井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

定山渓天狗岳で紅葉狩り!

2012-10-25 21:33:52 | 札幌近郊の山
 すっかり秋色が濃くなった札幌です。
10月21日、札幌近郊にある定山渓天狗岳に紅葉狩りへ行ってきました。
同行者はSz氏です。

 今日は札幌近郊ということもあって自宅を8時半に出ます。
9時半に登山口到着。
辺りはすっかり紅葉が進んでいます。
   
   登山口辺りの紅葉はこんな具合です。

 そして、ここから林道を20分ほど歩くのですが、紅葉が綺麗です。
   

   

 登山口には5~6台の車が止まっています。
この山は、手短なところであり、そこそこの難易度もあり人気の山なのです。

   
    北海道の紅葉は白樺が中心ですので黄色が多いです。
    やはり、赤が入ると引き締まった印象になります。

   
    落ち葉が敷き詰められた登山道を歩きます。

   
    苔むした岩などが目を休ませてくれます。
   

 この山は、標高7百メートルまでは緩い沢登りです。
しかし、2個所ほど難所があります。
1個所は土の急斜面を登りますが、もう1個所は沢沿いの岩壁を上ります。
   
    正面の岩を5~6mほど登り、左へトラバースします。
   
    そして、この滝の落ち口へ登ります。
    ここの岩が濡れていると足元が滑り、滝の下までの高度感もありちょっと嫌な場所です。
   
    こんな滝のそばも登ります。

 これらの滝を過ぎて7百メートルから上は一気に傾斜が増します。
その傾斜が山頂まで続くのです。
そして、下半分は沢登りのような登山道が続きます。
沢登りといっても沢水はそれほど流れていないのですが、足場が悪いので注意が必要です。
   
    こんな岩がゴロゴロした急な沢を登ります。

 そして、最後が15mほどロープの張られたルンゼを登ります。
風がゴウゴウ音を立てて吹き抜けます。
冷たくて強い風です。
身体が一気に冷えてきます。

 やっと着いた山頂には標識が2つあります。
    

 山頂の木陰にツエルトを出して風を防ぎ、コーヒー牛乳を湧かします。
温かい飲み物が冷たく冷えた身体には最高の飲み物です。

 若い男女のグループが登ってきます。
今日は老若男女いろいろな人達が登っています。
こんなに人の多い山はしばらく振りです。
20人は登っていたでしょうか。
特に若い人達が登ってくれるのは嬉しいことです。

 下山は風におわれるようにして降りました。

   
    下山途中に見た山肌です。

   
    帰路に見た紅葉に染まる定山渓天狗岳です。

 今日は寒い一日でしたが、いい登山が出来ました。

十勝岳(南日高)を目指していたつもりが楽古岳!

2012-10-20 13:46:42 | 日高山系の山
 10月も中旬になるとさすがに暖かい今年でも晩秋の色が濃くなってきました。
そんなところへSz氏から南日高にある十勝岳(1,456m)に登らないかという話が来ました。
十勝岳は登山道がないので沢登りになります。
この時期になると沢水が冷たいのではないかとあまり気分が乗らなかったのですが、天気予報ではまあまあなので家でグズグズしているよりは、と思い行くことにしました。
私もSz氏もコイボクシュメナシュンベツ川を登るのは初めてです。

 10月15日(月)

 朝5時に札幌を出発します。
秋になるとこの時間は真っ暗です。
まずは浦河町を目指して高速に入ります。
高速は日高門別まで少し延びていました。

 浦河町から天馬街道へ進み上杵臼から右折して林道へ入ります。
10キロ弱で登山口となる楽古山荘に到着です。
   
    中を見ましたが綺麗に整理された立派な小屋です。
この次はここに泊まって楽古岳に登ろうなどと話しながら登山準備をします。

 7:40分、さあ出発です。
   
    まずはコイボクシュメナシュンベツ川の左岸にある林道を歩きます。
今日は時間がないので出来るだけ林道を詰めてから入渓することにします。
20分ほど林道を歩き、いよいよ入渓です。
   
    最初はビビリながら沢水に足を入れましたが水が思ったより冷たくありません。
   ちょっとだけ気持ちが軽くなりました。

   
    沢の途中で綺麗に苔むした場所があります。
   フカフカとした苔の緑色がとても綺麗でした。

 8:35分、二股と思われる場所に来ました。
高度計を見ると515mです。
二股は550mにあると聞いていましたのでもう少し先へ右股を進みました。
   
    左股です。(本来はこの左股へ進めば十勝岳でした。)
 
   
    この右沢を登ると楽古岳へ行くのですが、私達はまだ先に二股があると
    思っていました。

   
    こんな滝もあり楽しく登っていきます。

 まもなく滝などが現れ快調に登っていくと右手から沢が入ってきます。
高度計を見ると550mちょうどです。
ここが二股だと思い右股へ入ります。
この右股へ入ったのは、私は550m二股は右股へ入ると間違って記憶していたからです。 

 しかし、この右股は狭い谷となっており直ぐ先に小さな滝があります。
この滝を越えようとしましたが上手く越えられません。
その先の様子を見ましたが沢が狭まりどうやら枝沢ではないかと思い引き返します。

 戻ったところで先ほどの二股ではないかと話し合った場所までさらに降れば良かったのですが、
私達は左股に入ったつもりでそのまま登っていきます。

   
    この滝は正面の岩から登りました。

 高巻きをするところにピンクテープを見つけたりしたので十勝岳へ向かって登っているつもりでした。
   
    沢が広くなり、枝沢から滝となっての流れ込みがあり目を楽しませてくれます。
   

 そして、一旦、伏流します。
   

 ドンドン沢を詰めていくと正面が切り立った崖となりそこに一筋の滝が落ちています。
   
    50m以上はありそうな滝です。
「あの滝は登れないね~ぇ。」などと話しながら
滝の下へ向かっていくと手前の右股は登れそうです。
10:30分、上二股に到着、標高は770m辺りでした。

   
 この右股の滝を登ることにしました。
ここからが凄かったです。
登っても登っても滝が続きます。
滝とナメの連続なのです。
標高差で150m~200mは滝が続いたでしょうか?

 その滝の一つを高巻いている時です。
私は滝の近くを高巻こうとして滑る岩を登っている時です。
足元がずるっと滑ってアッという間もなく岩肌を滑り落ちてしまいました。
高さは3mほどでしょうか。

 右の太腿の外側を岩に打ち付けましたが、沢の中へ立ったまま落ちたので足首や膝を痛めなかったのが幸いです。

 沢水が細くなり涸れてくると標高で千メートルは超えてます。
   
    沢越しに大きな山が見えています。
    (私はこの山が楽古岳だと思っていました。)

 沢というより岩だけの細い沢筋を登ります。
やがてその沢筋もハッキリしなくなりハイ松が出てきます。
ハイ松の向こうに稜線が見えてきます。
この辺りは身体を隠すものがないので冷たい風が吹き付けてきます。

 ウインドブレイカーを着てハイ松を漕いで登ります。
斜面が急でなかなか進みません。
高度計は1400mを超えています。

 あと15分から20分もあれば山頂に到着出来そうです。
しかし、時計を見ると12時20分を回っています。
出発する前に一応12時を目処に考えようということで登っていました。

 Sz氏と相談した結果、ここから降ることにします。
この山はお互いに初めてのこともあり、しかも、登ってきた沢を降るとしたら何時間かかるか分かりません。
今回は、ここまでとして降ります。

 さて、降るルートを相談します。
登ってきた沢を降るのはかなり危険に感じましたので、目の前に広がる1本隣の沢に向かって降るのはどうか相談しました。
目の前に見える沢の方が傾斜が緩く、沢の下までゴルジュはないように見えます。

 相談がまとまったので、目の前の沢を降ります。
初めて降る沢ですので、沢身に直ぐはいらず尾根状の地形を繋いで降ります。
強烈な藪漕ぎの連続です。
笹を歩く時は沢靴が滑るので後ろ向きになって降りました。

 途中で休憩を取ります。
Sz氏が持ってきてくれた牛乳を湧かして飲みます。
冷え切った身体に熱い牛乳がしみ込んでいきます。
お腹が熱くなると力が湧いてきます。

   
   目の下に見えた最後の滝です。
この滝を降ると、どうやら登ってきた沢に合流出来そうです。
慎重に左岸の草付きを降ります。

   
    登ってきた見た崩落した岩です。

 14:30分、ここまで来てホット一息つけました。
ここから先は登ってきたルートですので安心して降れます。

 晩秋の陽の落ちるのは早いです。
すでに3時近くなっているので先を急ぎます。
ここからは休み無しでドンドン降ります。

 16:20分、楽古山荘へ戻ってきました。
向かいの山に夕日が当たり紅葉の山を照らしています。 
   
    
 いや~!
今日はポカの連続でしたが、楽しい1日でした。
770mからの滝登りは緊張しましたが、楽しく登れました。
この次はこの楽古山荘へ1泊して、十勝岳と楽古岳に登るのもいいかと思いました。

 ☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★
  
  今回は目指した山に登れず隣の山に登るという大きなミスを犯してしまいました。
 その原因は、私の記憶違いが原因でした。
 二股できちんと地図を出しコンパスで進行方向を確認すれば防げたミスです。
 今一つ気持ちが乗らない事はありましたが、そんな言い訳は通じません。

  幸いに太腿も打ち身だけで歩くことに支障がなかったのは幸いでした。
 この迷い山行のお陰でこの辺りの沢の様子も分かりました。
 来年は、きちんと十勝岳に登り、さらに楽古岳も登りたいと思います。


 最後に、ログを落とした地図を貼り付けておきます。
   
 

懐かしの山、武華岳・武利岳

2012-10-16 20:53:14 | ニペソツ山・中央山系の山
 石狩岳と音更岳を登った後は次の山に備えて移動します。
次の日に登る山は、網走管内にある武華岳と武利岳です。
これらの山は、私が北見に住んでいた時に登った山です。
武華岳は、路線バスが走っていたので一人でも登りに行った山です。

 武華岳の登山口となる元山は、イトムカの精錬所で精錬していた水銀を掘り出すための鉱口があった町です。
私が高校生時代に初めてこの山に登った時にはすでに廃村となり誰も住んでいなかったのですが、建物がまだ残っていました。
私の父は戦争中の動員でこの町で水銀の鉱石を取り出す作業をしたことがあると聞いていました。
いまは、どこに町があったのか分からないほど木々が生い茂っています。

 さて、石狩岳の登山口から移動して、イトムカにある開発局の車庫の場所を借りて(無断ですが・・・)1泊しました。

 10月8日(月)

 昨夜は気温が低く寒くて寝ていられませんでした。
途中で起きてダウンジャケットを着たほどです。
でも、夜空の星は綺麗に輝いていました。

 6:10分、登山口に到着して早速登山準備をします。
先客があり出発準備をしています。

 6:20分、いよいよ懐かしい山旅の始まりです。
   
    登山口です。
この下に駐車場があります。
登山道は綺麗に整備されています。
この日もしたく差が濡れていないので快適に歩けます。
軽い登りをゆっくり歩いていると見覚えのある滝が左手に見えてきます。
   
    この滝はサラサラと音を立てて流れています。
    この音が鈴繁なのですが、さすがにこの時期だと寒々しく感じます。

 10分ほど歩くと分岐点の標識があります。
武華岳に登るには2本のコースがあります。
この分岐点から左手に向かって進むのがライオン岩コースで3.7kあります。
そして、右手に進む東尾根コースが3.9kあります。

 今回は武華岳を経由してその奥にある武利岳へ登るつもりですので、右手へ進みます。
登山道は白樺林の中を真っ直ぐ延びています。
後ろから陽が当たって白樺の幹が白く輝きます。
   
    とても綺麗です。

   
    対岸の山肌も紅葉しています。
    針葉樹が多いのであまり綺麗ではありません。

 7:30分、同じ傾斜の登山道を登ってくると稜線に出ます。
ここで一気に視界が開けます。
   
    遠くにトムラウシ山が見えています。

 そして大雪山も見えているのですが、旭岳が白く輝いています。
   
   どうやら初雪で白くなっているようです。
昨日は雲の中で大雪の山並みは見えませんでした。
その雲が降らせた雪で真っ白になっています。

 稜線の土に霜柱を発見しました。
   
    この霜柱が昨日から今朝方に出来たのなら昨夜の寒さも納得できます。

 7:40分、ハイ松の稜線を少し歩くと東尾根の分岐点に着きます。
   
    ここから左手に1kほど歩くと武華岳の山頂です。

 稜線は風が強いので武華岳に向かって降ります。
   
   東尾根の分岐に来ると目の前にドッシリとした姿の武利岳が見えます。
 
 ここから武利岳へは一旦2百メートルほど降らなければなりません。
ここで2人組の登山者に会いました。
私と同じく武利岳へ向かうようです。

 休憩したいのですが風が冷たくしかも強い風ですので少し降ってから休むことにします。
10分ほど降ったハイ松の中で休憩します。
魔法瓶から熱いコーヒーを飲むとホッとします。

 5分ほど休んで直ぐに出発です。
あまり休んでいると寒さのために汗をかいたからだが冷えてしまいます。
ここからの登山道は急な坂道となってコルに向かって真っ直ぐ降ります。
足を止めるのに左右にある木の枝を掴みながらスピードを調節します。

 ここまで歩いていて笹がないことに気づきました。
珍しいことです。
標高が落ちると直ぐに笹が顔を出すのですが、不思議ですね。

 コルまで降って登りになると笹原が行く手を遮ります。
ここがちょっとコースが笹に覆われて分かりづらいところです。
しかし、ピンテープが付けられているので落ち着いて探せば迷うことはありません。

 登に入ったところで笹が頭を越える様になっています。
足元が見えないので両手で笹を訳ながら慎重に登ります。
約百メートルほどでしょうか。
この笹原を超えるとルートはハッキリしています。
急な斜面を直登すると岩尾尾根の突端に出ます。

 ここからしばらくの間、岩尾根歩きになります。
   
   北風がまともに当たるのでウインドブレカーを着ます。
岩尾根を一つ一つ越えていきます。
所々ナイフリッジになっていますが、距離が短いので落ち着いて歩けば問題はありません。

 ナイフリッジを歩き終え、目の前の急斜面を登りきると山頂は直ぐそこでした。

 9:30分、武利岳の山頂に到着です。
   
    誰もいない一人きりの山頂です。
山頂の南側、ハイ松の陰に入って休みます。
正面から太陽が当たり暖かくて気持ちがいいです。

 20分ほど休んでいると男性と女性の2人組が山頂へやってきます。
「山座同定出来ますか?」といわれたので、知っているところを説明します。
服装や話している内容からするとかなり山に登っている人達のようで、山座同定が出来ないようには見えませんでした。 

 しばらく話をしていましたが、先に山頂を出発します。
降りも快調なペースで歩きます。
コルまで一気に降って少し登ったところで休憩します。

 12:05分、東尾根の分岐に戻ってきました。
ここからコースを換えて武華岳の山頂へ向かいます。
途中で男の子を連れているお母さんとの2人組に会いました。
武華岳は子供連れで来るには手頃な山だと思います。
「頑張ってね!」と声を掛けて山頂へ向かいます。

 12:30分、武華岳の山頂に到着です。
この山頂もほぼ40年振りでしょうか?
   
    武華岳の山頂から見た武利岳です。

 山頂で数枚写真を撮っただけで降ります。
一旦降って登ったところにライオン岩があります。
ライオン岩は稜線上に突き出す様に張り出した岩です。
その姿が、稜線上にライオンが寝そべっているように見えるところから名付けられたようです。
   
    左手が顔です。
    ライオンに見えるでしょうか?

 ここからは急で狭い尾根を一気に降ります。
そして、降り終えると東尾根コースとの分岐に出ます。
ここから10分ほどで登山口に着きます。

 13:45分、無事に帰ってきました。
天気は良いのですが風が冷たく寒いので足早に登った山達でした。
でも、懐かしい山に登れて最高の気分です。
今度は冬に武利岳まで歩いてみたいと思いながら帰路につきます。

 

紅葉を求めて石狩岳に登る

2012-10-14 18:42:52 | 大雪山系の山
 9月下旬にニペソツ山へ登りましたが紅葉は今一つでした。
今年は9月になってからも気温が高く、この影響で紅葉が遅れているようです。
それならと10月初旬の三連休を使って石狩岳に登ることにしました。

 この石狩岳には大切な思い出があります。
それは40年ほど前のことです。
私がまだ20代初めの頃厳冬期の石狩岳の山頂に立ったことがあります。

 私が住んでいた北見市にある山岳会の厳冬期の縦走目標として三国山から石狩岳までの縦走が持ち上がっていました。
この縦走メンバーに選ばれて水銀の精錬場のあったイトムカから三国山へ登り、稜線を歩いて石狩岳まで縦走したのです。
天気に恵まれ3泊目は十石峠に雪洞を掘り、ここから石狩岳へアタックして無事に山頂へ立つことが出来ました。

 石狩岳へ登るのはこの時以来ということになります。

 10月7日(日)

 前日の午後に札幌を発ち、一旦は石狩岳の登山口(シュナーダーコース)まで行きましたが雨が降っており幌加まで下がることにしました。
幌加には国道脇に除雪センターがあります。
この駐車場で1泊することにしました。
この辺りは雨が止んでいたので駐車場の片隅にテントを張ります。

 7日の朝、小鳥の声がしてきたので起きてみると空が明るくなってきています。
早速朝食を取って出発の準備をします。
除雪センターには立派なトイレがあります。
ここで出発前の用事を終えます。
   
   6時を回ったところで出発します。
国道を十勝三股へ向かい、三股橋の手前から林道へ入ります。
林道は整備されていますので気持ちよく走れます。
25分ほどで登山口に到着です。
山の上の方は雲に隠れていますが、天気は回復してくるはずです。
すでに5~6台の車が止まっています。

 6:35分、私も出発します。
笹藪の中を歩くのですが、笹は乾いています。
この時期は笹などの下草が濡れていることが多いのです。
このためズボンがグズグズになってしまいます。
それがないので本当に気持ちよく歩けます。

 5分も歩かないところに小さいけれども立派な祠があります。
   
    中を見ると天狗神社と書かれています。
まずは登山の安全を祈願して手を合わせます。
ここからは緩い傾斜の笹原をドンドン歩きます。
そして小沢を渡るといよいよ尾根に向かって取り付きます。

   
7:10分、いよいよ尾根に向かって登ります。
まずはジグザグの登山道を登ります。
20分ほどで尾根に出ます。
ここからはひたすら尾根を詰めていきます。

 尾根を登るにしたがって紅葉が目に飛び込んできます。
   
    なかなかいい感じです。
時には白樺の黄色い葉の下を潜ります。
   

 ドンドン綺麗な紅葉が見えてきます。
   
   
 この紅葉を見ていると今が一番いい時期のようです。
紅葉に目がいきますが、傾斜はドンドン増してきます。

   
   上の方の雲がドンドン流れ陽が射してきます。
その日があたる山腹の紅葉が綺麗なのです。
   
    言葉では言い尽くせない美しさです。

   
    10日ほど前に登ったニペソツ山も見えています。

 かくれんぼ岩などとふざけた岩などを越えていくと尾根が細く岩混じりになります。
そこを我慢して登るとようやく前方が開けてきます。

 9:05分、稜線に到着です。
目の前には石狩岳への最後の登りが覆い被さるように見えています。
   
そして、正面には大雪の山並みも見えています。
   
    残念ながら雲に隠れています。
    (この雲に隠れていましたが、前日の雨が初雪になっていました。)

   
    ウラシマツツジも真っ赤になっています。
   
    真っ白い実のようなものを付けているシラタマの木です。
   
    チングルマも葉が真っ赤になっています。

   
    隣にある音更岳です。

   
   石狩岳の山腹の向こうにニペソツ山が山頂を見せてくれています。

 急な斜面をゆっくり登ります。
この斜面を40年前はアイゼンを付けて登ったのを思い出しました。
途中までスキーを使って登っていたことなど結構鮮明に覚えているものです。

 9:35分、石狩岳の山頂に到着です。
40年振りに踏む山頂です。
   
 山頂の奥5分ほど先にあるコブの方が山頂より高いのでそちらへ行って休むことにします。
稜線に吹く風は冷たく耳が痛くなってきます。
コブに着いたら風陰で休み軽く軽食を取ります。
魔法瓶の中から熱いコーヒーを飲みます。
熱いコーヒーがノドを流れていくのが分かります。
目の前に見えるニペソツ山を眺めながら贅沢な時間を過ごします。

 30分ほど休んでから下山します。
今日は天気も良いので隣の音更岳も寄っていくことにします。
石狩岳の山頂を降っていくと数人の方達が登ってきます。
挨拶を交わして冷たい風に背中を押され歩きます。

シュナイダーコースの分岐まで来ると休んでいる人がいます。
ここからは稜線の北側を歩くので北風が横から吹いてきます。
左耳が冷たくなって痛いくらいです。
ウインドブレーカーの帽子を被って風を防ぎます。

 音更岳の山頂手前は岩だらけです。
その岩だらけの登山道がハッキリしないのです。
マーキングもありません。
今日は天気が良いので山頂方向へ適当に歩いてもいいのですが、ガスっている場合には注意が必要です。

 11:10分、音更岳の山頂に到着です。
   
    大雪山方面です。

   
   石狩岳です。

   
    クッキリとニペソツ山も見えています。

 ここから先をどうするか考えました。
このまま引き返してシュナイダーコースを降るか、それとも十石峠を経由して降るか考えました。
その結果、今日はこのまま引き返してシュウナイダーコースを降ることにしました。
というのは、登山口からさらに奥にある岩間温泉がどうなっているか見たかったからです。

 冷たい風に吹かれながら脱兎のごとく降ります。

 13:50分、登山口へ戻ってきました。
ここでテントを干して一服します。
秋の日差しとはいえ20分ほどテントを日に当てると乾いてきます。
  
 さあ、岩間温泉へ向かいます。
車で5分ほど林道を走ると沢があるので手前に駐車します。
そこから10分ほど歩くと岩間温泉です。

 来てみてビックリです!
岩間温泉に入りに来ている人達の車とテントが林道の両側を埋めています。
そして、昔は浴槽だけの温泉が、横には脱衣所が出来ているではありませんか。
   
 温泉のお湯は源泉では熱いので川の水を引き込んで温度調節が出来るようになっています。
ちょっと熱めのお湯が冷えた身体にジンジンしみ込んできます。

 体も温まったところで、次の山を目指します。
ここからイトムカへ移動して明日は武華岳と武利岳に登ります。

   

西暦年の標高の山・ニペソツ山に登る

2012-10-10 21:22:11 | ニペソツ山・中央山系の山
 私の大好きな山の一つであるニペソツ山の標高は2,012.9mです。
この標高は私が使っている地図に記載されている標高です。
しかし、ニペソツ山の標高は四捨五入され2,012mとか2,013mと表示されている地図もあります。

 今年は2012年、ニペソツ山の標高と年号が同じなのです。
この西暦年と同じ標高を記念して今年9月にはニペソツ山に登ろうと思っていました。
どうせ行くなら自分の持っている地図の標高に合わせたいと思っていました。
ギリギリの9月26日から27日に出掛けることが出来ました。

 9月26日(水)に札幌を発ちました。
この夜はヌカビラ温泉の駐車場でテント泊をしました。
駐車場にはキャンピングカーが数台駐車しています。
私も片隅に車を止めてその横にテントを張ります。
駐車場は国道脇にありますので時々走り抜ける車の音でなかなか寝付けないでいました。
それも、いつの間にか寝入ってしまいフッと目を覚ますと朝の4時でした。
まだ暗いのですか起きて出発の準備をします。

 9月27日(木)

 いつもの朝食、インスタントラーメンを食べてコーヒーを魔法瓶に詰めます。
濡れたテントを畳む頃には夜が明けて明るくなっています。
上空は青空が広がってきます。
どうやら今日は良い天気のようです。

 十勝三股へ向かって車を走らせます。
三ツ股橋の手前から左折して林道へ入ります。
この林道はニペソツ山や石狩岳の登山口へ繋がっています。

 ニペソツ山の登山口となる駐車場へ着きました。
   
    車が5~6台止まっています。

 5:45分、いよいよ出発です。
この看板の横を入るといきなり沢を渡らなければなりません。
   
    いきなりの渡渉はこの木を使って対岸へ渡ります。

 このワイルドさが北海道の山です。
本州の山と違って登山標識もあまりありません。
踏み跡に注意したり所々にピンクテープなどがありますので注意して歩きます。

 渡渉後はいきなり尾根に取り付く急な坂を登ります。
この急登をジグザグに登って少し傾斜が緩くなったところに思わないものを見つけました。

 何と立派な標識があるではありませんか。
   
    ビックリしてしまいました。

 この時期だと下草が露で濡れておりズボンがズブズブに濡れるのですが、今日は下草が乾いています。
これだと快適に歩けるので気持ちも軽くなります。

 7:20分、ようやく尾根を登りきった辺りに大きな岩があります。
   
    まるでトウセンボをしているような岩です。

 この辺りへ来る年会が一気に開けます。
   
    目の下には一面の雲海です。
その雲海に浮かぶクマネシリの山々です。

 さて、紅葉の具合ですが、今年は9月に入っても暑い日が続いたために遅れています。
   
    こんな感じで色づきはまだまだといった感じです。
 正面に見える山を登らなければなりません。
後ろを振り返ると石狩岳や音更岳が見えています。
   
    雲の上に浮かぶ石狩岳と音更岳です。

 ハイ松が出てきて登山道が岩だらけになってきます。
時折、ピーッ!ピーッ!と甲高い鳴き声が聞こえてきます。
これはナキウサギが仲間に発する警戒音です。
直ぐ近くで鳴き声がするので目を凝らしてナキウサギを探しました。
すると過ぎ近くの岩の上にいました。
   
    ころころと太ったナキウサギです。
この時期は冬ごもりのためエサをあちらこちらに貯蔵するようです。
ナキウサギにとって一番忙しい時期です。

   
    雲に浮かぶトムラウシ山です。
 
 登山道は岩だらけの道です。
   
    この岩だらけの中に沢山のナキウサギが住んでいます。
ニペソツ山はナキウサギが沢山生息している山なのです。

 8:35分、天狗平に到着です。
ここで初めてニペソツ山の山頂とご対面です。
   
    私はここから見るニペソツ山の姿が一番好きです。
山頂が天を突き刺すように尖っており、左右に広がる尾根の姿もドーンとしており全体が存在感満載なのです。
ここで、紅葉に染まるニペソツ山が眺められると思ってきたのですが・・・
今年は期待はずれに終わってしまいました。
 
   
    雲海に浮かんでいるのは十勝連峰です。

 ここから一旦降って、さらに山頂へ向かって登ります。
左側はスパッと切れ落ちていますので注意しながら歩きます。
最後は山頂部を右手から回り込むようにして登ります。

 9:50分、山頂に到着です。
   
    ここに付けられている山頂標識の標高は2,013mとなっています。
今年登り損ねた方は、来年ぜひ登ってください!

 今回は山頂でノンビリと山を眺めました。
私の後に登ってきた単独の人に360度に見える山を説明します。
こんな時間も楽しいものです。
山頂は風も穏やかで日差しもあります。
45分も過ごしてしまいました。

 いつまでもこの眺望を楽しんでいたいのですが、そういうわけにもいきません。
山頂に別れを告げて下山します。
下山途中で振り返ると山頂部に雲が掛かっていました。
   
    いい時間に山頂を離れたようです。
   
    途中の山腹です。
    この辺りは登山道がハッキリしていません。
    岩だらけの登山ルートですがマーキングがほとんどありません。
    天気が良い場合にはそれほど心配はありませんが、ガスが掛かったりするとコースミスをしないように注意して歩く必要があります。
   
    ここでもナキウサギが顔を見せてくれました。
 
 14:00分、登山口へ戻ってきました。
今日は天気に恵まれていい登山が出来ました。
西暦の年号と同じ山、しかも大好きなニペソツ山に登れたのですから満足のいく一日でした。

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  帰り道、幌加温泉でお風呂に入ってきました。
  「鹿の湯」で入ろうと思いましたが、玄関には看板一つありません。
  この宿は年老いた少し耳の遠いお婆さんがやっている日帰り温泉なので
  もう廃業してしまったのかと思いました。
  すると、玄関から風呂道具を持った人が出てきます。
  この人に聞いたところお風呂はやっているようです。
  ホッとしてお風呂に入りに行きます。

  
   風呂帰り、温泉の直ぐ脇で草を食べるのに夢中のエゾ鹿です。
   私と鹿の距離は4~5mです。
   鹿は私にまったく関心を示していません。
   人間がそばにいることなど気にしていないようです。
   このように慣れすぎた弊害があちらこちに出ています。
   そして増えすぎた鹿が植林した若木を食い荒らしたりして
   森林被害を増大させています。

   





 

ヌビナイ右股を遡上しソエマツ岳からピリカヌプリの稜線を歩く・その3

2012-10-02 21:43:55 | 日高山系の山
 9月14日(金)

 昨夜は、念願のソエマツ岳からピリカヌプリの稜線歩きを終えた満足感でグッスリ寝られました。昨夜と同じ寝袋の中から星空を眺めながらの一夜でした。

 朝4時頃にSz氏が起きます。
今日は下山するだけですので起床時間は5時でいいかと話していたのですが、目が覚めたようです。
「コーヒーでも湧かすかな?」と言ってくれたのですが、私とOn氏が「もうすぐ明るくなるからそれからにしたら」と言って寝袋の中で惰眠をむさぼります。

 5時近くなると空が明るくなってきます。
私とOn氏も寝袋から出ましたが、昨日の疲れもあり目が覚めてきません。
それでも、Sz氏が作ってくれたコーヒーを飲んで朝食を食べる頃には頭も働いてきます。

 まずはパッキンをしなければなりません。
Sz氏とOn氏の荷物を外に出して私はテントの中を片づけます。
炊事用具などを持っているとどうしてもパッキングは最後になってしまいます。

   
    テントを畳み、2夜の宿となった場所に感謝です。
 このテントサイトは近くに水場があり焚き火が出来た最高の場所でした。

 6:10分、いよいよ下山です。
   
    最初はゴロゴロの岩を慎重に降ります。
 
 40分ほど降るといよいよ雪渓の上を渡らなければなりません。
雪渓に上がる場所は左岸の流木を使います。
そして、雪渓の上を降り、左岸の高巻きから雪渓の上に渡った場所の立木に付けたテープを探して
雪渓を降ります。
巻き道はハッキリしませんが、登ってきた道ですので何とか降ります。
   

 七つ釜の展望台となる辺りから沢を望むと雪渓に陽が当たって輝いています。
   

 ここで記念写真を写します。
   
    左がOn氏、右がSz氏です。
   
    私です。
 
 さらに20分ほど降ると左岸の高巻き地点です。
ここで、残されていた固定ザイルに私達が持ってきたサブザイルを足して固定ザイルを補強しました。
   
    補強作業中のOn氏とSz氏です。

 この固定ザイルの補強により左岸のトラバースはかなり安全度が増しました。
しかし、この固定ザイルの強度が何年持つか分かりません。
残置されているリングボルトと今回新たに取り付けたステンレスボルトを利用して自分達のザイルを使いトラバースすることをお勧めします。
残置されているものの安全度は自分で確認してください。

 このトラバースを終えて川床に降りるところも登る時には気が付きませんでしたが、降る時には嫌らしい場所です。
よく見ると白樺の木の幹にスリングが数本残っています。
皆さん考えることは同じようです。
私達もこの白樺の木を支点にしてザイルを出して下降しました。

 この下降地点で川床へ戻りました。
そのまま左岸を歩いていきます。
次のゴルジュも左岸に踏み分け道が付いているのでそのまま歩いて行きましたが、どうも様子が変です。
直ぐ先は岩壁になっているのです。
この岩壁を越えるのにかなり高いところまで登らなければなりません。
おかしいと思い引き返します。

 On氏が対岸に垂れ下がっているテープを見つけました。
ここで一度渡渉して右岸へ渡ります。
右岸に渡ると固定ザイルが崖に取り付けられています。
この崖を登りさあトラバースをと思ったのですが、踏み分け道がハッキリしません。
私達は地形を読みながら草付きの急斜面をトラバースします。

 やっと、高巻きを終えました。
これから先はそれほど危険な場所はありません。
天気が良くなって暑いので沢の中を歩いたり日陰の巻き道を歩いたりします。

巻き道は登る時には気が付かなかったのですが、中州などにはほとんど巻き道があるようです。
何度か休んで歩いているとクマの沢の二股に到着です。
ここまで来ると、直ぐ先が林道からの入渓地点です。

 右岸に林道にある待避所の標識を見つけたので笹を漕いで林道へ出ます。
ここから10分ほど歩くと駐車していた車が見えてきます。

 ちょうど12時、駐車している車に戻りました。
そこから、後ろを振り返るとソエマツ岳が見えています。
   
    一番奥のうっすらとした山陰がソエマツ岳です。

 これで私にとって冬からの宿題だったソエマツ岳からピリカヌプリの稜線歩きが終わりました。
それにしても、北海道有数の渓谷美を誇っているはずの七つ釜が流木と雪渓でズタズタにされていました。
この場所が、もとの景観を取り戻すのに何年かかるのでしょうか?
数年後に再訪して、ぜひとも綺麗な七つ釜を見てみたいものです。