州の山
【 この記事は2016年に登ったものです。 】

 お岩木さんに登る!!

  弘前のユースホステルは朝食の充実化に力を入れており、食べきれないくらいの小鉢が並び、ご飯を何膳食べればおかずに見合うのか悩むほどでした。
その朝食を美味しく、かつ、お腹いっぱい食べて岩木山の麓にある岩木山神社へ向かいます。

お岩木さんへ登るにはいくつかのコースがありますが、今回は由緒正しい岩木山神社にお参りをしてから登りたかったのでスタートは岩木山神社になります。
 神社前の駐車場の片隅に原チャリを止めて、まずはお参りです。

    
    鳥居の上に岩木山の山頂が見えています。
   その山頂の形がなぜか「山」に字に見えるのは私だけでしょうか。

    

    
 
    
    境内には荘厳にして立派な拝殿がありました。

 岩木山への登山口は、神社の左手にありました。

    
     標準コースタイムは4時間15分とあります。
    

    
    この杉の巨木に圧倒されながら登ります。

 7:00分、いよいよ登山開始です。
杉木立の中を登ります。
しばらくすると公園のような場所に出ます。どうやら桜林公園のようです。
登山道はよく整備されており、傾斜が増してきますので汗だくで登ります。
 
    
    姥石まで登ってきました。

 焼止りを過ぎると9:10分、沢に入ります。
    

 沢は雪融けが終わったばかりのようで登山道が分かりずらく浮石だらけです。
ここは慎重に登ります。

    

    
    日差しが当たる斜面にはミチノクコザクラが咲いています。
    岩木山の特産種ということです。

 やがて、沢全体に残雪があり傾斜も増してきましたのでジグを切りながら慎重に登ります。

    

    

    
    何とか雪渓を登り切りました。 

 10:00分、種蒔苗代に着きました。
    

 そのすぐ上に鳳鳴ヒュッテも見えてきました。
    

 ここから山頂まで岩々した登山道となります。
岩が折り重なっておりなかなか注意を要する登山道です。
    
    
    反対側の景色が見えてくると津軽岩木スカイラインの終点にある駐車場が眼下に見えています。

 10:25分、山頂に着きました。
    

    
    山頂でゆっくり昼食を取り下山路をどうするか考えます。
 登ってきたコースですと雪渓の長さが気になります。
簡易アイゼンを持ってきていないのであの急斜面で足を滑らすと事故につながります。
ここは安全策を取り、津軽岩木スカイライン側に降りるのが最善と判断しました。

    

    

    

 そうと決まれば下山しての温泉が気になります。
下山していると沢山の子供たちが登ってきます。
どうやら学校登山のようです。
    
    元気な声であいさつしてくれますので、こちらも負けないように挨拶します。

    
    9合目から振り返ると山頂が見えます。

 9合目まではリフトで登れるようです。
しかし、リフトは使わずに足で8合目を目指して降ります。

 11:40分、8合目の駐車場に着きました。
    
  
       

 さあ、ここからはバスで麓まで下ろうとしましたが、バスの時間を見ると15分前にバスは出ていました。
次のバスが来るまで2時間ほどあります。
どうしようか考えていると若い男女3人組が降りてきます。
そこで、麓の嶽温泉まで乗せてもらえないか頼んだところ快くOKしていただきました。
彼女らも嶽温泉で汗を流すとのことでしたのでお世話になることにしました。
青森の人たちに助けられ、気持ちよく登れた岩木山でした。
 

原チャリで巡る東北の名山たち(八甲田山)

2018-11-13 19:23:27 | その他の本州の山
 【 この記事は2016年に登った山のものです。】

 2016年はイドンナップ岳で心折れましたが、それ以後は精力的に道内や本州の山を登っていました。
6月28日から東北の名山を原チャリで巡ってきました。
八甲田山、岩木山、八幡平を抜けて岩手山、早池峰を登る途中で原チャリ故障してしまい、やむなく登山をあきらめ北海道へ帰る羽目になってしまいました。

 7月は、名古屋のおばさまたちを案内してに知床縦走から日高幌尻岳とトムラウシ山の連続縦走、8月は南アルプスを甲斐駒ヶ岳から入山して光岳までの大縦走を行ってました。
ブログの記事を書く間も無いぐらい山に登るのに忙しかったのです。

 そこで、秋の山からスキーシズンまでの狭間の時期を利用して2016年の登山を懐古してみようと思います。
まずは、6月28日から東北北部の名山を巡った原チャリの旅です。

 まずは八甲田山大岳へ登る!

 6月27日、苫小牧から八戸行のフェリーで本州へ渡ります。
順調な船旅で翌早朝に八戸港に到着です。
曇り空で寒い中を、まずは、酸ヶ湯温泉目指して原チャリでツーリングです。
途中で空が晴れてきて、まずは幸先のいいスタートが切れそうです。

 6月28日

 9:00分少し前に酸ヶ湯温泉にある駐車場に到着。
    
    すっかり天気が良くなり暑い中を八甲田山大岳目指して登ります。

 前日の寝不足もありますが、そんなことは言えません。

    

    
    登山口を出発してひたすら登ります。

 やがて、森林を抜け沢状の登山道をひたすら登ります。
    
     
傾斜が緩くなったと思ったらそこは湿原でした。
    

    
     木道を快適に歩きます。

    
    正面に見えるのが八甲田山大岳のようです。

 10:10分、八甲田清水に着きました。
    
     ここで給水のため休憩を取ります。

    
     ほどなく分岐点に到着です。ここから大岳の山頂を目指します。

    
     疲れた体を癒してくれるのは、やはりきれいな花々です。

    
     小さな雪渓が現れます。八甲田は豪雪地帯ですので雪が残っていても不思議はありません。

    

    
     下を見ると酸ヶ湯温泉の建物が見えています。

    
     八甲田山は連なる峰々で構成されています。

    
     鏡沼の横を通ります。

    
     ミヤマオダマキでしょう。

 最後の急坂を登るとそこが山頂でした。
10:50分、山頂に到着です。
    

    
    山頂は砂礫地で広く平らな場所です。

    

    
     結構な人の数でした。
 山頂では、昼食を取ってゆっくり休みます。

    
    下山は、山頂を越えて毛無岱へ向かって降ります。

    
     途中の沢に雪渓が残っていました。風が涼しく気持ちがよかったですね。

    
    大岳避難小屋です。

 ここからどんどん降ります。
秋になると紅葉で有名な毛無岱という湿地を通り抜けます。
    

    

    
     ワタスゲの群落が湿地であることを証明してくれます。
   
    
     毛無岱の全景です。

    
    
 ドンドン、いやになるほど下るとやっと酸ヶ湯温泉の建物が見えてきました。
11:15分、酸ヶ湯温泉に到着です。
    
     何年か前に来たことのある酸ヶ湯温泉です。

    
     冷たい湧水でした。

 まずは、八甲田大岳を登りましたが、今日はこの後弘前まで走らなければなりません。
途中の温泉で汗を流し、黒石の町を見物してから弘前へ向かいます。
今夜の宿は、弘前にあるユースホステルです。
    

スクーターで巡る東北の名山たち(早池峰)!

2018-10-11 09:28:17 | その他の本州の山
 月山をサクサクと登ったのでこのまま早池峰を目指すことにしました。
まずは新庄市を目指します。
途中で遠野にあるユースホステルに電話をして今夜の宿泊をお願いします。
夕食が6時なので間に合うように来てくださいと言われました。
地図を見てもまだまだ距離があるので頑張って走ることにします。

 国道4号線をもう少しで北上市という辺りでしょうか。
疲れてぼんやり走っていました。
私の前にバイクが1台、乗用車が2台走っています。
対向車線で赤い乗用車がウィンカーを出さずに右折しようとして曲がりかけたときです。
乗用車の後ろを走っていたトラックが曲がりかけていた乗車の後部に追突したのです。
赤い乗用車は、対向車線である私たちの車線を塞ぐように反転して止まりました。
幸いなことに、一番前を走っていた乗用車は目の前に突然出てきた赤い車に突することなく停車できたのは幸いでした。
赤い乗用車からワイシャツ姿の中年の男性が降りてきたので大した怪我はしていないようです。

 もう少しで巻き添えになるところでした。
私は歩道を走り抜けて先へ進みましたが、さすがに疲れたので北上市に入った所で休憩を取ります。

 コーヒーを飲んで休憩を取ったので気を取り直して遠野へ向かいます。
ガソリンの残量が気になりますが、何とか遠野までは持ちそうなので走り続けます。
午後5時ころ、やっと、遠野に着きました。
市内でガソリンを給油してからユースに向かいます。

 このユースには15~16年前に泊ったことがあります。
ペアレントさんの髪がすっかり白髪になっていたのには驚きました。

 夕食後のお茶会で(昔もやっていました)早池峰までの道路を聞きます。
どうやら1時間半ほどで着けるとのことです。
今夜は洗濯をして美味しいご飯も食べました。
明日の準備は万全です。


 7月24日
 
 4時に目を覚まし、食堂で簡単に朝食を食べます。
外は曇り空ですが、ポツポツ来そうな雰囲気です。
最初から雨具を着込んで登山口へ向かいます。
ガスガスで道路の先が見えません。
そんな道ですが、何とか迷うことなく小田越の登山口まで来ることができました。

 5:50分、登山口を出発です。
    
     まずは林の中を登ります。

 ガスガスで視界の無い道を淡々と登ります。
林を抜けると岩混じりの砂礫の登山道となります。
すると咲いていました、ハヤチネウスユキソウです。
この山にはこの花が見たくて来たのです。
    

    
     月山の花よりは大きくて立派です。

 6:45分、五合目を通過します。
    
     御金蔵といわれる大きな岩があります。

 ここまで快調に歩いてきました。
休む気もしないのでドンドン登ります。
すると、前方に梯子が見えてきます。
    

    
     二連の梯子が一枚岩に取り付けられています。

 この梯子を登りザラザラの登山道を登ると稜線に出ました。
7:10分、稜線にある剣ヶ峰との分岐です。
    

 この分岐を左に曲がり歩いて行くと木道があります。
どうやら高層湿原になっているようです。
    

 ここは湿原の花が満開でした。
    

    
     コバイケイソウも満開です。

 前方に避難小屋が見えてきました。
    

 7:20分、早池峰の山頂です。
    

 ガスで視界の無い山頂は幻想的な雰囲気です。
山頂は私だけでほかの登山者はいません。

    

    

    

    

    
     今回の登山が無事に終えられるように心を込めてお祈りします。

 ここまで休憩なしで歩いてきたので避難小屋で休憩を取ります。
    

    
     小屋の中はきれいに整頓されており、なかなか立派な小屋でした。

 20分ほどゆっくり休みましたので下山します。

    
     山頂の奥宮に向かって手を合わせます。

    
     登ってくるときには気がつかなかった標識です。

    
     この梯子は手すりが露に濡れて滑るのでゆっくり降りました。

    

    

    

    

 時間があるので帰りはゆっくり花の写真を撮りながら下ります。

 一瞬雲が切れて、登山道が見えました。
    

 ここから30分ほどで登山口に戻ります。

 早池峰の登山口は、河原の坊コースが一部崩落した影響で登山禁止となっています。
ですから、ほとんどの人が小田越の登山口から登るようです。

 さあ、これで今回の東北名山巡りが終了です。
ここから八戸目指して走ります。
今夜のうちに八戸をフェリーで立ち、北海道へ戻ります。
暑い東北とはお別れです!!


スクーターで巡る東北の名山たち(月山)!

2018-10-10 09:18:14 | その他の本州の山
 鳥海山から月山に登るために羽黒山キャンプ場で1泊しました。
このキャンプ場はスキー場の下にあり、すぐ横には「休暇村羽黒」があり、ここで温泉に入れるのです。

 平日ですのでキャンプ場はがら空きでした。
まずはテントを張り一息つきます。それから鳥海山を登った汗を流すために温泉です。
温泉は私一人でしたので、ゆったりのんびり汗を流します。

このホテルに鳥海山と月山を登るツァーの一行が泊まっていました。
食堂で夕食中の人たちを見ると高齢者の方々が多いようです。
まあ、私も十分に高齢者ですので人のことは言えません。


 7月23日

 朝食を簡単に済ませると月山の登山口へ向かいます。
天気は相変わらず曇りです。
羽黒山キャンプ場から月山の登山口まで約20kmほどあります。
狭くて細い道路で、しかも、急なうえにカーブがきついのです。
ヘアピンカーブを何度も曲がり、やっと、8合目にある登山口の駐車場に着きました。
    

 まだ早い時間ですので駐車場もがら空きです。
ガスだけでなくて風も強いです。でも、雨ではないので何とか登れそうです。

 5:30分、登山開始です。
    
     登山地図です。

 10分ほど木道を歩くと御田原参篭所(中ノ宮)に着きました。
    

    

    

    
    この鳥居を潜って山頂へ向かいます。

 ここは阿弥陀が原ですので辺りは湿原のはずですが、雲に隠れて何も見えません。

    

    
    それでも登山道の脇には高山植物の花がちらほら咲いています。

 風が真後ろから吹いてきます。
時折、身体が吹き飛ばされそうな強い風です。
身を屈めながら強い風をやり過ごして歩きます。
このルートは大きな登りがないのでその点では楽なルートですが、そのため風がまともに吹きにけます。

 6:40分、佛生池小屋に着きました。
    

    

 ここは素通りして先へ進みます。
辺りは草原となり遮るものがないので風はますます強くなってきます。
木道の横でウスユキソウが咲いているのを見つけました。
    

    
     今回はこのウスユキソウを見るのが楽しみな一つでした。

 7:25分、山頂に着きました。
    

 山門を潜ると右手に祓い所があります。
そこで5百円を納め、お祓いを受けます。
半紙を人形に切ったものを渡されます。
それを両手に持ってお祓いを受け、人形に息を吹きかけてから横にある水盤に浮かべます。
それから奥宮へ入ります。
この先は写真撮影が禁じられていますので写真はありません。

 祓い所の下に参篭所がありましたのでそこで休ませてもらいます。
山伏姿の千達さんに案内された一行も「寒い、寒い、」と言いながら入って来ます。
「禁飲食」と書かれた張り紙があるので食べ物を我慢していたのですが、千達さんがおにぎりを食べだしたので私もパンを食べます。

 お腹も満たしたので下山します。

    

    

    

 帰りは向かい風となるので歩くのが大変です。
雨ではないのですが、細かな霧でメガネが曇ってしまいます。
それを拭きながら木道を踏み外さないように歩きます。

 何組かの団体が歩いてきます。
前後には山伏姿の千達さんがついていますので羽黒山の宿坊に泊まった登山客でしょう。
2時間かからずに10時前に登山口まで戻ってきました。

 ここから早池峰に登るため、岩手県の遠野市を目指して走ります。



スクーターで巡る東北の名山たち(鳥海山)!

2018-10-09 07:39:08 | その他の本州の山
 7月21日から25日にかけて東北の名山三座、鳥海山、月山、早池峰を登ってきました。
今回は、21日に苫小牧からフェリーを使い、22日朝に秋田港に入港し、そこから日本海に沿って南下して鳥海山の中腹にある鉾立山荘に1泊、翌日22日に鳥海山、23日に月山、24日に早池峰を登り、その夜に八戸からのフェリーで北海道に戻るという結構ハードな日程でした。

 実は2年ほど前にも原チャリで東北の名山巡りをしています。
この時は、苫小牧から八戸に渡り八甲田山、岩木山、八幡平、岩手山を登り、早池峰に向かウ予定でした。
しかし、早池峰に向かっている途中で原チャリが故障してしまい原チャリを処分して帰ってくるというトラブルがありました。

 今回はホンダのリード(110cc)という中古のスクーターを手に入れたので、このスクーターを使っての山旅になります。
    
     このスクーターの魅力は座席下の収容能力です。
     ヘルメットが2個入る収容力ですのでキャンプ用品も十分に収容できます。

 7月21日の夕方、苫小牧から秋田行のフェリーに乗り込み、翌朝秋田に到着。
ここから日本海に沿って南下します。
途中、象潟にある蚶満寺によります。
「象潟」とは、かつては松島同様無数の小島が浮かぶ入り江でした。
昔は、「九十九島、八十八潟」、あるいは「東の松島、西の象潟」と呼ばれたようです。
それが、文化元年(1804年)の大地震(象潟地震)で干潟に変わったのです。
 
その象潟にある蚶満寺は、奥の細道で有名な松尾芭蕉も訪れたことがあるお寺なのです。
鳥海山のふもとにあるので、今回はぜひ寄ってみたかったところです。

    
     国道を左に曲がると駐車場があります。

駐車場にスクーターを止めて左に曲がり歩いて行くと松尾芭蕉の銅像がありました。
    

    
     この田んぼだったところが昔は海だったのです。
     そして松が生えている所が海に浮かぶ小島でした。

    
     松林の先に山門が見えてきます。
    
     山門は、なかなか立派な造りです。

    
     本堂です。
    
     鐘撞堂です。

    
     タブの木です。

    
     六地蔵が祀られています。

 手入れの行き届いた風情のあるお寺でした。
裏手には昔海だった名残の舟を舫う石などがあり、ここがかっては海だったことを忍ばせてくれます。
    
 念願だった蚶満寺を参拝できたので鳥海山の中腹にある鉾立山荘へ向かいます。
鉾立山荘は鳥海山の中腹にあり、素泊まりの小屋になっています。
今回はこの鉾立山荘で神戸の山女たちと待ち合わせです。

 急な道路をあえぎながら登ります。
排気量の少ないスクーターには酷な道です。
へアピンカーブを何度も曲がり、喘ぐようにして走り鉾立に到着です。

 鉾立には立派な駐車場が何か所もあり、たくさんの登山客で溢れています。
その一角に鉾立山荘がありました。
    
     なかなか立派な建物です。

 この辺りは雲の中で涼しく、ホッとしました。
無事に同行者とも合流して明日の登山を待ちます。


 7月22日

 朝起きて外を見ますが、相変わらずの曇り空です。
というより、鳥海山の中腹から上に雲が張り付きその雲が動かないのです。
昨夜、天気を見るために外に出ましたが、下界のにかほ市の街の明かりが良く見えていました。

 4:50分、出発です。
鉾立山荘のすぐ近くに象潟口の登山口があります。
    

 雲の中で涼しく、整備された登山道を登ります。
鳥海山は高山植物も多いと聞いているので楽しみです。

    
     さっそく現れた鳥海アザミです。

 6:25分、御浜(おはま)小屋に到着です。
    

    
 
    
     小屋の裏手右下に鳥海湖が見えるはずですが雲に隠されて何も見えません。

 この辺りから高山植物のお花が目を楽しませてくれます。

    

    

    

    

    

    

    

    

 今年は、コバイケイソウの当たり年のようで大きな群落が花をつけています。

 7:05分、七五三掛(しめかけ)の分岐まで来ました。
    

    

 ここから先は、風が強いので外輪山コースを取らずに千蛇谷コースへ進みます。
千蛇谷コースには雪渓があるので神戸の山女は嫌がっていましたが、視界の無い風の強い外輪山コースは避けるのが賢明な判断です。
その心配した雪渓はそれほど残っておらずホッとしたのですが、その先の急坂もなかなかのものでした。

 8:30分、大物忌(おおものいみ)神社に着きました。
    

    
    ここで少し休憩します。
 
この社の入口にある大岩に鳥海フスマの花が咲いていました。
    

 少し休憩して元気が出たので山頂へ向かいます。
山頂は神社の前を少し戻り右手に向かいます。
すると目の前は岩が折り重なった小山となっています。
この岩を登らなければなりません。

    

    

    

 9:15分、新山の到着です。
ここが鳥海山の山頂になります。
    

 辺り一面のガスで何も見えません。
記念写真を写すと寒いのですぐに下山します。

 下山は気楽に花を楽しみながら下ります。
    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

 13:15分、象潟口の登山口へ戻ってきました。
    

 やれやれ、ガスで景色を楽しめない山となってしまいましたが、たくさんの高山植物に癒された山旅でした。
思ったより早く下山できましたので神戸の山女たちとはここで別れ、私は次の月山に登るために羽黒山のキャンプ場を目指してスクーターで走ります。






大峯山奥駈道を歩く・その6

2018-09-28 13:45:25 | その他の本州の山
 5月14日

 快適な小屋ですっかり休養を取ってリフレッシュできました。
雨は未明には止み、今日はいい天気のようです。
朝4時に目覚ましで目を覚まし、いつものように出発の準備をして5時に小屋を立ちます。

    
    小屋の前に立っていたのが、この行者堂です。

 あれだけ雨が降ったのも関わらず、奥駈け道はしっとりと濡れているだけで快適に歩けます。
    
    赤が映えます。

 6:20分、笠捨山に到着です。
    

    
     立派な石碑が建立されていました。

    
     葛川辻まで来ました。

 この先の槍ヶ岳から地蔵が岳までが今日一番の核心です。
鎖場が連続する難所なのです。
しかし、この鎖場が楽しかった!!
何回も上り下りを繰り返し、息をも付かせぬ有様です。
写真を撮る余裕もないほどなのです。

    
     やっと、最後の鎖を下ったところで1枚写すことができました。
最後の3mほどは、ほぼ垂直の岩壁でした。

 この難所を歩き終えると、あとは、平凡な登山道となります。

    
     こんな石仏が修行の道を示してくれます。

    
     四阿の宿跡です。 

 8:25分、香精山に到着です。
    

 ここからどんどん下ります。
そして着いたのが塔の谷峠です。
 10:00分、塔の谷峠です。
    
    辺りは杉の人工林です。
すっかり人里近くまで降りてきました。

    
     きれいに手入れされた人工林が美しいです。

 やがて、12世紀の森への分岐点に到着です。
    

    
     如意宝珠岳です。
 立派な名前がついていますが、なんていうことのないピークです。

    
     クモの口です。
ここは交通の要所となっています。

    

 ここから花折峠まで登りになります。
そして、立派な道路と交差するようになります。
こんなところから奥駈け道の古い景色と近代的な道路が交錯し、旅の終わりを実感させられます。

 11:20分、花折峠まで歩いてきました。
    

 ここまで来ると玉置山ももう少しです。

    
     道路の脇を歩くようになると修行の道もむなしい歩きに変わります。
 展望台が見えてくると玉置山の山頂ももう一息です。

 12:00分、玉置山の山頂です。
    
     山頂には何もなく、ペロンとしたむき出しの広場に山頂標識がぽつんと立っています。

 ここから立派な杉木立の斜面を下ります。
どんどん下ると右手の下の方に大きな杉が囲われた物が見えてきます。
    

    
     玉置神社の「玉石社」でした。

さらに5分ほど降ると、やっと、玉置神社に到着です。

 社務所の脇にザックを置いて本堂にお参りします。

 12:20分、玉置神社に到着です。
    
     立派な本堂です。

    

    

 そして、杉の巨木が何本もあります。
    
     夫婦杉です。

    

    
     神代杉です。

この他にも巨木があちらこちらにあります。
これら杉の巨木が玉置神社を荘厳にして神聖な雰囲気を醸し出しています。

 さて、この山の中から里にある市街まではバスが通っていません。
どなたかに乗せてもらわねばなりません。

 本堂前でご婦人2人連れに会いました。
十津川の市街まで乗せてもらえる尋ねたところ快諾していただけました。
しかも、新宮まで行くのでその途中なら十津川の先でもいいと言ってくださいました。
図々しく、熊野本宮まで乗せてもらうことにしました。

 お二人は大学の同級生とのことで一人は宝塚から、もうお一人は東京から来て観光をしているとのことです。
私より少し年上の素敵なご婦人でした。

 熊野本宮前で車を下ろしてもらいます。

    
     いよいよ熊野本宮にお参りです。

    

     この山門を潜ると三山神社がありますが、ここから先は写真撮影が禁止されています。

 熊野本宮をお参りしたので大斎原へ向かいます。
    

    
  
 熊野川の中州にあった旧熊野本宮跡地ですが、こちらの方が静かで霊気が感じられる場所でした。

 さて、これで2年越しの大峰山奥駈け道の歩きを終えたことになります。
昨年は台風のため途中で下山することになってしまいましたが、いろいろな人に助けられ気持ち良く歩くことができました。
このルートは水の補給が困難な道です。
古の人たちも水の補給に耐えながら歩いたことと思います。
まさに、修行の道です。
一番歩きたかった道を歩き終え、まだまだ日本中にある山岳修行の山を尋ねたいと思う気持ちが強くなった奥駈け道でした。     

大峯山奥駈道を歩く・その5

2018-09-04 19:00:55 | その他の本州の山
5月13日

 持経の宿は居心地のいい山小屋でした。
朝4時に目覚ましが鳴るまでぐっすりと寝ることができました。
窓の外を見ると白く霞んでいます。
どうやら天気は下り坂のようです。
ここまで、携帯が圏外なので天気予報を確認することができなかったのです。

2日前に天気予報を確認したときには、雨の予報があったもののそれは昨夜の予報です。
今日も天気はまあまあのはずです。
しかし、崩れることも予想しながら今日の行程を考えます。

 昨夜考えたのは葛川辻辺りでビバークの予定でしたが、それをあきらめ行深仙小屋まで行くことにします。
そこで、水をどうするか考えました。
水場が遠いならここからボッカしてもいいかと考えました。
結局、4リットルの水を背負って歩くことにしました。

 6:10分、今日の行程は短いのでちょっと遅めの出発です。
    
    小屋の前の林道を少し歩き、左手の山道へ進みます。
 
 ガスガスの登山道を歩きます。
辺りは真っ白で神秘的な雰囲気です。
一登りして降ると平治ノ宿小屋が見えてきました。
7:00分、平治ノ宿です。
    

小さな小屋ですが、小屋の中はきれいに整理されています。
    

    
     小さな祠もあります。

 ここは休まず通り過ぎます。

    
    転法輪岳を通過します。

 鎖場も越えます。
    

 何ていう木か分かりませんが、花が地面に散っておりその白い花がきれいな模様となって心を和ませてくれます。
    

    
    こんな景色が心を洗ってくれます。

 少しずつ霧が深くなってきます。
歩いているとどこからか鈴の音が聞こえてきます。
最初は幻覚?かと思っていると、どんどん鈴の音が大きくなります。
後ろを振り返るとトレランスタイルの人が走ってきます。
登山道の脇に寄って先に行ってもらいます。

こんな所でトレランの人に会うとは思いもしませんでした。
どこからスタートして来たか考えてみましたが、分かりません。

 そうこうしているうちに怒田の宿跡に着きました。
    

 雨粒が大きくなってきます。
しかし、林の中ですので樹木の葉に覆われているため身体には雨が当たりません。
ムシムシする林の中を歩いていると行仙岳に到着です。

 9:25分、行仙岳です。
    

 鉄塔を超えると雨が本降りになってきます。
ここから行仙小屋までは25分くらいですので頑張って歩きます。

 9:45分、行仙小屋に到着です。
    
    とても立派な小屋です。

 誰もいない小屋だと思って戸を開けると小屋の中が温かいのです。
ストーブが炊かれ、小屋には男性がいました。
この男性が「新宮山彦ぐるーぷ」の梶野さんでした。

 雨はいよいよ本降りとなってきました。
ストーブの周りに雨具などの濡れた物をかけて着替えを済ませます。

    

    

 梶野さんは、トレランの選手たちのサポートをするために昨日からこの小屋に詰めているとのことです。
トレランの話を聞くと、奥駈け道を前鬼で1泊し、2日間で走りに抜けるイベントだといいます。
でも、マイナーな大会で例年の参加者も10名ほどと小さなイベントです。
今年は参加者が少なく5~6人とのことです。

 こんな大会があるとは思いもしませんでした。
先ほど抜いていった人もこの大会の参加者でした。
この後の選手が2名ほど来ましたが、雨がひどいのでトレランを打ち切ろうとしていましたが、この山の中ではタクシーを呼べる場所も限られるようです。
結局、この小屋から2時間ほど走らないとタクシーも呼べないようでした。

 お昼頃に梶野さんも下山してしまうと私一人になってしまいました。

 幸いにこの小屋は携帯が使えます。
小屋の西側の窓によるとアンテナが立ちます。
天気予報を確認してみると今夜まで雨が続く予報です。
しかし、明日未明には止むとのことですので停滞することにします。

 水は梶野さんが汲み上げた物もあります。
薪もタップリあり快適な小屋生活ができます。

今日は行仙小屋泊りを満喫することにします。

明日の行程をどうするか考えていました。
心は、明日は玉置神社まで歩いて今回の奥駈けを終えるつもりになってます。
玉置神社からは町に近すぎて林道などの歩きが多いような気がしています。
また、玉置神社での宿泊は困難なようであり、適当な宿泊先が探せないこともあります。
そこで、玉置神社から十津川まで降り、熊野本宮まではバスを使うつもりです。


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   この行仙小屋は、「新宮山彦ぐるーぷ」が建てた小屋のようです。
 小屋の建設許可については、あの塩じいーこと元塩川大蔵大臣が一役買っていたとの
 ことです。
 
  小屋の建設に当たっては、「新宮山彦ぐるーぷ」の皆さんが地均しから手弁当で
 行ったとのことです。
 その苦労の作業工程を写した写真などが小屋内に展示されていました。
 それらを見せてもらいながらヌクヌクとした時間を過ごしました。



    
   
     

 

大峯山奥駈道を歩く・その4

2018-07-05 09:34:18 | その他の本州の山
 昨年秋に吉野から山上ケ岳に登り、近畿圏最高峰八経ヶ岳で終えた大峰山奥駈け道をこの春5月に歩いてきました。

 GW明けの5月11日から14日までの4日間で弥山から玉置神社までを歩いてきました。

 今回のコースは、水場に不安があるため渇水期となる秋ではなく雪融け水が期待できる春に歩くことにしました。
しかし、出発点となる奈良県天川村は、非常に不便な場所にあります。
交通機関を検索しても札幌から航空機を使っても上市から天川村に行く最終バスに乗るのがやっとという状況です。
5月10日の昼前の飛行機で新千歳空港を立ちます。
夕方、日の暮れる時間にやっと天川村に着きました。
ここから、タクシーを使って行者還トンネルにある登山口から弥山を目指そうとしましたが、そのタクシーが先約のため使えません。
やむなく、天川村から登ることにして計画を変更します。
八経ヶ岳から少し先の明星が岳間をカットして直接明星が岳を目指すことにします。
天川村から明星が岳まではコースタイムで6時間となります。

 5月11日

 朝5時過ぎに宿を出発します。
天川村は谷間にあるのでまだ日差しが届いていません。
薄寒い街の中を登山口目指して歩いているとお地蔵さんが祀られています。
    
    今回の奥駈け歩きが無事に終えられるように手を合わせます。

 ほどなく吊り橋を渡ります。
    
    この橋は人のみが渡れる橋です。

 宿から10分ほどで登山口に着きました。
    

 5:15分、さあ、ここから首が痛くなるほど上にある稜線目指して歩かなければなりません。
人工林の手入れされた斜面を登ります。
登山道はきれいに手入れされているのですが、朝一の身体には階段が堪えます。
噴き出してくる汗をぬぐいながらゆっくり登っていきます。

 稜線まで来ると少し傾斜が緩みます。
しかし、小さなコブ山を上ったり下ったりが延々と続きます。

 7:50分、ようやく栃尾辻に着きます。
    
    なんと、ここにある避難小屋の建物がひっくり返っているではありませんか。
どうやら、昨年秋の台風でひっくり返ったのでしょう。
こんなすごい風が吹いたのですから、昨年秋に弥山から撤退したのは賢明だったと思いました。

 ここから先は雑木林を歩きますが、日差しが樹々の間から差すだけで快適に歩けます。
9:35分、狼平との分岐点に到着です。
    

 少し傾斜が増してきますが、快調に歩けます。
左手に弥山が見えてきます。
    
    弥山小屋が見えています。

 ほどなく明星が岳に到着、ここから奥駈け道となります。
    

 ここまでちょうど6時間かかりました。
今夜の宿は楊子カ宿小屋を考えていますのであと2時間ほど歩かねばなりません。
天気がいいので日差しがきついです。
前方にはこれから向かう釈迦ケ岳が見えています。
    
     右手のピークが釈迦ケ岳です。

 暑さに疲れた心を花々が癒してくれます。
    

    
    オオウバユリの群落があちらこちらにあります。

    
    こんな石碑があり、ここが奥駈け修行の道であることを認識させてくれます。

    
    ツツジが所々に咲いています。

    
    舟の峠です。
ここから急な登山道を下ると小屋です。

 13:10分、楊子の宿小屋に到着です。
    
    なかなか立派な小屋です。

 さて、水場を探さなければなりません。
小屋のどこかに水場への標識があると思い探しましたが見つかりません。
辺りをウロウロしていると2人の登山者が小屋へ歩てきます。
どうやら今夜はこの小屋に泊まるようです。

 水場の場所を尋ねると「私たちも汲みに行くので一緒に行きましょう」と行ってくれます。
小屋の裏手に5分ほど歩くと、小さな本当に小さな流れがありました。
こんな小さな流れなら渇水期には枯れてしまうと思いました。
明日の行動水もここで確保できました。

あとはゆっくり小屋で休みます。


 5月12日

 今日もいい天気のようです。
朝4時に起きて登山準備をします。
一緒に泊まったお二人は釈迦け岳から前鬼に下山するのでのんびりしています。
朝食を済ませザックをまとめますが少し暗いので明るくなるのを待ちます。

 5:00分、外が明るくなってきたので出発します。
    
     今日もいい天気が望めそうです。

 昨夜はゆっくり寝ていたので身体の動きは快調です。
ドンドン先へ進みます。

 6:10分、孔雀岳をいつ通り過ぎたか分からず、孔雀覗まで来ました。
    

    何かと思い標識の先まで歩くと、その先は絶壁でした。
    

    

 いよいよ釈迦ケ岳が間近に迫ってきます。
    
  
    
    最後の登りの手前にお不動様いました。

 岩々した急斜面を登りきると釈迦ケ岳の山頂でした。
 7:20分、釈迦ケ岳に到着です。

    

    
    山頂にあるお釈迦様です。

 この青銅製の釈迦像は、一人の合力が運んだといわれています。
なかなか立派な釈迦像ですので時間をかけて手を合わせました。

 急な斜面を慎重に下ります。
ほどなく深仙小屋に着きました。
7:55分、深仙小屋です。
    
    小さな小屋です。

    
    こちらにあるお堂の方が立派です。

    
    ツツジの木の下で休憩しました。
 
 8:30分、太古の辻まで来ました。
    
    ここから前鬼へ下山できます。

 なお、吉野山からここまでを北奥駈けといい、ここから熊野までを南奥駈けというようです。
北奥駈けは、山上け岳に八経ヶ岳、そして釈迦ケ岳などいい山が連なっているので歩く人も多く、修行する山伏もたくさん歩いていたようです。
それに比べると南奥駈けは歩く人が少なくなり道が笹で覆われ廃道状態となっていたようです。
その廃道状態の奥駈け道を笹刈などをして復旧したのが「新宮山彦ぐるーぷ」の皆さんです。
この話を詳しく聞いたのは次の日に泊まった行仙宿山小屋でこのグループの世話人をしている梶野さんに会ったからです。

    
    所々に咲いているシャクナゲです。

 9:30分、天狗山を通過します。
    

 このあたりから強い日差しに苦しめられます。

 10:20分、嫁越峠を通過、苦しいながら順調に歩いています。
 
    
    10:40分、地蔵岳まで来ました。

 11:10分、般若岳通過。
    
  
 11:20分、滝川辻を通過。
    

 12:40分、証誠無漏岳です。
    

 この辺りは、同じような道が続き、ひたすらコブ山を登っては下る、の連続です。
暑さのせいもあり頭が少しボーッツとしてどこまで歩いてきたか、地図を確認しながら歩く有様です。

    
    鎖場を下るのも慎重さが求められます。

 13:30分、ようやく持経の宿小屋に到着です。
    

    
 
 長い一日でしたが、天気に恵まれ順調に歩いてくることができました。
この小屋は、水場が近くにあるので、とりあえずありったけのボトルを持って汲みに行きます。

 小屋のすぐ横にある林道を小屋前から左側に300mほど歩きます。
すると、山肌を滝のように流れる沢水がはば3~4mほどあり、爽やかな音を立て流れています。
楊子の宿小屋の水場に比べると何百倍もの水量があります。

 水を確保したのであとは小屋でゆっくり休みます。
天気予報をチェックしたいので携帯の電源を入れますが圏外の表示が出るだけです。
明日の天気が気になりますが、天川村でのチェックでは今夜は雨予報でした。
それを信じて明日の行動をどうするか考えます。

天気が良ければ、笠捨山を過ぎた葛川辻辺りまで歩きツェルトでビバークでもしようかなどと考えます。
そうすれば次の日の行動予定が楽になるかなどと考えていました。



   
     


    
 

大峯山奥駈道を歩く・その3

2018-07-03 09:23:28 | その他の本州の山
この記事は、2017年9月13日から15日のものです。

 9月14日

 山上ケ岳山頂にある宿坊「喜蔵院」では、8畳間の部屋に布団で寝ましたが、身体のあちらこちらに痛みがあり寝返りばかりを打っていたような気がして熟睡した感じはありませんでした。
5時に目覚ましが鳴り起床、外はまだ真っ暗です。
布団をたたみ、食事を作る用意をして1階へ下ります。

 静かに食事を終え、再度2階の部屋に上がりザックのパッキンをします。
外は少し明るくなってきました。
どうやら今日はいい天気のようです。

 6:00分、外が明るくなり歩くには支障がないようですので出発します。
山頂にあるお堂は扉が閉じられているので入口の前で手を合わせお参りをして下ります。
今日の行動予定は、コースタイムで9時間40分、弥山まで歩く予定です。

 6:45分、かなり下ってきたところで少し開けた場所が見えてきます。
沢音が聞こえてきます。
どうやら小笹の宿のようです。
ここには小さいですが避難小屋があります。
    

 そしてその手前には立派な護摩壇もあります。
    

    

 白人系の外人男性が2人登山準備をしています。
どうやら昨日山頂で会った外人さんたちのようです。
この小笹の宿は、とてもいい宿泊地だと思いました。
周りは気持ちのいい雑木林、水があり、テントサイト地してもかなりの環境です。

 さらに降ります。
太陽は顔を出しましたが、雑木林越しに日差しがあり、冷えた空気が気持ちよく快調に歩けます。
    
    こんな感じの林を歩きます。

これから歩く山並みが見えています。
果てしなく続く山並みです。
    

 7:20分、阿弥陀ケ森にある女人結界門を潜ります。
    
    こちらの門は悪戯されていませんでした。

 ここからは、また登りになり大普賢岳を目指して歩きます。
小さなコブを越えて少しづつ高度が上がり、8:25分大普賢岳に到着です。
    

 ここから先の稜線を見るといくつものコブ山が重なり、ただただ足を前に出すことに集中して歩きます。
いくつかの鎖場を下り行者還岳の山頂との分岐点に来ました。
ここは山頂を踏まずに下ります。
このくだりもすごかった!!
木の根が絡まった急斜面が鎖場となっています。
    
     慎重に下ると小さな沢一面に苔が生えており、太陽に日差しに輝いていました。

苔のきれいさに思わず見とれてしみました。
    

 10:40分、行者還小屋に到着です。
    
    すごく立派な小屋でした。

 ここには水場があるはずですが、小屋の中を見ても水場への案内分などはありませんでした。
小屋から水場への略図でもあれば便利なのにと思いました。

 行者還小屋からは起伏もなく快適な尾根を歩きますが、日差しが強くなり暑くなってきたので苦しくなってきます。
正面に見える一の峠を目指してひたすら足を動かします。

 12:30分、やっと、一の峠に到着です。
    

 ここから先、コースは90度右に曲がり、弥山まで2時間半ほどでしょうか。
少し先が見えてきたので気持ちが楽になってきました。
暑さに苦しみながら疲労の溜まってきた体に鞭を打っての歩きが続きます。

 13:10分、奥駈出合いに来ました。
    
    ここは、行者還トンネルから弥山に登る登山道があります。

 どうりで、ここから先に向かって歩いていると下山してくる人に会うようになりました。

 14:10分、理源大師像まできました。 
     

 ここから先が大変でした。
延々と階段が続くのです。
心が折れそうになり、足が止まりそうになりますが、何とか1歩1歩を進め、階段を登ります。

 15:00分、やっと階段を上り終えると弥山小屋の建物が見えてきました。
やれやれ、9時間かかって今日の目標である弥山に到着です。

    
     弥山小屋の全景です。

    
     弥山にも立派な護摩壇があります。

 小屋に入り宿泊をお願いします。
今夜の宿泊客は私一人のようです。
この弥山小屋に宿泊するには予約が必要のようです。
私は素泊まりでしたので泊めていただけました。

 さて、今日はいい天気でしたが気になるのは台風です。
小屋のご主人に台風の状況を聞くと、台風18号は進路を中国手前から東に変え九州に向かっているとのことです。
明日の天気は持つようですが、明後日以降は九州に上陸しそうな台風の影響で紀伊半島は40mを超える風と雨が降るとのことです。
その先の状況を考えると明日下山するのが賢明かと思い、天川村に下山することにしました。


 9月15日

 ここまで来たので八経ヶ岳を登ってから下山することにしました。

 5:40分、弥山小屋を少し暗いうちに出発して下ります。
ほどなく登山道は登りになり、一息で八経ヶ岳に山頂でした。
    
     八経ヶ岳の山頂です。

    

    
    弥山小屋が見えています。

 弥山小屋に戻り、天川村を目指して降ります。
こちらも延々と続く階段があります。
谷に向かって続く階段を下っていると単独の男性が登ってきます。
挨拶を交わして下ると、ほどなく狼平の避難小屋が見えてきました。
    
    なかなか立派な小屋です。

 小屋の前で食事を取っている女性がいたので少し話をします。
この小屋に泊まったとのことで、さらに男性が2人いたようです。

 ここから天川村までが長かった!

 9:05分、栃尾辻まで下ってきました。
    
    トタン造りの簡単に避難小屋です。
    小屋の中は土間で雨が防げるだけといった小屋です。

 人工林の杉林を下り、目の下に見える天川村目指してひたすら下ります。
クタクタになったところでようやく建物の屋根が見えてきます。

 11:00分、天川村の登山口まで下りました。
    

 今回はこれで奥駈け道の挑戦は終了です。
八経ヶ岳から先を残したので再挑戦を心に誓い天川村を後にしました。

 北海道に帰るとこの台風18号は暴風により北海道にも甚大な被害を与えていたことが分かりました。
大樹町大樹(たいき)で85.0 ミリの雨量を観測し、観測史上1位の値を更新するほか、風による被害も甚大であちらこちらの林道が被害を受け、今でも開通が未定の林道があるのです。
このことにより登山口まで車で行けない山が幾つもあります。