井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

厳冬期のトヨニ岳(南日高)へ! その2

2012-02-27 20:42:08 | 日高山系の山
 昨夜はちょっと寒かったです。
というのは、私が一番入り口近くに寝ていたせいです。
入り口は雪のブロックを積んで塞いでいたのですが、空気取りのために一番上に少し隙間を開けておきました。
この隙間から外の冷気が入ってくるのです。
それでも、雪洞内の気温は-2~3度といったところでしょうか。

 4時に起きるはずが、雪洞内の静けさと暗さのために1時間ほど寝坊してしまいました。
あわてて朝食の準備をします。
朝食は餅入りの雑炊です。
卵スープに佐藤のご飯を入れて軽く煮立てます。
塩を足して味を調整したら一煮立ちで柔らかくなる餅と水菜を入れます。
簡単ですがこれで完成です。

 朝食を済ませて出発の準備をします。
寝袋などの不要品は雪洞内に置いていきます。

 6:50分、さあ、出発です・
外は曇り空ですが風もなく最高の天気です。
   
    南を見ると十勝側は雲海に沈んでいます。

 ここから2つコブを越えると南峰です。
細い稜線など緊張させられる場面もありますが、風がないのが幸いしてます。
1歩1歩慎重にステップを切って登ります。
    

 7:35分、南峰に到着です。
目の前には本峰、北峯、そして一番奥にうっすらと赤く輝くピリカヌプリも見えます。
南峰を降り、目の前に見える本峰を目指します。
    
    右手には雪庇が張り出しています。
その中間部の雪庇が小さいのです。
このポイントは絶好の雪洞ポイントになります。
それらを確認しながら少し登るとトヨニ岳の本峰です。
7:50分、雪洞から登りだして丁度1時間で着きました。

    
     素晴らしい仲間との記念写真です。

    
    目の前には本峰より少し高い北峯が聳えています。

 本峰から右手に少し回り込むと風の影響が少なくなります。
ここで、これから北に広がる重々たる山容を目に焼き付けます。
遙か彼方にピリカヌプリが見えています。
この次には、このピリカヌプリのさらに先まで歩かなければいけないのです。
ちょっと気の遠くなる距離です。

 稜線は風が強いので直ぐに戻ります。
    
 南峰が目の前に大きく聳えています。
この峰を登り、ナイフリッジを慎重に降ります。
一度登っている稜線の歩き返しは何となくの安心感があります。

 8:40分、雪洞へ戻ってきました。
ここで残していた荷物をザックに積み込みます。
忘れ物がないかを確認して雪洞の入り口を閉じます。
雪洞入口の目印としてデポ旗を立てておきます。

 さあ、ここから下山ですが雪庇の尾根を歩かなければなりません。
慎重に行きましょうと声を掛け合って進みます。
   
    前方に雪庇の尾根が見えてきます。

 ここからはお互いの間隔をあけて慎重に歩きます。
昨日のトレースからさらに右側を歩き雪庇を刺激しないようにします。

   
    昨日の雪庇が崩れた現場です。

 崩れた斜面を見るとハイ松と笹がむき出しとなっています。
このハイ松と笹の斜面では雪の重さを支えることは出来ません。
10mほど下には大きな雪のブロックがゴロゴロしています。
このブロックに挟まれたり下敷きになるとケガをします。
そんなことにならなくて良かったです。

 この尾根を慎重に登って、10:30分、やっと下降点に到着です。
しかし、昨年野塚岳から降ってきた時の尾根はもう少し先にあります。
そこまで登らなければ主稜線歩きの線が繋がりません。
20分ほど歩いてコブを越えたところが昨年の下降点です。

 稜線は風だけでなくて小雪もちらついてきました。
稜線を少し下ったところでスノーシューを付けます。

 ここから真っ直ぐに降って1時間ほどで野塚トンネルの駐車場へ着いてしまいました。

これで、今回の準備山行も無事に終わりました。
さあ、次はソエマツ岳まで挑戦します。
今回の反省を活かして何とか歩きたいものです。

最後に今回のログを落とした地図を貼り付けておきます。
   

厳冬期のトヨニ岳(南日高)へ! その1

2012-02-26 19:45:37 | 日高山系の山
 昨年は、日高主稜線縦走を順調に終えることが出来ました。
主稜線に刻まれている縦走路を踏破してしまい残されたのは道のない尾根ばかりです。
そこで、残った主稜線は残雪期に歩くことにしていました。

 いつもの仲間の日程を調整していると何と厳冬期である3月にしか長期の休みが取れないことが分かりました。
厳冬期の日高と聞くと足がすくむ想いばかりなのですが、勇気を振り絞って挑戦することになりました。
まずは、3月初旬にトヨニ岳から北に向かって歩き何とかソエマツ岳までに焦点を絞って往復する計画を立てました。
今回はその準備山行としてトヨニ岳(1493m)まで歩いてみようということになりました。
トヨニ岳の良いところは、アプローチが容易だということです。
天馬街道にある野塚トンネル(このトンネルの上が主稜線です)の出口が出発点となります。


 2月21日の午後札幌を発ちます。
そして約5時間ほど掛かって日高にある浦河町から十勝の広尾町を繋ぐ「天馬街道」に入ります。
野塚トンネルの手前にある除雪センターとトイレのある場所で1泊します。
夜は風が強く明日の天気がどうなるか不安の1夜を過ごします。

 2月22日、心配した風も治まり良い天気です。
さっそく出発の準備をして野塚トンネルの広尾側にある駐車場へ向かいます。
この駐車場に車を駐車して登山準備を行います。
   

 登山コースは、この駐車場横から沢を渡り直ぐ横にある尾根に取り付きます。
この尾根は取り付きが急斜面なのですが、主稜線へ上がるには一番斜度が緩く感じる尾根なのです。

 7:05分、スノーシューを付けた3人と幅広の短いスキーにシールが貼り付けられたスキーを履いたOn氏の4人で登ります。
今回On氏が使っているスキーは札幌にある登山用品店「秀岳荘」オリジナルのスキーなのです。
このスキーをテストするためにOn氏が使ってみることにしました。

 スノーシュー組も初体験者2名を含みあまり慣れていないのでいきなりの急斜面に手こずります。雪の状態も悪く、表面が薄くクラストしており、これを踏み抜くと中はザクザクのザラメ雪です。
このザラメ雪には参りました。
スノーシューを支えてくれないのです。
まるで砂のように下へ崩れてしまいます。
足を上に伸ばすのですが、力を入れると元に位置へ戻ってしまいます。
これをストックで支えながら騙し騙し何とか登ります。

 On氏も苦戦しています。
シール貼り付けのスキーもこの急斜面では上手く登れないようです。
それぞれが苦労を重ねやっと尾根の上までたどり着きます。
   
 
 天気がいいのが救いです。
風もほとんど吹いていなので暑いくらいです。

 ここからは忠実に尾根を辿って登ります。
2度ほどの休みを挟んで10:15分、主稜線に到着です。

 目の前に真っ白なトヨニ岳が飛び込んできます。
後ろを振り向くとピラミダルな三角形の神威岳がこれも真っ白に輝いています。
これが日高の主稜線だ! と感慨にふけっている暇はありません。

 ここにスキーとスノーシューをデポしてツボ足にアイゼンを装着してトヨニ岳へ向かいます。
   
    心が洗われる思いがするくらい綺麗です。

 この主稜線では西風が強く左の頬が痛くなってきます。
凍傷の恐れもあるのでアウターのフードを被ります。
主稜線には東側(十勝側)に雪庇が張り出しているので気を抜いて歩くことは出来ません。
油断するとこの雪庇と共に崩れ落ちてしまいます。

 最初の難関が現れます。
狭く細い尾根に大きな雪庇が張り出しています。
ここはお互いに距離を取って20mほど間をあけて歩きます。

 トップを歩いているSz氏の直ぐ横から突然雪庇が崩れます。
ビックリしましたが、Sz氏が冷静に処理しています。
お互いの間隔をあけて歩いていたのも正解でした。

   
    雪庇の尾根を抜けたところで南側を写した写真です。

 風が吹き抜けて注意が必要といわれている1261mのポイントも無事に抜けました。
何カ所かある狭い稜線も順調に歩きます。
最初の予定では南峰と本峰の中間で雪洞を掘り1泊の予定でしたが、どうもこの調子では時間が足りないような気がしてきました。

 雪洞ポイントを探しながら南峰を目指して歩きます。
1322mを越えたところに雪洞ポイントがありました。

 13:45分、雪庇の状態を確認します。
ゾンデを差し込み雪の深さを確認しますが十分な深さの雪が溜まっています。
十勝側に少し下がって、まずはL字形にステップを作ります。
そこから雪庇の下に向かって横穴を掘ります。
   
 1mほど離れた場所で同時に横穴を2個所で掘ります。
横穴が3mほど掘ったところで横穴同士を連結します。
こうすると作業がはかどります。

今回は4人いますので2人一組になって、堀る人と掘りだした雪を谷に向かって投げる人に別れて作業します。
片方の堀口を塞ぎ、約1時間半ほどで4人が入れる雪洞が完成です。

 雪洞の中に銘々が棚を作ります。
こんな事が出来るのが雪洞の良いところです。
   
    天井の高さは、膝立ちが出来るくらいの高さです。
 
 雪洞の中は-2~3度でしょうか。
ストーブを焚いて食事の準備をするにも不自由はありません。

   
    こんな感じで寝ます。

 考えると1泊用の全装備を背負っての稜線歩き、さらに雪洞での宿泊などを行ったのは40年も前のことです。
この時には東三国岳から石狩岳までの縦走をした時、十石峠の雪庇に雪洞を掘り2泊しました。
遠い過去の出来事ですが、つい最近のように思い出しました。
あのころは若かった!!


豊滝から札幌岳へ!

2012-02-17 22:16:17 | 札幌近郊の山
 今週は羊蹄山へ登り次の日に白井岳、最後は札幌岳と1週間に3日も山登りです。

 2月12日はSz氏が休みの日曜日です。
しかし、天気は最悪です。
どうも天気に恵まれない今週ですが、札幌近郊の札幌岳へ行ってみることにします。
札幌岳へは、一般ルートとして定山渓から冷水小屋のあるルートを登ります。
このルートですと、冷水小屋を使って休憩できるのが魅力です。
冷水小屋は週末は管理人が入り薪ストーブを焚いていてくれます。
そんなことで、絶好の休憩ポイントがあるルートなのです。

しかし、私達はこの一般ルートとはまったく反対側から登る豊滝ルートに入ります。
林道の除雪最終点から長い林道歩きが続きます。
途中までスノーモビルの入った跡がありますのでこの踏み跡を利用させてもらいます。

 林道が途切れるあたりから尾根に取り付きます。
最初はそれほどの傾斜でもないのですが、尾根頭に近づくに従って傾斜が増してきます。
それだけでなくて、下の雪面は固くクラストしておりその上に軽い粉雪の深雪が積もっています。
このため、急な斜面では雪がこの接合面で切れ落ちてしまうのです。
これを騙し騙し何とか登っていきます。
 
   
    この辺りはそれほどの傾斜がないのですが、この上から傾斜が増してきます。

   
   尾根に登りきると平らな斜面もありホット一息です。

 ここから尾根伝いにドンドン先へ進みます。
雪の深さはスネくらいですので、疲れてくると足が重くなってきます。
3時間ほど登るとやっと空沼岳から札幌岳へ続く稜線の下へ到達です。

しかし、この稜線にはビッシリと雪庇が張り出しています。
   
    空沼岳側の稜線です。

   
    札幌岳側の稜線です。

 稜線の上まで20分もあれば登れると思いましたが、端から端まで2メートルを超える雪庇が張り出していては乗り越すことは無理です。
ここで、潔く下山を決めます。

   
    元気なSz氏です。

 ここから少し樹木が込み入った斜面を何とかスキーで降ります。
1時間かかって登った斜面も降りならほんの数分です。

 しかし、林道へ降りてからの方が辛かった!
なぜ、林道歩きは辛く感じるのでしょうか?

 参考のために今回のログを落とした地図を貼り付けます。
   
  
 このコースはほとんど入る人もなく、静かに山歩きをしたい人には最適です。


 ユーチューブに動画がありますので、興味のある方は見てください。

  http://www.youtube.com/watch?v=aIocHsa1JP8


羊蹄山の次は、札幌近郊の白井岳へ

2012-02-12 20:40:52 | 札幌近郊の山
 羊蹄山に登った次の日は札幌近郊にある白井岳へ行って来ました。
当初はもう少し標高のある山を考えていたのですが、低気圧の接近と共に風が強く吹雪の天気予報なのです。
そこで、比較的風の影響を受けにくい白井岳へ行くことにしました。
白井岳は、札幌国際スキー場の真向かいにある山です。
登山口は札幌国際スキー場になります。
山頂からの斜面は北向きでフワフワの新雪が楽しめる場所なのです。

 2月8日、ちょっと遅い時間ですが9時を回ったところでスタートします。
まずはスキー場を少し登ったところから沢に入ります。
沢にはいると風もなくホッとさせられます。

 今日は平日ですので私達の先に登っている人はいません。
膝下ほどの新雪をラッセルしながら登ります。
今日は最強のメンバー3人ですのでドンドン歩きます。

 30分ほど歩いたところから沢を渡渉、いきなりの急斜面を登り一気に尾根の上に出ます。
ここからは細い尾根を歩きます。
トップを順次交代しながら快調に飛ばします。
時折強い風が吹き身体が煽られますが、何とか堪えて進みます。
約2時間、歩き通したところでちょっと休憩です。

 標高が上がるに従って風の影響がでてきます。
吹きだまりの雪は重く厚く、行く手を阻みます。
その雪に負けないようにラッセルを頑張ります。

 白井岳の山頂下にある池の横から稜線に向かう急斜面はジグを切って進みます。
稜線は強風が吹きすさんでいます。
ここまで2時間半ほどで登りました。
山頂は左手にあるのですが、吹雪のため姿が見えません。

 稜線下でシールを外してさあここからはスキーを楽しむぞ!と意気込んだのですが・・・
吹きだまりと重い雪に苦しめられて思うようなスキー操作ができません。
重い雪に突っ込んで転ぶとスキーが雪の中に刺さってまったく身動きが出来ないのです。
これには参りました!
芋虫のように身体をよじって何とか起きあがります。
こんな有様では、楽しい気持ちも吹き飛んでしまいます。

 でも、何とか午後1時過ぎに下山出来ました。
あまりに早い下山でしたので久し振りにスキー場のレストランでラーメンを食べます。
冷えた身体にラーメンは最高です。
美味しかった~!!

 今日は写真がまったく撮れなかったのですが、Sz氏がビデオを写してくれていましたのでユーチューブにアップしました。

 アドレスは、http://youtu.be/f64qvLM3tl4 です。

興味のある方は見てください。

厳冬の羊蹄山へ

2012-02-11 21:05:31 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 いつも一緒に日高へ登っているKo氏から厳冬期の羊蹄山へ登らないかという話が来ました。
私は、厳冬期の羊蹄山には昔何度か登ったことがあります。
その当時(20歳)は地元の倶知安町に住んでいたこともあり、毎日羊蹄山を眺めて暮らしていました。

そして、朝起きて天気が良ければバスに乗り登山口へ向かい、国道から比羅夫コースをスキーで登っていました。
一番上まで登った時で8合目ほどだったでしょうか?
5合目くらいの森林限界にスキーをデポしてそこからはピッケルにアイゼンで登りました。
この当時は単独で登ったいましたのでスキーでのラッセルに疲れ、この辺りまで登るのが限界だったのです。
というわけで、厳冬期の羊蹄山は山頂まで登ったことがありません。

 計画では、前日の夕方までに京極町にあるKo氏が所属する山岳会が所有している山荘に前泊して、翌日早朝から登山を開始するというものです。
参加者は、Ko氏と、お友達のKn氏、Ak氏、女性のOsさんに私の5人です。
平均年齢65歳というオールドパワーでの挑戦ということになります。

 京極町の山荘は、電気も水もあり薪ストーブの暖かい温もりに満ちた快適な小屋でした。
軽くお酒を飲んだあとは屋根裏部屋で寝ましたが、暖かく快適でした。


 2月7日(火)

 午前5時35分、山荘を出発します。
   
   
 あたりはまだ暗く、羊蹄山の姿は暗い空の中にボンヤリと見えるだけです。
今日の天気予報は小雪ですが、風が強いとのことです。
しかし、歩き出しは気温1℃と暖かく、風はまったく吹いていません。

 Ak氏を先頭にヘッドランプを灯してスキーで歩きます。
まずは森林限界を目指します。

 途中で何度か休みますが気温が高いので着ているものを調節します。
   

 トップを交代しながら快調に登ります。
9時10分、1,450mの森林限界にスキーをデポします。
   
  
 この辺りでどのくらい風が吹いているか心配だったのですが、時折吹く風も優しくほとんど無風といった状態でしょうか。
ここまで3時間半ほどとまずは快調なペースです。

 ここからは、スキーをアイゼンに履き替えて登ります。
視界は20m~30mとあまり良くありません。
でも、風がないので尾根地形を選んで登ります。
   

 ここから先はルートを見失わないようにデポを打ちます。
デポとは木の枝などに赤やオレンジ色の布やテープを目印を残すことです。
木の枝が無くなった先は、竹に赤い布を取り付けたデポ旗を雪面に指していきます。

 先頭はAk氏が務めてくれます。
その後にOsさんが続きます。
Ko氏が適切な場所にデポを打ちます。

 私は少し遅れているKn氏と一緒に登ります。
山頂部に近づくと傾斜が増すだけでなく風が吹き出し、視界も悪くなってきます。
ここが頑張り所です。

 11時50分、とうとう山頂に到着です。
といっても、羊蹄山の場合は、お釜の縁に到着したことで山頂と考えています。
風が強くなってきているので直ぐに下山します。
その前に記念写真を1枚写します。
   
    平均年齢65歳のオールドパワー炸裂です。

 帰りはデポ旗を探しての下山となります。
1本目は直ぐに見つかったのですが、2本目が見つかりません。
メンバーの間を横に広げて慎重に降ります。
すると、左手の方にあるデポ旗を見つけました。
ここからは迷うことなくデポ旗に導かれてデポ地点の森林限界目指して一気に降ります。

 12時50分、デポ地点に到着です。
ここから、アイゼンをスキーに履き替えて楽しい下降となります。
Ak氏が華麗なシュプールを残して降ります。
その後をOsさんとKn氏が続きます。

しかし、スキーの苦手なKo氏は足の疲れがあるのかあまり上手く滑ることが出来ません。
ボーゲンで滑るのですが、足の踏ん張りが効かないようです。
私は、Ko氏に付き添いながら降ります。

 雪は最高の状態に変わってます。
気温が下がったせいなのかフワフワの粉雪なのです。
気持ちよく曲がることが出来ます。

 皆さんされぞれにこの粉雪を楽しみ、14時20分、山荘に戻ってきました。
とても楽しい1日でした。
それぞれの顔を見ると満足感に溢れたいい顔をしています。

 皆さん、お疲れさまでした!

  

超お手軽山スキー(ネオパラ)へ!

2012-02-09 22:44:35 | 札幌近郊の山
 2月4日(土) 今日は天気も良いので来週に登る羊蹄山の足慣らしを札幌近郊にあるネオパラと呼ばれている山へ出掛けます。

 この山は手稲山の一部であり山頂にはスキーコースがありましたが、スキー客の減少により現在は閉じられています。
自宅から登山口まで15分もあれば到着するという超お手軽な山なのです。
   
    左奥が手稲山の山頂です。(TVなどの中継用アンテナが林立しています。)
    右にある丸いピークがネオパラです。

 この斜面には山頂の直ぐ下に開けた斜面があるのが魅力的です。
しかし、この斜面の上部には亀裂が入っていることがあり、雪崩れる恐れのある斜面ですのでその点には十分な注意が必要です。

 今日は、野のネオパラの登山口近くに住んでいるKo氏の自宅前に駐車させてもらいます。
というのは、この登山口に駐車スペースがほとんど無いため路上駐車しなければいけないのですが、それさえもままならないほど人気の山なのです。

 9時頃にKo氏の自宅前に車を止めて直ぐに山へ入ります。
ここからだと直線で500mほど歩けば登山口に到着です。
駐車場からは疎林の中にある林道を歩きます。
   
    この辺りは傾斜もないので気持ちよく歩けます。

 40分ほど歩くと林道との境目に段差が出来ている場所があります。
ここには下山時に気が付かずこの段差に突っ込んでケガをしないようにテープが張られています。
   

 ここから山頂へ向かってドンドン林の中を歩きます。
傾斜が増してきます。
山スキーに来ているという雰囲気になってきます。
急斜面をトラバース気味に登ると目の前に広い斜面が見えてきます。
   
    この斜面がこの山の魅力となっています。

 ここからは急な斜面をドンドン登ります。
登り終えると大きなエゾ松が向かえてくれます。
   

 ここまで約2時間ほどの行程です。
でも、いい汗をかくことが出来ます。
目の下には札幌の町並みが広がり、後ろには手稲山のスキー場が広がっています。

   
    直ぐ横には、スキー所で使っているロッジとリフトがうち捨てられたように眠っています。
    
 帰りは登山口へ向かって一気に滑り降ります。
ノンビリ降っても1時間は掛かりません。
Ko氏の自宅前へ戻って時計を見ると丁度12時、約3時間での楽しみでした。

 このようにお手軽に山スキーが楽しめる町が札幌です。
皆さん、ぜひ、遊びに来てください。

イグルー制作(冬山への準備)

2012-02-04 20:08:55 | その他
 2月4日 今日はイグルー制作を見に行きました。
 イグルーは、イヌイットの人達が冬の住居として作っていたものです。
北海道では、早くから北大の山岳部などが冬山の登山に有効活用して日高などで絶大な効果を上げていました。
この当時のテントは綿の布地を使っていたため濡れると凍り付き重量が増えて大変なことになったのです。
そこで、冬山登山にイグルーを使う方法を編み出して活用していました。
イグルーは、スコップとノコギリがあれば3~4人でも2時間ほどで作ることが出来ます。

 私は、雪洞を掘って冬山を登ったことがありますが、イグルーを作ったことはありません。
雪洞は雪庇などのようにタップリの深さがある雪が積もった所でなければ出来ません。
しかし、イグルーは雪のブロックを積み上げるため、それほど深い雪が積もっていない所でも作成できるという利点があります。

 今日は、秀岳荘白石店の裏にある駐車場が作成会場です。
作成するのは、日本山岳会北海道支部の方々です。
午後1時からだというのでその時間に合わせて会場へ行きましたが、そこにはほんの数人しかいないのです。
私は、作る過程を写真に写そうと思っていたのですが、これではそういうわけにもいきません。
人数が少ないのでブロックの切り出しをお手伝いすることにしました。
   
    まず、1段目を積みます。約15~6個でしょうか。

 1段目を積む前に大きさの目安となる円を描きます。
この円はストックを使って描きます。
ストックの長さは1メートルほどですので、約2メートル強の円が描かれます。
この大きさで4~5人が使える大きさになります。

   
    2段目が積み終わったところです。

 さらに、ドンドン積み上げます。
   

   
    このぐらいの高さになるとブロックを持ち上げるのも大変です。
この高さから内側へブロックをせり出すように積み上げ、開口部を小さくしていきます。
   
 
   
   内側から見るとこんな感じになります。

   
    外から見るとそんなに変わらないのですが・・・
 
   
    最後の1段を残したところです。
    青空が小さくなっています。
 
   
    最上部を塞いだところです。

 あとはブロックの隙間に雪を詰めて防ぎます。
さらに、内側に突き出ているブロックの角を削ります。
この作業を丁寧にやっておかないとイグルーの中で火を使い融けた雪が滴となって落ちてきます。
それを防ぐためにブロックの角を削るのです。

   
   完成です! 

 ここまでの作業に要した時間は、約2時間です。
これを山で行うには、まずブロックに適した固い雪を捜す必要があります。
それがなければ踏み固めてしばらく時間をおかないと作業に移ることが出来ません。

 私は、このイグルーを作る技術があれば雪洞を掘るのに雪が少ない場所でも、雪洞にイグルーを組み合わせてテント代わりに出来るのではないかと考えています。
一度、制作を体験しておけば、応用することが可能です。

 大人の雪遊びのような時間でしたが、貴重な技術を学ぶことが出来ました。