井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

初めてヒグマと鉢合わせ・・・

2010-08-17 21:07:56 | 日高山系の山
8月5日の午後からエサオマントッタベツ岳からカムイエクエチカウシ山まで縦走すべくS氏と二人で出かけました。

まずは車を下山地点となるカムエク登山口となる札内川の駐車場へ移動させます。
その後、出発地点のエサオマン登山口となる戸蔦別川6号堰提にある駐車場へ移動、こんばんはここで車中泊です。

8月6日、朝5時にまずはエサオマンを目指して出発です。

戸蔦別林道を20分ぐらい歩くと右手にエサオマントッタベツ川の分岐があります。
ここから廃道となった林道をさらに歩きます。
50分ほどで最初の渡渉点に着きます。
沢水の様子を見ると膝下くらいの水深でしょうか。

順調に沢を渡渉して、さあ、これから本格的な沢登りです。
前回歩いた沢ですので順調に歩いていきます。
天気もいいし、気持ちよく歩けます。

巻き道があるところでも、沢水が少ないところは沢の中を歩いていきます。

およそ1時間くらい歩いたところで事件勃発です。

S氏は沢の中を歩き、私は右岸にある巻き道を歩いているときです。
生い茂った草が肩から顔あたりまで伸びていました。
その草を両手で掻き分けながら歩いていました。

ふと前方の草陰に何か黒い丸いものが見えました。
私はS氏が先を歩いているのかと思いましたが、そんなはずはありません。
2歩~3歩進んでハット気がつきました。

黒くて丸いものはクマです。
顔を地面につけて何か食べているようです。
一瞬、立ち止まったときのクマとの距離は10メートルくらいでしょうか。

立ち止まってクマだと思った瞬間、クマが顔を上げて私と目が合ってしまいました。
その時、自然に「ウォー!」と声を上げてしまいました。
その声を聞いてクマが左に身体を曲げて後ろ向きに走っていきました。

私が立ち止まってクマが逃げるまでの時間は、ほんの2~3秒でしょうか。
驚くとか逃げようとか考える間もなくクマが逃げてくれたので、幸いなことに事故にはなりませんでした。
私は巻き道から直ぐ沢に降りて、丁度沢の中にいたS氏に「クマがいました!」と告げました。

それからは、巻き道にはいるときには笛を鳴らしてから入るようにしました。


さて、さて、今まで何度かクマの糞や掘り返しを見てきましたが、実際にヒグマを見たのは初めてでした。
ヒグマにあったときは騒がず、後ろ向きになって逃げず、ヒグマから目を離さずに後ずさりするのが一番良いといわれていますが、今回は私の声に驚いた?クマの方が逃げてくれたので、私は何もせずに済んでしまいました。

それにしても、音もなくスーッと後ろ向きになって逃げたクマのスピードはなかなか速いものでした。

クマとの遭遇は一瞬でしたので、それほど後を引くこともなく普段の気持ちで

登山を続けられることができました。

私達は、何事もなかったように北東カール目指して順調に登っていきます。

残雪の斜里岳(1,547m)・10年5月

2010-08-11 16:28:47 | 知床山系・斜里岳・阿寒の山
今年の北海道の7月が雨の多い月でした。
しかし月が変わって8月になると暑い日が続きます。
でも、湿度の高い暑さですので、北海道らしいカラッとした天気とはまるで違います。

こんな天気ですので、今年の5月に行った斜里岳の雪景色をお楽しみください。


 羅臼岳の南西ルンゼを滑り終えた私達は、そのまま斜里岳の麓にある清里町へ車を走らせます。
 清里町に着くと真っ直ぐに斜里岳の登山口を目指します。
斜里岳の登山口から先の林道にはゲートがありこのゲートは山開きまで開いてくれません。

 今回私達は、このゲートの左手にある林道を車で入れるところまで詰めて、
そこから沢沿いに山頂を目指す計画を立てました。
地図により確認するとその方が林道を歩くより速く登れるのです。

少し林道を走ると右手に見える沢が1の沢から続くチエサクエトンビ川なのです。
2~3キロ走るとその先の林道には雪が残り、車で走ることができなくなります。
この地点を地図で確かめます。
沢の状態を確認すると残雪で埋まっています。

ここまで確認してから、今晩の宿とするJR清里駅前へ向かいます。
清里駅前の広場には立派な名トイレもあり車中泊するには十分です。


 5月3日、浅めを覚まして外を見るとどうやらいい天気のようです。

 早速朝食を食べて登山口へ向かいます。

 登山口から左手に続く林道を入り昨日確認した地点に車を駐車します。

 5:45分、沢の中に入り、スキーを付けて歩き出します。
最初は沢の中を歩いていたのですが、どうやら左岸の方が歩きやすそうです。
右岸は植林された針葉樹林が続いており、左岸は雑木林が続いています。
沢から左岸にあがってみると雑木林の中に林道らしい道の跡があります。
この発見にすっかり気をよくして林道跡を快調なピッチで歩きます。

 6:30分に除雪された林道との合流点にたどり着きます。
ここまで来ると清岳荘ももうすぐです。

 7:20分、旧清岳荘跡までやってきました。
林道はここが終点となっています。
ここからは1の沢を忠実に辿って山頂を目指します。

しばらく沢を登っていると雪崩の跡が見えてきます。
どうやら表層雪崩の跡のようでデブリが沢を埋めています。
    
    連休前に降った新雪が雪崩となって落ちたようです。
この地点は昨年にも同じように雪崩れた跡があった場所です。

    
    デブリの到達点から雪崩れ発生地点を俯瞰した写真です。

今年はこの先にも2カ所ほど雪崩れた跡がありました。

昨日の疲れも感じず、順調に進みます。
暑さのため汗がダラダラと流れてきます。
(清里町に下山して聞いた話では、この日の気温が25度近くあったとのこと。)

 8:10分、下二股に到着です。
   
   下二股から見た山頂です。
   右手最奥に見える半円状の真っ白なコブが山頂です。

 ここまで歩いてきた感じでは、雪の量は昨年並みといったところでしょうか。

 さて下二股から狭くなった沢沿いを進みますが両岸が切り立ってきます。
その中をジグを切ってドンドン高度を稼いでいきます。

 上二股あたりで少し沢が開いているところがありましたが、
気を付けていればスキーで下るにも支障はありません。

 上二股を過ぎると遙か先に見える馬の背まで大斜面が目に飛び込んできます。

 10:00丁度、馬の背に到着です。
ここまで来ると東側の視界が一気に開けます。
海別岳から知床の山並みが見えてきます。
しかし、国後島は霞がかかって見えません。

馬の背にスキーをデポして、ここからはアイゼンを着けて山頂へ向かいます。
慎重に登って10:55分、山頂に到着します。

山頂からは南斜里岳から摩周湖、屈斜路湖などが見えています。
摩周湖の中島までがハッキリと見えています。

 それでは山頂からの景色をお楽しみください。

   
   すぐ隣に見える海別岳です。

   
   南斜里岳です。
   この山裾からスノーモビルが入ってきているようで、馬の背までモビルの跡がありました。

   
   この左手に続いて下っている尾根が西尾根です。
   通常、残雪期にはこの尾根を使って清岳荘から登るのが一般的だと
   言われていますが、私は登ったことがありません。

 山頂から下っていると馬の背を登ってくる単独の男性の姿が見えました。
途中でお話を聞くと、日高へ行っていたが天気が悪いのでこちらへ転進したとのことです。
今日は、根北峠からツボ足で歩いてきた様です。

 馬の背でスキーを付けると一気に1の沢目座して降ります。
どちらへ曲がっても問題のない大斜面を自分の技量に合わせて降ります。
アッという間に上二股です。
 新雪に何度か足を取られ頭から転びました。

 そこからは、足が疲れガクガクになるのをだましだましスキーを滑らせ、
11:45分には下二股到着です。

ここでゆっくり休憩を取ってさらに降ります。

13:25分には車を止めた場所へ戻ってきました。

やれやれ、これで長い下りも終わりです。

この2日間、好天に恵まれこれ以上ないスキーが楽しめました。
満足、満足な山スキーでした。


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   今回のGWは好天にも恵まれ羅臼岳、斜里岳でスキーを楽しむ
  ことができました。
  
   昨年に引き続き同じ山に登ったわけですが、昨年はツボ足で
  今年はスキーですから、また、違った楽しさがありました。

   それにしても斜里岳を走っているスノーモービルには怒りを感じます。
  もう少し良識を持ってモービルで遊ぶことはできないのでしょうか?
  こんな事を繰り返していると、ドンドン自分達の使えるフィールドを
  狭くしてしまうのではないでしょうか?

   


 

しばらく更新してませんが・・・

2010-08-09 22:34:19 | その他
このブログもしばらく更新してませんが、登山の方は順調にあちらこちらの山へ出掛けています。

ゴールデンウィーク後に登った主な山は、

5月では、

 22日から23日にかけて、1泊して最後の山スキーにオプタテシケ山へ
 行って来ました。
  天気に恵まれ、十勝から網走方面は一面の雲海、頂上直下100メートル下まで
  スキーで登り、帰りは大斜面を思う存分の滑走でした。

 29日から30日にかけて、芦別岳本谷をツボ足で登ってきました。
  この山行も天気に恵まれましたが、本谷の三ツ股から先のルートを間違え
  右股から旧道に登ってしまいました。
  山頂直下の雪面を一気にグリセード、楽しかったです。


6月には、

 5日から6日にかけて、平山からニセイカウシュッペ山へアンギラスを越えての
 登山です。
  今年はいかに雪が残っているかを象徴した登山で、登山口から直ぐに雪が残っており
  いきなりから沢を登りました。
  大雪山も綺麗に見えた気持ちよかったのですが、一人で登っていましたので
  アンギラスを越えるときはちょっと緊張しました。

 12日から13日は、ニペソツ山へ行って来ました。
  残雪の残るニペソツ山の前天狗までテントを担ぎ上げ、夕日と朝日に輝く山頂の
  景観をほしいままに楽しむことができました。

 19日から20日は、日高にある札内岳のガケの沢の様子を見に行きました。
  エサオマントッタベツ川の水量が多いため、ここからの札内岳を諦めて
  急遽、十勝幌尻岳を登ってきました。
  カムエクの姿を見たかったのですが、山頂に着いた時は湧きだした雲に
  隠れていました。

 26日から27日は、日高山脈の南部にある野塚岳へ沢登りに行ってきました。
  本格的な沢登りは初めてでしたが、約3時間の沢登りは気持ちよく登れました。
  他にも沢山の人が登っており、人気のコースです。


7月に入り

 4日には、十勝岳から美瑛岳を日帰りで白金温泉望岳台から登りました。
  天候不順な7月を象徴するような山行で美瑛岳からの下りで雨に降られました。
  雷がゴロゴロとなる中を下山しましたが、最初はオプタテシケ方面で
  ゴロゴロ鳴っていたので安心して歩いていましたが、1発だけ頭上を
  シャッーツ、シャシャーと低く重い音がして雷が走り、
  思わずしゃがんでしまいました。

 16日から17日にかけて、エサオマントッタベツ岳へ行って来ました。
  初めて本格的な日高の沢への挑戦でした。
  一人で北東カールまで登りテントで1泊、翌日、稜線へ登ろうとしましたが
  残雪が多いため途中で敗退。
 
  下山中の沢の中で、越えようとした岩が滑り右眉の上をぶつけて出血、
  札幌へ帰ってきても血が止まらず、救急外来へ行くと縫った方が治りが
  早いとのことで2針縫いました。

 31日には、ノンビリ登山で大雪山五色ヶ原へ出掛けました。
  沼ノ原の湿原からトムラウシ山を見るのが目的です。
  湿原に咲く花の向こうに道道と聳えるトムラウシ山。
  大きくて形のいい山です。
  この山に3月の厳冬期に登ったことが信じられないくらい神々しく聳えています。

  昨年7月の遭難事故を思い、山に向かって手を合わせてきました。


8月に入り

  5日からエサオマントッタベツ岳からカムイエクエチカウシ山へ
 縦走しようとしましたが、天候の悪化が予想されたので主稜線から
 下山してきました。

  近々、この山行からブログに記録を残そうと思います。