ニペソツ山を登り次の山をどこにしようかと話し合ったところ南日高にあるピリカヌプリはどうだろうかということになりました。
O氏は登ったことがあるものの私とS氏は登っていません。
早速、日程を調整して4月16日から18日の2泊3日で計画を立てます。
私達の計画にSa氏とIさんが加わることになりました。
天気予報をチェックしていると低気圧の通過により16日夕方から雨、17日は強風とのことです。
多少の風ならと思いましたが、高度1800m辺りで20メートルを超える予報では、さすがに当初の日程通りは無理と判断し、予定を1日繰り下げ17日から19日に変更しました。
17日は札幌も風が吹き、浦河町に向かって車を走らせても風が強く、それでも、登山口となる野塚トンネルで判断することにして現地へ向かいます。
野塚トンネルでは沢筋を強風が吹き荒れています。
晴れていれば目の前に見えるトヨニ岳も雲の中です。
これでは、今日の入山は無理だと判断して時間つぶしに「アエル」でお風呂に入って時間を潰すことにします。
天気は昼過ぎから晴れてきたものの風の強さが変わりません。
ここでピリカヌプリをあきらめ日帰りで野塚岳からオムシャヌプリを往復する計画に変更します。
4月18日、天気は快晴、風も収まっています。
ところが昨夜のお酒が利きすぎたのか全員が朝寝坊をして4時起きが5時に目を覚ます有様です。
脱兎のごとく朝食を食べますが、Iさんは昨夜から頭痛がするとのことで体調が悪く朝食もいらないといいます。
それでも、山には登るとのことですので朝食を済ませ日帰り装備を確認して野塚トンネルの十勝側の入り口にある駐車場を目指します。
6時40分、予定より遅れましたが野塚岳に向かって北尾根を目指します。
まずはカリカリになっている雪の斜面を登ります。
最初からアイゼンを付ける人もいましたが、私は表面の雪にキックステップが効くのでそのままツボ足で登ります。
1時間ほど登り最初の休憩でほぼ稜線上の1147mのコブに達します。
この1147m地点からトヨニ岳が真っ白に輝く姿が見えます。
ここで休憩を取り後続を待ちます
そして私はここから先はアイゼンを付けます。
後続が追いついてきたところで行動食を食べますが、Iさんはうずくまりお腹の調子がが悪いといいながら吐いてしまいます。
S氏がIさんにポカリを飲ませたり面倒を見てくれます。
少しやすむと幾分落ち着いたようです。
こういう気遣いはS氏にかないません。
尾根に出ているのですが風もないので歩いているとうっすらと汗がにじんできます。
ウィンドブレーカーも脱いで、私は快調に歩きます。
Iさんの調子も少しずつ良くなっているようでそれほど遅れずに歩いてきます。
ところどころ尾根が狭くなっており雪庇の大きいのが出来ています。
しかも亀裂が入っているところもありますのであまり近づかずに歩きます。
8時50分、1223mのピークまで来ました。
目の前に大きな斜面が見えてきます。
野塚岳の山頂へ続く大きな雪の斜面の尾根です。
この斜面を30分ほどかかって登るとやっと山頂です。
10時25分山頂に到着です。
この山頂からは南日高の大眺望が広がります。
まず北の方向にはトヨニ岳が大きく翼を広げたように見えます。
南にはオムシャヌプリから十勝岳、その奥には楽古岳が見えています。
この野塚岳の山頂に着いた時点でオムシャヌプリへ行くことはあきらめました。
何故かというと、このメンバーで野塚岳からオムシャヌプリを往復するのには4時間は掛かってしまいます。
いくら天気が良いとはいえこのメンバーでは荷の重い行程です。
トヨニ岳の山頂と東峰の合間にピリカヌプリの山頂が顔を覗かせています。
さらに東の方には中部から北日高の山々が見えています。
北にあるトヨニ岳に続く雪の斜面を見ているとこのまま登ってきた尾根を下る気にはなれませんでした。
そこで、私はトヨニ岳に向かう国境稜線を歩き直接野塚トンネルの入り口に向かうコースを下りたいとメンバーに告げます。
ところが、Sa氏が途中の尾根にストックを置いてきてしまっていました。
そこで、Sa氏とIさんが登ってきたコースを下ることとして、私にS氏とO氏の3人はトヨニ岳へ続く稜線の途中から下山することにしました。
11時ちょうど、3人と2人の二組に分かれ下山します。
山頂からいきなりの急斜面をドンドン下ります。
この稜線には数日前に歩いたようなトレースが残っています。
10分ほどでコルまで降り、ここから少し登ります。
この登り終えたコブが西野塚岳と称したところです。
登り終えたところで野塚岳方面を見るとSa氏とIさんがちょうど野塚岳の山頂を下ったようでした。
真っ白な尾根にごま粒のような黒い点が見えています。
このコブからまた下っていると前方に雪で作ったブロックが見えてきます。
そばに行って見るとテントサイトの跡でした。
高さ1メートルくらいのブロックが野塚岳に向かって
コの字型に積み上げられています。
稜線に残っていたトレースはこの人達のもののようです。
ブロックの大きさからすると3~4人用のテントが張られていたようです。
稜線に残されている雪尻に気をつけながら歩いているとトヨニ岳の東側に大きな山が見えてきます。どうやら神威岳のようです。
これらの景色を楽しみながら下降点に着きます。
野塚岳の山頂からまだ1時間も経っていません。
思ったより早く歩けています。
稜線に別れを告げ急な斜面を掛け下ります。
一応雪崩れに気をつけるため尾根場の斜面を選んで下ります。
雪面の表面は太陽に熱でうっすらと溶けてきています。
アイゼンの爪を効かせながら快調に下りますが所々堅く凍った斜面があるので足を取られないように下ります。
中腹辺りで1時間ほど経ちました。
「休憩しますか?」とメンバーに聞いたところこのまま下まで降りようということになり
さらに下ります。
直ぐ下にトンネルの入り口と駐車している車が見えます。
下るに従って雪が柔らかくなり足が埋まって転びそうになります。
O氏はシリセードを使いながら上手に下っていきます。
私はアイゼンの爪が邪魔になるのでアイゼンを外しツボ足で下ります。
急な斜面を降り終えて沢に出るとそこはもう野塚トンネルの入り口でした。
12時40分、トンネル入り口にある駐車場に着きました。
ここで、別ルーツで降りてくるSa氏とIさんを待ちます。
40分ほど経ったところでSa氏とIさんが降りてきます。
今回の登山は天候に恵まれずピリカヌプリへ行くことは出来ませんでしたが、野塚岳からほんの少しですが国境稜線を歩けたのでヨシとします。
胸の中には消化不良でモヤモヤした気持ちですが、「この次は、きっとピリカヌプリの山頂を踏むぞ」と心に誓って野塚トンネルを通り抜け札幌へ向かいます。
O氏は登ったことがあるものの私とS氏は登っていません。
早速、日程を調整して4月16日から18日の2泊3日で計画を立てます。
私達の計画にSa氏とIさんが加わることになりました。
天気予報をチェックしていると低気圧の通過により16日夕方から雨、17日は強風とのことです。
多少の風ならと思いましたが、高度1800m辺りで20メートルを超える予報では、さすがに当初の日程通りは無理と判断し、予定を1日繰り下げ17日から19日に変更しました。
17日は札幌も風が吹き、浦河町に向かって車を走らせても風が強く、それでも、登山口となる野塚トンネルで判断することにして現地へ向かいます。
野塚トンネルでは沢筋を強風が吹き荒れています。
晴れていれば目の前に見えるトヨニ岳も雲の中です。
これでは、今日の入山は無理だと判断して時間つぶしに「アエル」でお風呂に入って時間を潰すことにします。
天気は昼過ぎから晴れてきたものの風の強さが変わりません。
ここでピリカヌプリをあきらめ日帰りで野塚岳からオムシャヌプリを往復する計画に変更します。
4月18日、天気は快晴、風も収まっています。
ところが昨夜のお酒が利きすぎたのか全員が朝寝坊をして4時起きが5時に目を覚ます有様です。
脱兎のごとく朝食を食べますが、Iさんは昨夜から頭痛がするとのことで体調が悪く朝食もいらないといいます。
それでも、山には登るとのことですので朝食を済ませ日帰り装備を確認して野塚トンネルの十勝側の入り口にある駐車場を目指します。
6時40分、予定より遅れましたが野塚岳に向かって北尾根を目指します。
まずはカリカリになっている雪の斜面を登ります。
最初からアイゼンを付ける人もいましたが、私は表面の雪にキックステップが効くのでそのままツボ足で登ります。
1時間ほど登り最初の休憩でほぼ稜線上の1147mのコブに達します。
この1147m地点からトヨニ岳が真っ白に輝く姿が見えます。
ここで休憩を取り後続を待ちます
そして私はここから先はアイゼンを付けます。
後続が追いついてきたところで行動食を食べますが、Iさんはうずくまりお腹の調子がが悪いといいながら吐いてしまいます。
S氏がIさんにポカリを飲ませたり面倒を見てくれます。
少しやすむと幾分落ち着いたようです。
こういう気遣いはS氏にかないません。
尾根に出ているのですが風もないので歩いているとうっすらと汗がにじんできます。
ウィンドブレーカーも脱いで、私は快調に歩きます。
Iさんの調子も少しずつ良くなっているようでそれほど遅れずに歩いてきます。
ところどころ尾根が狭くなっており雪庇の大きいのが出来ています。
しかも亀裂が入っているところもありますのであまり近づかずに歩きます。
8時50分、1223mのピークまで来ました。
目の前に大きな斜面が見えてきます。
野塚岳の山頂へ続く大きな雪の斜面の尾根です。
この斜面を30分ほどかかって登るとやっと山頂です。
10時25分山頂に到着です。
この山頂からは南日高の大眺望が広がります。
まず北の方向にはトヨニ岳が大きく翼を広げたように見えます。
南にはオムシャヌプリから十勝岳、その奥には楽古岳が見えています。
この野塚岳の山頂に着いた時点でオムシャヌプリへ行くことはあきらめました。
何故かというと、このメンバーで野塚岳からオムシャヌプリを往復するのには4時間は掛かってしまいます。
いくら天気が良いとはいえこのメンバーでは荷の重い行程です。
トヨニ岳の山頂と東峰の合間にピリカヌプリの山頂が顔を覗かせています。
さらに東の方には中部から北日高の山々が見えています。
北にあるトヨニ岳に続く雪の斜面を見ているとこのまま登ってきた尾根を下る気にはなれませんでした。
そこで、私はトヨニ岳に向かう国境稜線を歩き直接野塚トンネルの入り口に向かうコースを下りたいとメンバーに告げます。
ところが、Sa氏が途中の尾根にストックを置いてきてしまっていました。
そこで、Sa氏とIさんが登ってきたコースを下ることとして、私にS氏とO氏の3人はトヨニ岳へ続く稜線の途中から下山することにしました。
11時ちょうど、3人と2人の二組に分かれ下山します。
山頂からいきなりの急斜面をドンドン下ります。
この稜線には数日前に歩いたようなトレースが残っています。
10分ほどでコルまで降り、ここから少し登ります。
この登り終えたコブが西野塚岳と称したところです。
登り終えたところで野塚岳方面を見るとSa氏とIさんがちょうど野塚岳の山頂を下ったようでした。
真っ白な尾根にごま粒のような黒い点が見えています。
このコブからまた下っていると前方に雪で作ったブロックが見えてきます。
そばに行って見るとテントサイトの跡でした。
高さ1メートルくらいのブロックが野塚岳に向かって
コの字型に積み上げられています。
稜線に残っていたトレースはこの人達のもののようです。
ブロックの大きさからすると3~4人用のテントが張られていたようです。
稜線に残されている雪尻に気をつけながら歩いているとトヨニ岳の東側に大きな山が見えてきます。どうやら神威岳のようです。
これらの景色を楽しみながら下降点に着きます。
野塚岳の山頂からまだ1時間も経っていません。
思ったより早く歩けています。
稜線に別れを告げ急な斜面を掛け下ります。
一応雪崩れに気をつけるため尾根場の斜面を選んで下ります。
雪面の表面は太陽に熱でうっすらと溶けてきています。
アイゼンの爪を効かせながら快調に下りますが所々堅く凍った斜面があるので足を取られないように下ります。
中腹辺りで1時間ほど経ちました。
「休憩しますか?」とメンバーに聞いたところこのまま下まで降りようということになり
さらに下ります。
直ぐ下にトンネルの入り口と駐車している車が見えます。
下るに従って雪が柔らかくなり足が埋まって転びそうになります。
O氏はシリセードを使いながら上手に下っていきます。
私はアイゼンの爪が邪魔になるのでアイゼンを外しツボ足で下ります。
急な斜面を降り終えて沢に出るとそこはもう野塚トンネルの入り口でした。
12時40分、トンネル入り口にある駐車場に着きました。
ここで、別ルーツで降りてくるSa氏とIさんを待ちます。
40分ほど経ったところでSa氏とIさんが降りてきます。
今回の登山は天候に恵まれずピリカヌプリへ行くことは出来ませんでしたが、野塚岳からほんの少しですが国境稜線を歩けたのでヨシとします。
胸の中には消化不良でモヤモヤした気持ちですが、「この次は、きっとピリカヌプリの山頂を踏むぞ」と心に誓って野塚トンネルを通り抜け札幌へ向かいます。